サザンオールスターズ 桑田佳祐さんのしゃがれ声について

こんにちは。
ブラッシュボイス・関東代表ボイストレーナーの鈴木智大です。

今回は長年、日本の音楽シーンを支えてきた、日本を代表するロックバンド サザンオールスターズのボーカリストである桑田佳祐さんの歌についてお話して行きたいと思います。

特に桑田佳祐さんの声の特徴であるその「しゃがれ声」は、一度聴いたら耳から離れません。とてもクリアで明るい声とは言えませんが、とても魅力的でリスナーを魅きつけます。

その魅力としゃがれ声の出し方のコツ等についても触れていきたいと思います。

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目次

桑田佳祐さんのしゃがれ声について

桑田さんは、以前はしゃがれ声を作るためにお酒でうがいしたり、声帯を酷使したりしたこともあるようですが、現在は素の声を活かしているようです。

以前生徒に「しゃがれ声を作るためにはどうすれば良いですか?」という質問を受けたことがあります。
もともとクリアな声質の人をしゃがれ声にするというのは至難の業で、基本的には声帯に負担がかかること(お酒やタバコ、夜更かしなど)を行っていくしかありませんが、もちろんお勧めしません。やったとしても自己責任でお願いします。

そういったものに頼らずにしゃがれ声に近づけるボイトレ方法はありますので、ご紹介したいと思います。

息のコントロール

息を多くして発声すると、多くの方がだいたいに柔らかい声質になり、息を少なくしてしっかり声を出すと声の力が強くなります。(声が硬くなる。)

桑田圭佑さんの場合、元の声質にこれらのテクニックがしっかり加わり、声をコントロールしています。このコントロールの仕方や息の割合など、絶妙なバランスをとるのがとても難しいですが、ボイトレの方法としては歌の練習を繰り返す中で感覚を掴んでいくのがとても良い方法です。

すぐにできる息のコントロールのトレーニング・ボイトレ方法としては、「フェードアウト」です。歌のフレーズの終わりの部分などで、声を段々と小さくしていく方法で、ビブラートで終わらせる方も多いですが、まずはビブラートをせずに、まっすぐ伸ばしたまま声を小さくして行くボイトレ方法から行うと良いでしょう。

この際、息の割合を多くしていくことで、滑らかにフレーズ処理することができます。
是非お試し下さい。

非整数次倍音を多く含んだ声質

音にはそもそも「倍音」というものが存在し、一つの音にもたくさんの音が重なって聴こえているのです。

例えば、ピアノで「ド」の音を押さえると、当然「ド」の音が聴こえてきますが、実は「ド」以外の音も重なって聴こえているのです。自覚はありませんが人間の脳ではしっかり聴覚が捉えています。

テレビの試験放送音「ピー」という音は皆さんご存知だと思いますが、あれば440Hzという周波数の音(ピアノのラの音の高さ)が鳴っています。
例えばその440Hzの音から見て整数倍の音を「整数次倍音」、整数倍ではない音を「非整数次倍音」と言います。
(2倍あれば880Hzで、それは整数次倍音になります。)

整数次倍音はアナウンサーのようなクリアでカリスマ性のある声。
非整数次倍音はビートたけしさんのようなザラザラした声で、注意を向けたり、安心感を与える声と言われています。

そして桑田佳祐さんの声は「非整数次倍音」という倍音を多く含む声質です。そのため「安心感」「注意を向ける」といった効果のある声と言えます。

確かに桑田佳祐さんの声がBGMで流れてくると「おっ!」とついつい耳を傾けてしまいますね。その反面、どこか聴きやすく、馴染みやすい印象を受け、聴き疲れのしない声とも言えます。

まとめ

今回は「桑田佳祐さんのしゃがれ声」というテーマでお話させていただきました。そして「整数次倍音」と「非整数次倍音」、もともとの声質でどちらの倍音が多く含まれるかは人によりますが、先程の息のコントロールを行うことである程度使い分けができます。

歌い始めは非整数次倍音で、サビは整数次倍音で歌うなんてことも可能になるかもしれませんね。

ブラッシュボイスでは、その人が持っている声質をしっかり活かした(個性を活かした)ボイトレ・レッスンを行っています。是非一度、ボイトレ無料体験レッスンにお越しください。

株式会社ブラッシュボイス
関東代表ボイストレーナー/鈴木 智大

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