ボイトレの練習法として知られるタントリル(タングトリル・タングロール・巻き舌)。舌先を上顎に当てた状態で息を吐き、舌を細かく振動させるトレーニングです。
「タントリルができない」「やり方がわからない」というお悩みをよく頂きます。本記事では、タントリルの効果・正しいやり方・できない場合の代替練習法まで、ボイトレの観点から詳しく解説します。
タントリル(タングロール)とは?基本の仕組み
タントリルとは、舌先を上顎(前歯の裏あたり)に軽く当て、息を吐くことで舌をブルブルと振動させるボイストレーニングのことです。「タングトリル」「タングロール」「巻き舌」など呼び方はいくつかありますが、いずれも同じトレーニングを指しています。
スペイン語やイタリア語の「巻き舌のR」をイメージすると分かりやすいかもしれません。この舌の振動を歌のフレーズに乗せて行うことで、発声に必要な筋肉のバランスを整える効果が期待できます。
タントリルの効果|ボイトレで使われる3つの理由
タントリルがボイトレに取り入れられる理由は、主に以下の3つです。
①口腔内・舌の緊張をほぐす
歌うときに舌や顎に余計な力が入ってしまう方は多くいらっしゃいます。タントリルは舌をリラックスさせた状態でなければ振動が起こらないため、脱力のコツをつかむトレーニングとして非常に効果的です。
②声帯まわりの緊張を緩和する
タントリルを行うと、舌の振動が適度な空気圧を保つガイド役になります。その結果、声帯に無理な力がかかりにくくなり、喉を締めずに発声する感覚を身につけやすくなります。発声練習の基本と組み合わせることで、さらに効果的です。
③息のコントロール力が向上する
タントリルを安定して持続するには、一定量の息を均等に吐き続ける必要があります。これは腹式呼吸のトレーニングにも直結し、歌唱時のブレスコントロール向上につながります。
このようにタントリルは、舌・喉・呼吸という発声の三大要素を同時に整えられる、非常に効率の良いウォーミングアップ法といえます。
タントリルのやり方|正しい手順を解説
タントリルの基本的なやり方を、ステップごとにご紹介します。
ステップ1:舌先の位置を決める
舌先を上の前歯の裏側~歯茎の境目あたりに軽く当てます。強く押し付ける必要はありません。あくまで「軽く触れる」程度です。
ステップ2:息を吐いて舌を振動させる
舌先を当てたまま、一定の息を「トゥルルル…」と吐きます。舌の力を抜いたまま、息の流れに任せて振動させるイメージです。最初は短い振動でも問題ありません。
ステップ3:声を乗せる
息だけのタントリルに慣れたら、声を出しながら行います。低い音から始めて、徐々に音程を上下させていきましょう。スケール(ドレミファソ…)に合わせて行うとさらに実践的です。
ポイントとして、舌・顎・喉のどこにも力を入れないことが大切です。力んでいると舌が振動しなくなるため、リラックスを常に意識してください。
タントリルができない場合の原因と対処法
「どうしてもタントリルができない」という方は少なくありません。原因としては以下が考えられます。
原因①:舌に力が入りすぎている
最も多い原因です。舌を強く上顎に押し付けてしまうと、振動が生まれません。「舌先を添えるだけ」という意識で力を抜いてみてください。
原因②:息の量が適切でない
息が少なすぎると振動が起こらず、多すぎると舌が吹き飛ばされてしまいます。ちょうど良い量を探すのがコツです。
原因③:舌の形状や長さによる個人差
舌が大きすぎたり、短すぎたりといった先天的な特徴により、タントリルがどうしても難しいという方もいらっしゃいます。これは決して珍しいことではなく、練習不足とは別の問題です。
できない場合の最も有効な代替策は、リップトリル(リップロール)に切り替えることです。リップトリル・リップロールはタントリルと同じ効果が得られるトレーニングで、唇をブルブル振動させるやり方です。効果・目的が共通しているため、タントリルが苦手でもリップロールで同等の練習効果を得ることができます。
タントリルとリップロールの違い
タントリルとリップロールは効果が共通していますが、それぞれの特徴に違いもあります。
タントリル:舌を振動させるため、舌の脱力・口腔内の柔軟性向上に特に効果的。ただし習得の難易度がやや高い。
リップロール:唇を振動させるため、顔面の筋肉のリラックスに特に効果的。比較的多くの方ができるトレーニング。
理想はタントリルとリップロールの両方を練習メニューに取り入れることですが、どちらか一方でも十分な効果があります。無理にタントリルにこだわるよりも、自分ができる方を継続して行うことの方がはるかに重要です。
タントリルの練習を続けるメリット
タントリルがすぐにできなくても、練習を続けること自体に大きな意味があります。
完全にできない状態でも「舌先を当てて息を吐く」動作を繰り返すことで、喉や口腔内の動きが徐々に器用になっていきます。これは歌唱力の向上にも直結する変化です。
ボイトレにおいて大切なのは、一つのトレーニングの完成度にこだわりすぎることではなく、さまざまなアプローチで発声の基礎力を積み上げていくことです。タントリルが苦手な方も、ぜひ諦めずに練習を続けてみてください。
また、息だけでタントリルが難しい場合は、声を出しながら行った方が簡単にできるケースもあります。声の振動が舌の振動を助けてくれるためです。ぜひ試してみてください。
まとめ
タントリル(タングロール・巻き舌)は、舌・喉・呼吸を同時に鍛えられる優れたボイトレ法です。できない場合はリップロールで代替できますし、できないなりに練習を続けることでも歌唱力の向上につながります。
ブラッシュボイスでは、タントリルやリップロールなどの基礎トレーニングから、一人ひとりの課題に合わせた実践的なレッスンまで、プロのボイストレーナーが丁寧に指導いたします。
無料体験レッスンも実施しておりますので、ぜひお気軽にお申し込みください。

