こんにちは。ブラッシュボイスです。
「声がこもっていて聞き取りづらいと言われる」「会議やプレゼンで何度も聞き返される」——こうしたお悩みを抱えている方は、実はとても多いです。
オンライン会議や接客、日常会話でも、声が聞き取りにくいというだけでコミュニケーションに大きなストレスが生まれてしまいますよね。
ご安心下さい。声がこもる・通らないという状態には必ず原因があり、正しいアプローチで声がこもる状態は改善できます。この記事では、声が通らない原因を整理したうえで、通る声を作るための具体的なトレーニング方法をプロの視点から解説していきます。
文章だけで発声のすべてをお伝えするのには限界がありますが、「何から意識すればいいか」が見えるように心がけました。ぜひ参考にしてみて下さい。
声が聞き取りづらい・通らない主な原因とは
「声が小さい」だけが原因ではない
「声が聞き取りにくい」と聞くと、単純に声量が足りないのだと思いがちです。しかし実際には、声が通らない原因は音量だけではありません。
声の「通り」を左右する要素は複数あり、それぞれが複雑に絡み合っています。
主な原因を大きく分けると、次のようになります。
- 呼吸の問題:息の量やコントロールが適切でない
- 共鳴の問題:声が体の中で効率よく響いていない
- 滑舌・口の開きの問題:音の輪郭がぼやけている
- 舌や喉のポジションの問題:声の通り道が狭くなっている
つまり、声が聞き取りづらい原因は一つではなく、複合的なものであるケースがほとんどです。一つずつ掘り下げていきましょう。
自分では気づきにくい「声のこもり」
ここで知っておいて頂きたいのが、自分の声は自分では正しく聞こえていないという事実です。
自分の声は骨伝導を通じて聞こえるため、実際に相手に届いている音とはかなり印象が異なります。
録音した自分の声を聞いて「思っていたのと違う」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。声がこもっている方ほど自覚しにくい傾向があるため、まずは「自分の声がどう聞こえているか」を客観的に確認してみることが大切です。
原因①:胸式呼吸による息の出しすぎ
胸式呼吸が声をこもらせるメカニズム
声が通らない人に非常に多いのが、胸式呼吸になっているというパターンです。
胸式呼吸とは、肩や胸が上下する浅い呼吸のことです。息を吸うときに肩が上がり、吐くときに胸がしぼむような動きが特徴です。
この呼吸の問題点は、一度に大量の息が出てしまうこと。寒い日に「はぁ〜」と白い息を吐くような状態をイメージしてみて下さい。あの「はぁ〜」に声を乗せると、息が多すぎて声がぼやけてしまうんですね。
具体的には、次のような現象が起きます。
- 声に芯がなく、ふわっとした印象になる
- 声がこもって相手に届きにくくなる
- すぐに息切れして、文末が聞こえなくなる
腹式呼吸が使えていないとどうなるか
一方で、通る声に不可欠なのが腹式呼吸です。腹式呼吸は横隔膜を使った「縦の動き」の呼吸で、お腹が前に膨らむように息を吸い、ゆっくりと吐き出すのが特徴です。
腹式呼吸がうまく使えていないと、どうしても胸や肩の力みに頼った呼吸になり、息の量を細かくコントロールできない状態が続きます。その結果、声に必要な「適度な息の圧力」が作れず、こもった声になってしまうのです。
原因②:共鳴が不足している
共鳴とは「声が体の中で響くこと」
楽器の音がボディの中で響いて増幅されるように、人間の声も体の中の空間で響くことで豊かになります。これを共鳴(きょうめい)と呼びます。
声が共鳴するポイントは主に3つあります。
- 咽頭(いんとう):喉の奥の空間
- 口腔(こうくう):口の中の空間
- 鼻腔(びくう):鼻の奥の空間
通る声を出している人は、この3つのポイントで声が効率よく響いています。ハミングの練習で鼻腔の響きを体感したことがある方もいらっしゃるかもしれません。
共鳴が不足する原因
では、なぜ共鳴がうまくいかないのでしょうか。主な原因は次のとおりです。
- 喉に力が入りすぎて、咽頭の空間が狭くなっている
- 口の開きが小さく、口腔内のスペースが足りない
- 舌が奥に引っ込んで、声の通り道をふさいでいる
こうした状態では、声の響きが体の中に閉じ込められて、こもった印象になります。声量を上げても「うるさいけど聞き取れない」という状態になるのは、共鳴がうまく使えていない典型的なサインです。
原因③:滑舌と口の動きの不足
口の開きが小さいと音がぼやける
芯のある声の出し方と合わせて理解しておきたいのが、滑舌(かつぜつ)や口の動きの問題です。
口の開きが小さいまま話していると、母音の区別が曖昧になり、言葉の輪郭がぼやけてしまいます。
特に日本語は母音が5つ(あいうえお)しかなく、母音の明瞭さが聞き取りやすさに直結します。口を大きく開けずにモゴモゴと話す癖がついていると、どれだけ声量があっても相手に伝わりにくくなるのです。
舌のポジションが声の通りを左右する
滑舌改善のトレーニングについては滑舌が悪い原因と改善トレーニングで詳しく解説しています。
滑舌に大きく関わるのが舌(ベロ)のポジションです。声がこもりやすい人は、舌が口の奥に引っ込んでいたり、舌の根元に力が入りすぎていたりすることが多いです。
理想的な舌のポジションは次の4つを満たしている状態です。
- 舌先が下の前歯の裏に軽く触れている
- 舌の表面がなだらかにカーブしている(力みがない)
- 舌の奥が下がって、喉の奥に空間ができている
- 顎に余計な力が入っていない
この状態が作れると、口腔内に十分な共鳴スペースが確保され、声がクリアに前へ飛びます。子音から母音に移るときも、舌先が常に下の歯の裏に戻ってくるのが理想です。
通る声を作るための具体的トレーニング
腹式呼吸の基本練習
まず取り組んで頂きたいのが、腹式呼吸を身につけるトレーニングです。腹式呼吸の詳しいやり方は別記事でも解説していますが、ここでは基本の流れをご紹介します。
- 仰向けに寝転がり、お腹に手を当てる
- 鼻からゆっくり息を吸い、お腹が膨らむのを確認する
- 口から細く長く息を吐き出す(8〜10秒かけるイメージ)
- この呼吸を5分程度繰り返す
仰向けの状態では自然と腹式呼吸になりやすいため、「腹式呼吸の感覚がつかめない」という方にはおすすめの姿勢です。慣れてきたら立った状態でも同じ呼吸ができるよう練習してみて下さい。
リップトリルで息のコントロールを鍛える
リップトリル(リップロール)は、唇を「ブルルル」と振動させながら声を出す練習法です。息の量が多すぎても少なすぎても唇の振動が止まるため、自然と適切な息の量を体で覚えることができます。
やり方は簡単です。
- 唇を軽く閉じ、リラックスさせる
- 息を吐きながら唇を「ブルルル」と振動させる
- 安定して振動が続くようになったら、声を乗せて「ブルルル〜♪」と音程をつける
- 低い音から高い音へ、サイレンのように上下させてみる
リップトリルは喉への負担も少なく、ウォーミングアップとしても非常に効果的です。毎日2〜3分取り入れるだけでも、息のコントロール力が着実に向上していきます。
ハミングで共鳴の感覚をつかむ
ハミングは、口を閉じたまま「ん〜」と声を出す練習です。口を閉じているため、声は自然と鼻腔に集まり、共鳴の感覚を体で覚えるのに最適なトレーニングです。
ポイントは次のとおりです。
- 鼻の付け根や眉間のあたりに振動を感じることを意識する
- 力まずにリラックスした状態で行う
- 慣れてきたら、ハミングからそのまま「ん〜まぁ〜」と口を開けて声を出す
ハミングで感じた鼻腔の響きを、そのまま普段の発声に活かすイメージで練習を続けてみて下さい。
日常生活で意識したい「通る声」のコツ
鏡を使った「あー」のフォームチェック
自宅で手軽にできる練習として、鏡の前で「あー」と声を出すフォームチェックがおすすめです。
チェックするポイントは次の4つです。
- 口が縦にしっかり開いているか
- 舌先が下の前歯の裏についているか
- 舌の奥が持ち上がっていないか(喉が開いているか)
- 顎や首に余計な力みがないか
これを毎日少しずつ続けることで、舌と喉の正しいポジションが体に定着していきます。最初は違和感があるかもしれませんが、それは今までの癖を修正し始めたサインですので、気にせず続けてみて下さい。
はっきり声を出す意識づけ
声がこもる方は、そもそも「はっきり話そう」という意識が薄くなっていることも少なくありません。
普段の会話の中で、次のような点を意識してみて下さい。
- 文末まではっきりと発音する(語尾が消えがちな方は特に)
- 「あいうえお」の母音を意識して口を動かす
- 相手の目を見て、声を「相手に届ける」イメージで話す
発声トレーニングと並行して日常の話し方を少しずつ変えていくことで、声の改善スピードは格段に上がります。
裏声の練習も「通る声」に効果的
意外に思われるかもしれませんが、裏声(ファルセット)の練習も通る声を作るのに効果があります。
裏声を出すことで、普段使わない声帯の動きを活性化し、声帯の柔軟性を高めることができるためです。
地声ばかりで話していると声帯の動きが固定化しやすいのですが、裏声を練習に取り入れることで声帯のコントロール力が上がり、結果として地声にも芯と響きが生まれてきます。
まとめ:声がこもる人が意識すべきポイントと心構え
最後に、この記事のポイントを整理します。
- 声が聞き取りづらい原因は、呼吸・共鳴・滑舌・舌のポジションなど複合的
- 胸式呼吸から腹式呼吸へ切り替えることで、息の量をコントロールできるようになる
- 共鳴ポイントを意識することで、声量に頼らず声を通すことができる
- 舌のポジションと口の開きを改善すれば、滑舌が良くなり音の輪郭がはっきりする
- リップトリル・ハミング・裏声の練習を日常に取り入れる
- 最初の違和感は成長のサイン。焦らず継続することが大切
練習を始めると、最初は「なんだかぎこちない」「自分の声じゃないみたい」と感じることがあるかもしれません。しかし、それはこれまでの癖を修正し始めたサインです。筋トレでフォームを直すときと同じで、正しいやり方を体に覚えさせるには「慣れ」の時間が必要です。
これらを意識して練習を続けていくことで、声がこもる状態から「通る声・聞き取りやすい声」へと変えていくことが可能です。
一人での練習に行き詰まったら、プロのボイストレーナーに一度相談してみるのもおすすめです。客観的なアドバイスをもらうだけで、改善のスピードが大きく変わることは珍しくありません。
ブラッシュボイスでは、一人ひとりの声の状態に合わせたボイストレーニングを行っています。「声が通らない」「こもっていると言われる」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度無料体験レッスンにお越し下さい。プロのトレーナーがあなたの声の課題を一緒に見つけ、改善への道筋をご提案します。
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