声枯れの原因とその治し方

    「最近、声がすぐ枯れてしまう」「歌った後にガラガラ声になる」――そんなお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
    声枯れは、歌を歌う方だけでなく、仕事で声をよく使う方にとっても深刻な問題です。

    今回は、声枯れの主な原因と、その治し方・予防法について詳しくお話しします。
    声がかすれる、枯れる、喉の痛みを伴うといった声枯れの原因として、主に以下のようなものが挙げられます。

    • 風邪で咽頭が炎症を起こしている
    • 声帯結節(喉にできるタコ)
    • 長時間大きな声を出して声帯が炎症を起こしている
    • 乾燥や生活習慣による慢性的な喉への負担

    それぞれ詳しく解説していきます。

    目次

    風邪で咽頭が炎症を起こしている場合の声枯れ

    風邪をひくと、上咽頭・中咽頭・下咽頭にかけて広い範囲で炎症が起こることがあります。
    場合によっては発熱を伴うこともあり、下咽頭まで炎症が広がっている場合は声を極力出さないほうが良いです。

    さらに奥の気管支まで炎症がある場合は気管支炎にあたりますので、声だけではなく腹式呼吸などの呼吸方法のトレーニングも厳禁です。
    無理をすると症状が長引いたり、後述する声帯結節の原因になることもあるため、十分に注意しましょう。

    風邪が声帯に与える影響

    風邪は繊毛(せんもう)が破壊され、毛細血管が充血している状態です。
    このとき声帯も充血していることが多く、無理に声を出せば声帯結節の原因になります。

    声帯は非常にデリケートな器官です。
    充血した状態で負荷をかけ続けると、タコのような突起(結節)ができてしまうリスクが高まります。
    風邪のときは「声を休める」ことが何よりも大切だと覚えておきましょう。

    風邪のときにできるボイトレ

    風邪をひいているからといって、音楽的なトレーニングがすべてできなくなるわけではありません。
    ボイトレを行う場合は、以下のように声を使わないトレーニングに切り替えましょう。

    • リズムトレーニング(手拍子やメトロノームを使った練習)
    • 音楽理論の勉強(コード進行やスケールの知識など)
    • 楽曲分析(歌いたい曲の構成やブレス位置の研究)

    こうした呼気を使わずに行える音楽的トレーニングは、喉を休めながらもスキルアップにつながります。

    うがいの効果と風邪予防

    先ほどお伝えしたように、炎症は毛細血管が充血することにより起こるため、うがいをすることで腫れが一時的に引く効果があります。
    風邪予防としても、外出先から帰宅した際や就寝前のうがいは非常に効果的です。

    また、手洗いも風邪予防には欠かせません。
    風邪やウイルスは、主に喉に細菌やウイルスが付着することが原因で起こります。
    うがいと手洗いの両方をこまめに行い、特に親指の付け根・爪と指の間・手首は洗い忘れが多い部分ですので、意識して丁寧に洗いましょう。

    声帯結節(喉にできるタコ)による声枯れ

    声帯結節とは、喉にできたタコのようなものです。
    風邪をひいた状態で声を酷使した方によく見られる症状で、声がガラガラになる大きな原因のひとつです。

    声帯結節ができる仕組み

    声は、声帯が閉じることによって出ます。
    しかし声帯にタコ(結節)ができると、声帯がうまく閉じなくなり、息が漏れるようになります。
    その結果、ガラガラした声(嗄声=させい)になってしまうのです。

    また、声が割れる原因としても声帯の問題は大きく関係しています。
    声のかすれや割れが気になる方は、あわせて確認してみてください。

    早期発見が大切

    まれに喉が強い方は、声帯結節の初期段階でも通常通り声を出したり歌を歌ったりできることがあります。
    しかし気付かないまま放置すると結節は大きくなりますし、声帯の左右両方にタコができてしまう場合もあります。

    早期発見・早期対処がとても大切です。
    声のかすれやガラつきが2週間以上続くような場合は、耳鼻咽喉科を受診されることをおすすめします。
    ※声帯結節の診断・治療については専門の耳鼻咽喉科の医師にご相談ください。

    声帯結節のときにできるボイトレ

    万が一声帯結節になったら、結節が消滅するまでは発声をしないことが大事です。
    こちらも風邪のときと同様に、声を使わないトレーニングに切り替えましょう。

    • リズムトレーニング
    • 音楽理論の勉強
    • 表情筋をほぐす運動(口周りのストレッチなど)

    声を使わずに行うこのようなトレーニングも、歌唱のスキルアップに確実につながります。
    喉が回復したときに、より良い状態でトレーニングを再開できるよう、今できることに取り組みましょう。

    長時間大きな声を出して声が枯れる場合

    歌を歌った後や、講演会・カラオケなどで長時間声を出した後に、咽頭(上咽頭~下咽頭)が炎症を起こして声が枯れてしまうことがあります。
    この場合も、うがいをすることにより少し治まります

    風邪の項目でもお話ししたように、充血を鎮めるためにはうがいが効果的です。
    特に就寝前のうがいは繊毛の回復が早まり、翌日には喉の調子が良くなることが多いです。

    正しい発声を身につけることが根本的な解決策

    声が枯れやすいということは、発声のどこかに無理がかかっている可能性があります。
    正しい発声を身につけることができれば、喉を痛めたり声が枯れたりすることが少なくなり、喉に負担のかからない楽な発声ができるようになります。

    力が入り喉が閉まっている状態で話したり歌ったりしていると、喉に大きな負担がかかります。
    基本的な正しい発声は、下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

    https://brushvoice.net/voice-training/open-the-throat/

    「喉を開く」感覚をつかむことで、声枯れのリスクは大きく減ります。
    喉が開いた状態では声帯への直接的な負荷が小さくなるため、長時間歌っても声が枯れにくくなるのです。

    声枯れを防ぐための日常ケア

    声枯れは、日頃のケアによってかなり予防することができます。
    ここでは、歌を歌う方・声をよく使う方が実践すべき日常ケアをまとめます。

    うがい・保湿の習慣

    繰り返しになりますが、うがいや丁寧な手洗いは風邪の予防になりますし、特にうがいは咽頭の炎症を鎮めてくれます。
    水分をこまめにとったり、飴を舐めたりして乾燥を防ぐのも効果的です。

    喉の乾燥は声枯れの大きな原因のひとつです。
    以下のような対策を習慣にしておくと、喉のコンディションを保ちやすくなります。

    • こまめな水分補給(常温の水がおすすめ)
    • 部屋の加湿(特に冬場やエアコン使用時)
    • 就寝時のマスク着用(口呼吸による乾燥の防止)
    • のど飴やはちみつで喉の潤いを保つ

    耳鼻咽喉科への定期受診

    本格的に喉のケアを行いたい場合は、耳鼻咽喉科へ3ヶ月に一度程度で構いませんので、定期的に受診しましょう。
    その際、医師には「歌をプロとしてやっている、または趣味で嗜んでいる」等の立場を必ず初めに伝えることが大切です。

    声帯の状態は自分では目視できないため、専門の医師に診ていただくことで安心感にもつながります。
    ※喉の痛みが長引く場合や、声のかすれが続く場合は、自己判断せず必ず耳鼻咽喉科を受診してください。

    声枯れ予防に効果的なウォーミングアップ

    歌う前や長時間声を使う前に、喉のウォーミングアップを行うことで声枯れのリスクを下げることができます。
    いきなり大きな声を出すのではなく、段階的に声を出していくことが大切です。

    リップロールで喉をほぐす

    声枯れ予防のウォーミングアップとして特におすすめなのが、リップロールです。
    リップロールは唇を振動させながら声を出すエクササイズで、喉に過度な負荷をかけずに声帯を温めることができます。

    リップロールのメリットは以下の通りです。

    • 声帯に優しく、負担が少ない
    • 息の流れを安定させる効果がある
    • 音域を広げるウォーミングアップとしても有効
    • 場所を選ばず、小さな音で練習できる

    歌う前の5分間、リップロールでウォーミングアップするだけでも、声の出しやすさや声枯れの防止に大きな違いが出ます。
    詳しいやり方はリップロールの記事で解説していますので、ぜひ取り入れてみてください。

    ハミングでの声出し

    リップロールの次のステップとして、ハミング(口を閉じた状態での発声)も効果的です。
    ハミングは喉への負担が小さく、声帯を無理なく振動させることができます。

    低い音からゆっくりと音域を上げていき、喉が十分に温まったら通常の発声に移行するようにしましょう。
    この「段階的に声を出していく」というプロセスが、声枯れ防止にはとても重要です。

    声が枯れたときのボイトレの工夫

    精神的に負担がかかってしまうくらい神経質になることはありませんが、日頃から喉のケアをし、喉の調子が悪いときは適切な対処をすることが大切です。

    喉の調子が悪いときは無理に声を出さず、以下のようなトレーニングに切り替えましょう。

    • リズムトレーニング(手拍子、ボディパーカッションなど)
    • 音楽理論の勉強(コード進行、音階の知識など)
    • 表情筋のストレッチ(口周り・頬の筋肉をほぐす)
    • 楽曲の歌詞分析やブレス位置の研究
    • 耳のトレーニング(好きな曲のコピーやハーモニーの聴き取り)

    発声や呼気を使わずに行うトレーニングも、もちろんスキルアップにつながります。
    喉の調子が悪くなっても焦る必要はありません。

    ボイトレに通っている方は、トレーナーに相談し、状態に合ったトレーニングメニューを組んでもらいましょう。
    経験豊富なトレーナーであれば、声を出さなくても効果的なレッスンを提供してくれます。

    まとめ:声枯れの原因を知り、正しくケアしよう

    声枯れの原因は、風邪による炎症、声帯結節、声の酷使など様々ですが、共通して言えるのは「喉を休めること」と「日頃のケア」が何より大切だということです。

    声枯れを防ぐためのポイントをまとめると、以下のようになります。

    • 風邪のときは声を使うトレーニングを避け、声を使わない音楽的トレーニングに切り替える
    • 声のかすれが長引く場合は早めに耳鼻咽喉科を受診する
    • うがい・手洗い・保湿を日頃から習慣にする
    • 歌う前はリップロールやハミングでウォーミングアップする
    • 正しい発声(喉を開く発声)を身につけ、喉への負担を根本的に減らす

    リラックスし、喉の状態に合ったトレーニングを行うことが、長く歌い続けるための秘訣です。
    声枯れに悩んでいる方は、ぜひ今日からケアを始めてみてください。

    ブラッシュボイスでは、喉のケアや正しい発声法について、一人ひとりの状態に合わせたレッスンを行っています。
    声枯れが気になる方も、まずはお気軽にボイトレ無料体験レッスンにお越しください。

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