音痴を克服するためのボイストレーニング

音痴
音痴とは今回の場合、歌に関して発声する上で音を外してしまう(ピッチが悪い)と言うものと定義した上でお話を進めてまいります。

巷では音痴の克服は基本的には難しいと言うふうに考えられていますが、果たして本当に難しいのでしょうか?
先に結論から言いますと、ほとんどのケースが音痴を改善できます。
身体的な問題から克服できない音痴は確かに存在しますが、それは音痴全体の数%にも満たない割合です。

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目次

なぜ音痴なのか?音痴のメカニズムを解説

それでは、そもそもなぜ人は歌を歌う際にキーを外してしまう(音痴)のか?
まずはこの原因について考察していきましょう。

音を外してしまう原因は、人間の耳の内耳に存在する蝸牛(かぎゅう)と言われる器官がうまく機能していないことが言えます。
この蝸牛と言われる器官は、人間が音程を取るための器官です。

蝸牛という単語はそんなに覚えなくてはならないようなものではありませんし、あまり聞き慣れない言葉だと思いますので、以下ではアバウトですが頭蓋骨と表現しましょう。

外から耳に入ってくるオケにはキーがあります。
さらにオケには周波数や大きさによって異なる音の振動があります。
バンドなどでも同じです、音が大きいライブハウスやクラブなどに行くと音の振動が体に伝わってきますよね。

その振動は、当然人間の体や頭蓋骨にも共振します。
その振動とユニゾン(合わさる)する声を自分が発声することができない。

振動と振動が頭蓋骨でうまく噛み合わない。
そういう状態になると、間違った振動で音をとってしまい、人間はピッチを外してしまいます。

つまり、この振動と振動を正しい位置でかみ合わせることに成功することができれば、ピッチ(音痴)が改善します。

音痴を改善する具体的な方法

以下は音痴を改善する、具体的な方法です。

1.共鳴を高める。
2.ソルフェージュを行う。

分かりやすくかなり大雑把な方法を2つ上げるとしたら、上記の2点になります。

共鳴を高めるとは?

共鳴とは、ブラッシュボイスのボイストレーニングの教科書にも書かれている通りですが、この場合主に上咽頭において声を響かせる事です。

上咽頭で声が上手に響くことにより、自分の声で頭蓋骨がビリビリビリビリと振動を始めます。
振動を上手に作ることができるようになれば、ピッチが良くなるのです。

なぜなら骨が響くことにより、自分が発している音を体の振動でキャッチしやすくなり、外で鳴っている音とも合わせやすくなります。
これを相対音感が高まっている状態といいます。

「自分で頭蓋骨の振動を作り出す=相対音感を高める」
と言うことなのです。
※相対音感とは、相対する音に対して当事者が音を取る感覚であり、反対の言葉として絶対音感が挙げられます。

上記により、まず第一に大事なことが、共鳴を高めることにあるという事です。

ソルフェージュを行うとは?

こちらもブラッシュボイスが無料配布している『ボイストレーニングの教科書』に載っておりますが、相対音感を高めていくためにはソルフェージュを行うことも重要です。

ただし、ソルフェージュは鍵盤楽器を使って発声練習をしながら行わないといけないので、練習環境が必要になってきます。

ソルフェージュは、クロマチックスケール、ダイアトニックスケール、3度音階のスケール、4度音階のスケールなどが挙げられますが、すべてガイドメロディーなしでアカペラで発声できるとベストです。

例えばクロマチックスケールであれば、ドから始まって半音ずつ上がってドで終わる。
つまり13個音を発声するわけですが、「これらの音が1つたりともずれないようにスケールを終えられるのか、しかもアカペラで。」という事に挑戦しなければなりません。

ポイントを挙げるならば、録音しながら練習すると良いでしょう。
音が録音できるものであれば、スマホでも何でも構いません。

そして録音したら毎回毎回聞き直してください。
自分の声がどこでどのようにずれているのかチェックしましょう。
この練習はとても地味な練習方法ですが、確実にスキルアップできる練習方法でもあります。
ぜひお勧めしたいところです。

まとめ

以上が音痴を克服、改善する具体的な方法になります。
音痴克服については、根気と辛抱強さが必要になりますが、音痴になる原因があるのですから、音痴を克服することも可能であることがお分かりいただけたでしょうか?
ぜひ自分の音程に自信がないと言う方はこの記事に書いてある内容をトライしてみてください。

追記

この記事を書いているボイストレーナーである私自身も最初、実は音痴でして、音痴の克服にはかなり苦労しました。
しかし、現在ではボーカリストの中でもピッチはかなり良い方になりました。
実体験をここに記しておこうと思います。

私は、20年ほど前になりますがライブハウスでバンドと一緒に歌を歌うことが多かったのですが、ライブハウスと言うところはお客さんが入ったりすると、お客さん側に出ていく音がスポンジのようにお客さんに吸収されて行きます。
もしくは、お客さんがスカスカの時は、ライブ会場の中を音が反響しあって(これを音が回ると言う)、それはそれで音程が取りづらいものでした。

当時私についていた音楽プロデューサーが、ピッチが取れない私に非常にやきもきしておりまして、ライブが終わるといつも怒られたものです。
その頃の私は、歌を歌うに際して耳で音を聞き音程を聞き分けることが大事なんだなと思っていました。

しかし会場によって音響は様々です、条件が全く異なるのです。
そんな中で、音に頼る事は非常にリスクが高いのです。
そう、リスクが高いことにその時に気がつきました、徐々に。

そして私は、外で鳴っている音には振動がある。
もしくは、自分の声の振動が頭の中で振動しているのを探りながら。
そうして歌を歌うようになりました。

この方法に慣れてから、相対音感は圧倒的に高まって非常に聞き取りやすいピッチを発することができるようになりました。
劣悪な環境こそ人を変えると私は思いますが、この記事を読んでくれている皆さんがそこまで劣悪な環境にいらっしゃるとはまず思いません(笑)。

この私の経験が皆様の役に立てるであろうことを願っております。

ブラッシュボイスでは音痴改善、克服のレッスンも行っておりますので、気になる方は是非ボイトレ無料体験レッスンにお越し下さい。
一人で悩まず、一緒に問題解決を図っていきましょう。

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