いつもボイストレーニング、お疲れ様です。
裏声になるとピッチ(音程)が取りづらいと言うご質問を頂きましたが、結論からお伝えしますとファルセット(裏声)になるとピッチは取りづらいです。
なぜなら、裏声というのは骨伝導しづらいからです。
骨伝導についてご存知の無い方は、下記のハミングのページを確認されてみて下さい。
それでは詳しく解説をしていきたいと思います。
裏声で音程を上手に取る方法
ハンドルネーム: 七色の虹
質問タイトル:裏声のピッチコントロールについて
質問内容:
はじめまして。
いつもブラッシュボイスの記事を拝見させていただいています。
裏声のピッチコントロールについて質問です。
裏声を発声している時は、なぜか自分の頭での共鳴感が乏しくなります。
これは何でなんでしょうか?
共鳴感が乏しくなると音程を取ることも難しくなってきます。
どうすれば裏声で音程を上手に取るようになれますか?
裏声になるとピッチが取りづらくなると言うのはとても良い質問です。
ちなみに裏声についての出し方などについては、下記に情報をまとめてありますので気になる方は見てみて下さい。
裏声・ファルセットの出し方やお悩み改善(かすれる・声量UP・換声点)についてはこちらのページもご確認下さい。
裏声・ファルセットの出し方・コツや練習方法
裏声になると骨伝導しづらくなるのでピッチは取りづらくなる
まず、今回の話をするにあたって、周波数と音圧の話は切っても切り離せないものになります。
周波数と聞くとちょっと小難しい話に聞こえるかもしれませんが、周波数とは音の高さを数値化したもので単位はヘルツです。
音圧とは、音の大きさを数値化したもので単位はパスカルです。
まず低い周波数は音圧を上げるとよく聞こえます。
そして、高い周波数は音圧を上げると聞こえ方はあまり変わりません。
これは声に関せず、すべての音の特徴です。
この事実を踏まえた上で裏声の話をすると、裏声というものは声を大きくしても聞こえる大きさは変わらない。
逆に低い声は音を大きくするとものすごく大きな音に聞こえ、よく聞こえる。
音圧による物質への衝撃は(この場合空気振動ではない)、音が大きくなると感じ方は激しく大きくなりますが、それは中音域から低音域に関する話であり、ファルセットになると音圧を上げても聞こえ方はあんまり変わらないので、当然骨伝導もしづらくなるわけです。
難しい話は無しにして考えると、裏声になると骨伝導しづらくなるのでピッチは取りづらくなる、とだけ覚えておいて下さい。
裏声でピッチを上手に取る方法・練習方法
イヤートレーニング(音を聞く能力の向上)によって自分の裏声を直接耳で聞く能力を高めていく方法以外にやり方はありません。
具体的な方法としてはソルフェージュを中心として自分の声を録音しながらよく聞くということが大事になってきます。
ソルフェージュについては下記にてご確認下さい。
骨伝導を利用して相対音感を高めてピッチを取りやすくすることができるのは中音域から低音域にかけての話しであり、もちろんファルセットでも骨伝導による相対音感を使用する事は可能なのですが、振動が乏しくなると言う事実は頭にインプットしておくと良いと思います。
相対音感を鍛えて音痴などを改善する方法にて詳しく解説していますので、よかったらあわせて読んでみて下さい。
骨への振動が乏しくなるから相対音感によりピッチを安定させる事は当然難しくて当たり前なのです。
以上になります。
今日はちょっと難しい内容もありましたが、また何かご質問がございましたらいつでもお気軽にご連絡ください。