いつもボイストレーニング、お疲れ様です。
今回は腹式呼吸をやるにしても、お腹周りが筋肉が固まって力んでしまい何から手をつけたら良いのか?と言う類のご質問をいただきましたので、回答したいと思います。
腹式呼吸のことが何もわからないと言う方がいらっしゃるとしたら、まずは下記の腹式呼吸に関連している記事をご参照ください。
HN:ルコア
性別:女性
年齢:27
ご質問タイトル:お腹の使い方
はじめまして。
数ヶ月前からボイストレーニングに通っています。
学生の頃から現在もスポーツを継続して行っている為か、お腹の筋肉が硬く、腹式呼吸などを行う際に思うように柔らかく使うことができません。
腹式呼吸で息を吸う際にお腹まわりがふわっとする感覚がなかなか掴めず悩んでいます。
何か改善策や練習法がありましたらお教えいただけると嬉しいです。
よろしくお願いします!
このように腹部が筋肉が常に硬直している状態で(力んでいる状態で)困っている方は、特に男性に多いと思います。
その中でも日常生活で力仕事をしている、とか。
もしくは、筋力トレーニングをしている、とか。
学生時代に発声に関連していないスポーツをやっていた(例えば水泳もそうですが、水泳をしている人全員がお腹周りが固いわけではありません)、など。
腹部の筋肉が過剰に硬くなっている方は、ただ直立しているだけでも発声している時のように筋肉が硬直している場合がほとんどです。
本来であれば足腰で上半身を支えている状態で声を出さなければならないのですが、そのバランスを保てずに、腹筋を使って(この場合過剰に使ってと言う意味ですが)、直立してしまう。
そうすると、腹横筋の常にせり出している状態なので発声の時に緩急がつかないのですね。
緩急がつかないから息をするときにお腹周りがふわっとしてくる感覚もわからないと言うことなんです(実際にふわっと広がってきていないと言うこと)。
こういうケースの場合は、まずお腹の力を緩めている状態がどんな状態なのかを自覚する必要があります。
緩めることができると言う事は息をするときにお腹周りが(背中の方まで)ふわっとすると言うことです。
それではどうすれば、お腹周りの筋肉が緩んでいる状態を作り出すことができるのかと言うと、これに対する回答は単純です。
「仰向けになって寝転がれば良い」
これだけです。
仰向けになって寝転がっているときに腹横筋を親指で押し込んでみてください。
そうすると、直立しているときに比べて腹横筋がゆるゆるになっていることを確認することができます。
腹横筋が最もゆるゆるになっている状態を確認できるのは仰向けになって寝転がっている時なのです。
人は仰向けになって寝転がっているときに腹横筋が硬くなる事は絶対にありません。
次に、仰向けになって寝転がっている状態で両足を閉じて、足全体を5センチ位床から上に上げてみてください。
その時に腹横筋が一気にせり出してくることがわかると思います。
この腹横筋が足を上げることによりせり出している状態が発声の時にmaxで腹横筋のせり出している状態です。
要するにお腹周りが発声の時に力が入っている状態というのが足を上げている状態で確認することができるわけです。
力が入っている時=オン
力が入っていない時=オフ
上記のようにオンオフと表現すると分かりやすいと思うのですが、このオンオフを理解することがまずは重要です。
常に直立している状態でお腹周りに力が入ってしまう場合、まずはオンオフの状態と言うのはどういうものかを理解することから始めましょう。
そして質問者様がおっしゃられているように、お腹周りが息を吸うときにふわっとする状態がよくわからないと言う場合は、とりわけオンの状態からオフにする感覚が研ぎ澄まされていくことが重要ですね。
直立している状態でオンオフの状態を作ることができるかどうか。
オンオフに直立している状態でも慣れることというのが重要になってくるわけです。
この慣れて行くスピードに関しては、個人差がありますが必ず進歩していく事は間違いないので、まずは基本に立ち返ると言うことでアプローチしてみてください。
またご質問お待ちしております。