いつもボイストレーニング、お疲れ様です。
今回、「歌における声楽とポップスの違いについて」ご質問を頂きました。
結論を先にお伝え致しますと、声楽とは人の声を使った音楽のことであり、ポップスとはあらゆるジャンルの音楽をひっくるめてポピュラーなものに仕上げたものがポップスです。
歌における声楽とポップスの違いについて
HN:C.R.
質問タイトル:声楽とポップス
学生時代、ずっと声楽を学んできました。
社会人になってからポップスも歌えるよう練習をしているのですが、自分でポップスを歌ったものを録音し聴いてみるとなかなかしっくりときません。
リズムの取り方なのか、発声の仕方なのか、そして声楽と同じで良い部分はどこなのかがわからず困っています。
マイクを通す、通さないなどもあるかと思いますが声楽とポップスの違いを細かく教えていただければと思います。
宜しくお願いします。
声楽とは人間の声をメインとした音楽を指す
冒頭でも申し上げた通りなのですが、声楽は人間の声を使った音楽のことを指します。
さらに補足するのであれば、主に人間の声をメインに置いた音楽であると考えます。
従いまして、オペラですとか、合唱と言うものは声楽と言うものに分類される様になります。
ここまでご理解いただければ、ここからさらに説明していくポップスについても簡単に理解していくことができると思います。
ポップスとは大衆的にアレンジされた音楽を指す
もう一方でご質問に上がっていたポップスと言うものは何かと言うと、声楽も含めたものになりますがあらゆる音楽のジャンルをポピュラーミュージック(その時代の需要の高いもの)にアレンジメントしたものがポップスです。
例えば声楽と比較して、そこに絶対的に必要なものは、リズム感です。
子供の頃に歌っていた「森のくまさん」、これは幼少期の頃はリズムがそこになくてピアノの伴奏とか、もしくはピアノの伴奏も無くみんなで一緒に歌っていた印象をお持ちではないでしょうか。
しかしここに、例えば4つ打ちのリズムを加えていくと、完全にクラブサウンドっぽいポピュラーミュージック(ポップス)に楽曲は変貌していきます。
これがポピュラーミュージックにアレンジしたものと言う一定の定義と言うわけです。
イメージしていただけるとわかると思うんですが、ここに発声方法自体ってあんまり関係ないと思いませんか?
発声の仕方によってジャンルが変わるのかと言う事でもなく、子供の頃に声楽を習っていたからポップスが歌えないと言う事でもないのです。
要するにポップスと言うのは歌い方うんぬんの問題ではなくて、楽曲全体のアレンジメントの話しなんですね。
ですからリズムと言うものが声楽には乏しい存在であったと言う事は事実なので、リズム感をきちんとつけて声楽っぽい歌い方でもポップスを歌えばポップスっぽくなるというのが私の見解です。
とにもかくにも、あまり難しい事は考えず、声楽とは違ってポップスはちょっとノリが良くなったもの程度に捉えていただき、リズム感を持ちながら歌を歌うと言うことが大事なのかなと考えます。
まずはそのような取り組みの形からなんとなく入ると言うことで徐々に音楽の深いところというのがわかってくるのかなと思います。
その過程で声楽とポップスの定義付けとか、そもそもの違いとは何であるかと言うのを考えるのは大事ですが、気持ちよく歌うと言うのが何よりも基本なのかなと最近は私自身もよく思います。
また何かご質問があれば、おっしゃっていただければと思います。