【ボイストレーニングQ&A】高い声を出すと喉が狭くなる・顎に力が入る時の解決法

    ■ ご質問情報

    • ハンドルネーム: Yyy 様
    • 年齢: 16歳
    • 性別: 男性
    • 現在のご職業: 高校生
    • ご質問タイトル: 喉が閉まっているのかわからない
    • ご質問内容:口を大きく開けて奥を撮影してみたら、高音に行くにつれ、喉ちんこ周りの組織が内側に寄ってきます。これって喉締めなのでしょうか?また、顎に余分な力が入ってリラックスできません。どうすればいいでしょうか。
    目次

    担当トレーナーからの回答

    Yyyさん、ご質問ありがとうございます! スマホで口の中を撮影して自分の喉の動きをチェックするなんて、とても素晴らしい観察力ですね!歌の上達がとても早くなるタイプだと思います。

    「高い声を出すと喉ちんこの周りがギューッと狭くなってくる」「顎(あご)がガチガチになって力が抜けない」というのは、高い声を出そうと頑張っている人の多くがぶつかる一番大きな壁です。

    今回は難しい専門用語をできるだけ使わず、中学生でもすぐイメージして実践できるように、分かりやすく解決方法をまとめました。ぜひ今日からの練習で試してみてくださいね。

    1. 喉ちんこの周りが狭くなるのは「喉締め」なの?

    結論から言うと、しっかり喉が締まってしまっている状態です。

    声は、喉の中にあるトンネルのような空間を通って外に出ていきます。喉ちんこの周りの壁が内側に寄ってきているということは、その大切なトンネルを自分の筋肉でギュッと押しつぶして狭くしてしまっているサインです。

    「高い音を出さなきゃ!」と身体が力んでしまうと、喉の周りの筋肉が緊張して壁が狭まり、声の通り道がふさがって苦しい声(喉締め声)になってしまいます。

    喉が開いているかは「舌」を見ればすぐわかる!

    喉の奥の壁を見るのは少し難しいですが、実は「舌」を見れば喉が開いているかどうかは一発でわかります。

    高い声を出す時、舌が奥に引っ込んだり、真ん中がモコッと山のように盛り上がったりしていませんか? 舌の根元に力が入って奥に引っ込むと、喉のトンネルを後ろからふさいでしまい、喉ちんこの周りも一緒に狭くなってしまいます。

    理想的な喉の開きができている時、舌は「すべり台」のようになっています。 鏡を見て「ア」と声を出しながら、次の4つをチェックしてみてください。

    1. 舌の先が、下の前歯の裏側にチョンとくっついている
    2. 舌全体が、下の歯より上にポコッと浮き上がっていない
    3. 舌の表面がボコボコせず、平らになっている
    4. 舌の奥から前歯に向かって、なだらかな「すべり台」のように下り坂になっている

    この「すべり台」の形がキープできていれば、喉のトンネルはしっかり広く保たれていて、喉締めには絶対になりません。

    2. なぜ顎(あご)に余分な力が入ってしまうの?

    顎がガチガチに力んでしまうのには、大きく分けて3つの理由があります。

    ①「口を大きく開けすぎている」から

    「高い声を出す時は、口を大きく開けなきゃいけない!」と思っていませんか? 実はこれが一番の落とし穴です。口を縦や横に無理やり大きく開けようとすると、顎の関節や首の筋肉がカチコチに固まってしまいます。

    口の開き方は、「小指が1本入るくらい」で十分です。 授業中にウトウトして居眠りしている時や、ボーッとテレビを見ている時の口元を思い出してください。ポカーンとだらしなく少しだけ開いていますよね。その「ポカーン」とした状態こそが、顎の筋肉が一番リラックスしている状態なのです。

    ②「頭の奥に声を響かせるルート」が塞がっているから

    低い声はお腹や胸、口の中に響きやすいですが、高い声は「鼻の奥や頭のてっぺん」に向かって抜けていく性質があります。 ところが、顎や舌が力んで喉のトンネルが狭くなると、声が頭の奥へ抜けられなくなります。抜けない声を無理に出そうとして、さらに顎を固めて押し出そうとする悪循環になっているのです。

    ③「お腹(息)の支え」が足りていないから

    上半身(顎や首)に力が入ってしまう一番の根本原因は、「お腹を使って息を押し出せていないから」です。 声は、肺から上がってきた「息」が声帯を揺らすことで作られます。高い声を出す時は、喉を絞めるのではなく、お腹の力を使って勢いのある息を押し出してあげる必要があります。 下からしっかり息が送られてこないと、身体は「喉を狭めて息の威力を上げよう!」と勘違いして、顎や喉を固めてしまうのです。

    3. 顎の力を抜いて喉を開く【4つの簡単練習法】

    ここからは、お家ですぐにできる簡単なトレーニングを紹介します。順番にやってみてくださいね!

    ステップ1:唇をブルブル震わせる「リップトリル」

    唇を閉じて息を吹き出し、「プルプルプル…」とアヒルのように震わせる練習です。

    • なぜ効くの?リップトリルは、顎や唇、首に少しでも力が入っていると絶対にブルブル震えません。震えが続いている間は「顎が完全に脱力できている」という証拠になります。
    • やり方:
      1. 上下の歯を軽く離して、唇だけを閉じます。
      2. 声を出さずに、息だけで「プルプルプル…」と唇を震わせます。
      3. 慣れてきたら、声を出しながら「ウー」と音を乗せて震わせます(目標:20秒間)。
      4. さらに慣れたら、震わせたまま低い音から高い音までサイレンのように音程を上げてみましょう。
    • コツ:高い音に行った時も、顎を前に突き出したり固めたりせず、唇がスムーズに回り続けているかチェックしてください。その時のリラックスした感覚が高音の正しいフォームです。

    ステップ2:顎を動かさずに舌を動かす「ラララ練習」

    顎に力が入る人は、言葉を発する時に顎をカクカク動かしてしまう癖があります。顎を止めて、舌だけを動かす練習をしましょう。

    • なぜ効くの?舌の動きだけで音を作る感覚を覚えると、高い音を出す時でも顎を固めずに済むようになります。
    • やり方:
      1. 鏡を見て、小指1本分くらい口をポカーンと開けます。
      2. 顎を全く動かさないように固定したまま、舌先だけを上の歯の裏に当てて「ラララララララ…」と30秒間声を出し続けます。
    • コツ:途中で舌が疲れて「ナナナ…」と鼻声になってしまったらやり直しです。顎はリラックスさせたままで、舌だけをピピッと素早く弾くのがポイントです。

    ステップ3:口を閉じて響かせる「ハミング」

    口を開けるとどうしても力が入る時は、口を閉じた「鼻歌(ハミング)」で練習するのが一番です。

    • やり方:
      1. 口の中は「ア」の形(舌はすべり台)をキープしたまま、唇だけを優しく閉じます。
      2. 鼻の奥や頭のてっぺんに向けて「ンーー」と声を出します。
    • チェックポイント:
      • 唇のビリビリ: 唇に指を当てた時、スマホのバイブのように細かくビリビリ震えていれば大成功です!声が前にしっかり飛んでいる証拠です。
      • 鼻息のモレ: 鼻の下に指を当ててみてください。息が「フワーッ」とたくさん漏れ出ていると失敗です。息の漏れが少なく、唇のビリビリが強い状態を目指しましょう。

    このハミングのまま高い声を出してみて、その響きを保ったまま口を「ア」と少しだけ開けてみてください。喉を締めなくても高い声がスコーンと抜ける感覚が掴めます。

    ステップ4:お腹をスポイトのように使う「腹式呼吸」

    高い声を出す時のパワーは、喉ではなく「お腹」から出します。

    • スポイトのイメージ:理科の実験で使うスポイトを思い出してください。
      • 息を吐く(声を出す)時: 下っ腹(おへその下あたり)をグッとへこませます。するとお腹の中の圧力が上がって、スポイトのゴムをつぶした時のように、勢いのある鋭い息がビューッと飛び出します。
      • 息を吸う時: へこませていたお腹の力を「パッ」と一瞬で抜きます。スポイトのゴムから手を離した時と同じで、力を抜くだけで息は勝手に体の中に入ってきます。
    • 「犬の呼吸」で練習(ドッグブレス):口を半開きにして、走ったあとの犬のように「ハッ!ハッ!ハッ!ハッ!」と素早く息を吐いたり吸ったりします(1秒に1回、30秒間続ける)。 肩や胸を動かさず、お腹だけをピクピク動かして、手に向けて鋭い風を飛ばしてみましょう。これでお腹のスイッチが入り、喉に頼らず声を出せるようになります。

    4. 声が出しやすい「母音」から練習しよう

    口を大きく開けて「ア」で高い声を出すのは、実はボイストレーニングの中でもかなり難易度が高い練習です。

    もし「ア」で喉が締まりやすいなら、まずは「エ」や「ウ」の音から高い声を練習してみてください。

    • 「エ」の音: 唇を少し横に引くことで、声が頭の奥や鼻の奥(上の方)に届きやすくなります。
    • 「ウ」の音: 喉の奥の広さをキープしやすい音です。

    「エ」や「ウ」で楽に高い声が出る感覚を掴んでから、少しずつ「ア」に近づけていくと、喉を締めずに高い声が出せるようになりますよ。

    5. 練習する時の大切な約束

    16歳はまだまだ声帯が成長している大切な時期です。無理な練習で声を痛めないために、次のことだけは必ず守ってください。

    • 「痛い・苦しい・声が枯れる」ときはすぐ休む喉が痛くなったり、声がガラガラしてきたら、声帯が真っ赤に疲れているサインです。無理をすると「声帯結節(喉のタコ)」ができてしまうこともあるので、すぐに練習をやめてぬるま湯でうがいをし、喉を休ませてください。
    • 30秒練習したら、深呼吸してリラックス息やお腹を使う練習は、やりすぎるとクラクラして酸欠になることがあります。30秒やったら一度普通の呼吸に戻し、首や肩を回して力を抜きましょう。

    担当トレーナーからのメッセージ

    Yyyさんが「喉ちんこの周りが狭くなっている」「顎が力んでいる」という違和感に自分で気づけたのは、本当に素晴らしいことです!自分の癖に気づくことが、歌が上手くなるための最初にして一番大切なステップだからです。

    高い声は「喉の筋肉で無理やり引っ張り上げるもの」ではなく、「お腹から出た息に乗せて、頭の奥へフワッと響かせるもの」です。

    まずは、

    1. 口を開けすぎず、小指1本分の「居眠り口」を意識する
    2. 舌を「すべり台」の形にする
    3. リップトリルと「ラララ」で顎の力を抜く
    4. お腹をスポイトのように使って息を押し出す

    この4つを少しずつ試してみてください。きっと喉がフッと軽くなって、今までよりずっと楽に気持ちよく高い声が出せるようになりますよ!応援しています!

    高い声を出す練習をしていて、喉が痛くなったり声がかすれたりしたことはありますか?また、出したい曲や目指しているアーティストがいればぜひ教えてくださいね。

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