こんにちは。
ブラッシュボイス・関東代表ボイストレーナーの立花香穂里です。
今回は、歌う時の姿勢がなぜ大切なのかというテーマについて、発声のポイントからお伝えしていきます。
「姿勢を正しなさい」と言われても、具体的に何をどうすればいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。
姿勢と発声の関係を理解すると、声の出しやすさが大きく変わってきます。
『姿勢は発声に関係があるか』について
この部分は代表 青木による解説となります。
よく「立っている時の方が声が出る」という話がありますが、立っているから声が出しやすいというのは完全なる間違いです。
その理由を詳しく見ていきましょう。
立っている状態での発声
立っているという行為は、骨だけで身体を支えているわけではなく、筋力で支えています。
バランスが悪い立ち方をしている人ほど筋力に頼りますので、当然お腹回りも筋力で硬直してしまいます。
硬直するということは、お腹を凹ませて横隔膜を押し上げ、勢いのある息を吐いて声を乗せ、共鳴させて声を出すことが難しくなるのです。
つまり、立っているからといって声が出しやすいわけではなく、個人差があります。
必ずしも誰にでも立ち姿勢での発声が良いとは言い切れません。
なお、座って歌う場合の姿勢やコツについては別の記事でも解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
座っている状態での発声
では座っている時の方が良いのかというと、これも断言はできません。
アナウンサーやナレーターなどの分野では、座っていても発声が安定します。
しかしボーカリストの場合、安定=良い声とは限りません。
不安定だからこその格好よさというものがあり、ロックのようなジャンルでは立ち姿勢の方が勢いのある声を出しやすいこともあります。
結論として、お伝えしたいのは以下のポイントです。
・声を出すジャンルによって、立つ・座るを選んでも構わないということ
・立っていて声が出しやすい人は、きちんとお腹回りの力が抜けていて腹式呼吸による発声ができているということ
・座っているとお腹回りの筋肉は立っているよりも安定し力も抜けるので、発声がしやすい状態にあること。アナウンサーやナレーターに立つ必要がほとんどないのはこのためです
・立って発声した方が声に勢いはつきやすいのでロックなどには向いていますが、ロックでも座って歌った方が良い場合もあること
このように、姿勢と腹式呼吸の関係を正しく理解すると、「姿勢は発声に関係があるか」という問いがクリアに見えてきます。
なぜ歌う時の姿勢が大切なのか
ボイトレのレッスンでは、以下のようなポイントを意識しながら身体づくりをしていきます。
・腹式呼吸
・口の開け方
・身体に響かせる共鳴の感覚
これらの身体の”パーツ”を使って、どうすればリラックスしてしっかりした声が出るかを探っていくのがボイトレの基本です。
目指すところは、各パーツが自然につながって声が出ること。
そしてそれらをいかに身体で覚え、うまく発声するかをレッスンの中で試行錯誤しながらつかんでいきます。
この時、見落としがちなのが“姿勢”という声を出す時の最も根本的な部分です。
姿勢をよくするだけで、あっさり自然に声が出てくることがあります。
それほど姿勢は発声の土台として重要な要素なのです。
特にお腹から声を出す感覚を身につけるには、正しい姿勢が欠かせません。
姿勢が崩れた状態では腹圧がうまくかからず、声に芯が通りにくくなってしまいます。
重心の取り方で声が変わる
姿勢、つまりしっかり立つための重心の取り方については、トレーナーによっても教え方が様々あります。
元々その人が普段どういう立ち方をしているかにもよりますが、大まかにいうと以下の2つのアプローチがあります。
足の指に力を入れて立つ方法
やや前のめりの感覚になりますが、踵は浮かないように注意してください。
足の指に力を入れることで身体にうまく力が入り、力強い声が出しやすくなります。
パワフルな歌唱を目指す方や、声量を上げたい方におすすめの重心の取り方です。
踵の方に重心を置いて立つ方法
踵の上に脚の骨を乗せるようにして立ちます。
自然に立てることに加え、自分の背面側に意識が向くので、つい前のめりになりやすい方は落ち着いて立つことができます。
リラックスした発声がしやすくなるため、バラードや優しい歌い方をしたい場面に向いています。
どちらの重心が合うかは個人差がありますので、両方試してみて声の出しやすさを比べてみてください。
発声時の姿勢が整うとこんなメリットがある
姿勢が整うと発声には様々なメリットがあります。
今まで悩んでいたポイントも解消されるかもしれません。
思い当たることがある方は、ぜひ姿勢を意識してみてください。
肩や首がリラックスできる
肩や首回りに力が入ると、高い音が硬くなり出にくくなります。
意外に首の後ろ側が緊張する方も多いので、姿勢とあわせて気をつけるとよいでしょう。
肩の力が抜けるだけで、声の伸びやかさがまったく違ってきます。
顎の力が抜ける
つい顎が力んで顔が前に出てしまう方は、顎を引く意識を持ってください。
顎と舌の両方がリラックスした状態で発声できるようになります。
顎の力みは滑舌にも影響しますので、歌詞が聞き取りにくいと感じる方は姿勢の見直しも効果的です。
呼吸がしやすくなる
腹式呼吸は発声のとても大事なポイントですよね。
姿勢をよくすることで胸郭の動きが良くなり、横隔膜の動きも良くなります。
息のコントロールが安定すると、ロングトーンやフレーズの持続力が向上し、歌全体の表現力が豊かになります。
声が裏返ることを減らせる
姿勢が整っていないと、足元から頭のてっぺんまで身体がまっすぐにならない状態で声を出していることになります。
そうすると喉に余計な力をかけて声を出しがちになるため、声がひっくり返りやすくなります。
姿勢を正すだけで喉への負担が軽減し、音程の安定感が増してきます。
まずは鏡を見て姿勢をチェックしてみよう
姿勢に関しては、その人の骨格にもよりますので、できれば客観的なアドバイスを受けるのが良いでしょう。
まずは自分の立ち姿を鏡で見て、歌っている時の姿勢を以下のポイントでチェックしてみてください。
・みぞおちのあたりがくぼんでいないか(いわゆる”猫背”の状態になっていないか)
・肩に力が入って上がっていないか
・横から自分の立ち姿を見た時に、首が前に出ていないか
・背中が反りすぎていないか(反り腰も発声に影響します)
以上のことに気をつけるだけでも、声がスムーズに出るようになってきますよ。
歌の練習のたびに鏡でチェックする習慣をつけると、自然と正しい姿勢が身についていきます。
姿勢の改善は発声の根本を変える
ブラッシュボイスでは、自然に歌う姿勢を作れるよう個人に応じたボイトレ・指導をしております。
姿勢の改善は発声の根本にかかわることですので、今まで悩んでいた発声の仕方の解決のヒントになることもあります。
「声が出にくい」「高音が安定しない」「すぐに喉が疲れる」といったお悩みは、姿勢を見直すだけで改善するケースも少なくありません。
ぜひ一度ボイトレ無料体験レッスンを受けてみてください。
株式会社ブラッシュボイス
関東代表ボイストレーナー/立花香穂里
