こんにちは。ブラッシュボイス・関西ボイストレーナーの堀口です。
大好きな歌なのに、サビの高音でいつもつまづいてしまう。録音した自分の歌声を聞いて「思っていた声と全然違う」とショックを受ける。
そんな経験はありませんか?
舌・喉・肩の力みや姿勢、呼吸などさまざまな原因が考えられますが、一番の原因は「歌おう」と意気込みすぎて身体が構えてしまうことです。
では、どうすれば自然で滑らかな歌声を手に入れられるのでしょうか?
今回は「自分の歌声を録音して上達するためのコツ」と「自然な歌声の見つけ方」について詳しくお話しします。
録音を活用したセルフチェックは、ボイトレの中でも手軽で効果の大きい練習方法の一つです。ぜひ最後までお付き合いください。
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録音した自分の歌声が「気持ち悪い」と感じる理由
録音した自分の歌を聞いて「え、こんな声なの?」「なんだか気持ち悪い……」と感じたことがある方は非常に多いです。
レッスンでも生徒さんから「録音した自分の声がきもい」という声を伺うことがあります。
自分の声が違って聞こえるメカニズム
歌声に限らず、録音された自分の声を初めて聞くと多くの方が驚きます。
これは、普段私たちが自分の声を聞くとき、空気を伝わって鼓膜に届く音(気導音)と頭蓋骨を伝わって内耳に直接届く音(骨導音)の2つが同時に混ざっているためです。
録音された声は気導音だけで構成されるため、普段聞いている自分の声とは別物に聞こえるのが当然です。
聞き慣れていないうちは違和感があるものですが、何度も聞いているうちに「これが周りの人に聞こえている本当の自分の声なのだ」と受け入れられるようになります。心配しないでください。
自分の声の特性を知ることが上達の第一歩
大切なのは、録音を通じて自分の声の特性を正しく知ることです。
理想のアーティストと声質が違ったとしても、それはあなたにしかない個性であり、あなたにしか出せない歌声です。
今はスマホのボイスメモアプリで簡単に録音できますので、どんどん自分の声を聞いてみてください。
耳からの情報だけでなく、録音で客観的に確認することで、良いところも修正すべきところも明確になります。
録音した歌声でチェックすべき3つのポイント
ここからは、録音した自分の歌声を聴くときに意識してほしい3つのポイントを解説します。
「なんとなく聞く」のではなく、チェック項目を決めて聞くことで練習の質が格段に上がります。
1. 音程(ピッチ)
まず最も基本的なチェックポイントは音程です。
音痴で悩んでいる方はもちろん、「自分は音程が合っている」と思っている方でも、録音して客観的に聴いてみると全体的に音が少しずつ低くなっていることに気づくケースは非常に多いです。
これは日本人に特に多い傾向で、全体的に音程がフラット(低め)している状態です。
録音で気になる箇所を見つけたら、歌詞にチェック印をつけて、そのポイントを意識して歌い直してみましょう。
「録音→確認→修正→また録音」を繰り返すことで、必ず音程は改善していきます。
音痴の診断から治し方、改善・克服方法についてはこちらのページもご確認下さい。
音痴を治すには?改善・克服のためのボイトレ方法
また、カラオケの採点機能を活用してピッチやリズムの精度を確認するのも効果的です。具体的なコツはカラオケの点数を上げるコツの記事も参考にしてみて下さい。
2. リズムとアクセント
次に確認してほしいポイントはリズムです。
歌っている最中は自分の声でいっぱいいっぱいになり、伴奏やドラムのビートを聞く余裕がない方が少なくありません。
しかし、録音を落ち着いて聴いてみると、リズムが先走っていたり逆に遅れていたりする箇所が見つかるはずです。
録音を聴くときは、ドラムやベースなど伴奏のリズム隊と自分の歌声を一緒に意識しながら、タイミングがきちんと合っているか確認しましょう。
また、アクセントも見逃せない要素です。
「このフレーズはどの音を強調するとカッコよくなるか」「伴奏との一体感はあるか」など、分析的に聴いてみると発見が多いはずです。
3. 表現と伝わり方
最後に確認してほしいのは表現です。
自分ではたっぷり気持ちを込めて歌っていたつもりでも、録音を聴いてみると驚くほど平坦に聞こえてしまうことが多いものです。
強弱の変化、切なさ、優しさ、力強さ――表現に関しては、自分では「ちょっと大げさかな?」と思うくらいで歌って、録音ではちょうどよく聞こえるのが一般的です。
表現力を磨くうえでは、歌詞の一つひとつの言葉をはっきりと届ける意識も大切です。
歌唱中の滑舌や発音の改善方法については歌唱での滑舌・発音の改善の記事もあわせてご覧ください。
録音・レコーディングに使える機材
まずはスマホで十分
日頃の練習であれば、スマートフォンのボイスメモアプリや動画撮影で十分です。
大切なのは機材のクオリティではなく、「録音して聴き返す」という習慣を作ることです。まずは手元のスマホで気軽に始めてみましょう。
もう一歩こだわりたい方へ
より正確に自分の声を確認したい場合は、手頃な価格のUSBコンデンサーマイクがおすすめです。
パソコンに接続するだけで使えるモデルも多く、数千円から手に入ります。スマホの内蔵マイクに比べて声の細かなニュアンスまで拾ってくれるため、音程の微妙なブレや息の使い方など、スマホ録音では気づきにくい点にも気づけるようになります。
また、ライブ本番の録音にはICレコーダーが便利です。ポケットに入るサイズのものでも十分な音質で録音できますので、本番の歌声を後から振り返る素材として活用しましょう。
録音を活用するメリット
レッスンの復習に使える
ボイトレのレッスン中は、フォームの修正や発声のアプローチをいくつも試すため、情報量が多くなります。
トレーナーから「今の出し方がよかった!」「もっとこうしてみよう」と言われても、その場ではピンとこないこともあるかもしれません。
レッスンを録音しておいて後から聴き返すことで、その場では気づけなかったポイントが落ち着いて理解でき、次のレッスンにつなげることができます。
また、レッスン中のスケール発声(例えば「あ」の母音でドレミファソファミレド~♪と歌う練習)を録音しておけば、自宅練習のときにそれを流しながら一緒に練習するという方法もおすすめです。
自主練習の方法については発声練習の目的と役割|ピアノ伴奏付き音源で実践トレーニングの記事も参考にしてみて下さい。
レコーディング環境で歌う経験を積む
スマホやICレコーダーでの録音は「空間に伝わった声」を録っているため、周囲の音も一緒に入ります。
それに対して、マイクにダイレクトに声を通すレコーディングでは、自分の声だけをクリアに聞くことができます。
マイクの前に立ち、ヘッドホンで自分の声と伴奏を聞きながら歌うスタイルは、ライブとはまた違った感覚です。
レコーディングならではの歌い方――マイクとの距離感、息づかいのコントロール――を経験しておくことで、歌の引き出しが確実に増えます。
自分の声を客観的に聞く習慣がつく
レコーディングした音源を聴くと、普段は見落としがちな細かいポイントに気づくことができます。
- 微妙な音程の揺れやブレ
- ビブラートの波の大きさや規則性
- 発音の明瞭さ(歌詞がはっきり聞こえるか)
- 自分の歌声の声質や個性
- 呼吸のクセ(息を吸う音が大きすぎないか)
こうした気づきを一つずつボイトレで修正していくことで、安定感のある歌が歌えるようになっていきます。
録音を聴き返す習慣は、歌の上達に欠かせないセルフコーチングの方法です。
自然な歌声の見つけ方 ~歌詞を朗読してみる~
歌の練習をするとき、音程やリズムばかりに意識が向いてしまい、「言葉」を置き去りにしてしまいがちです。
「へぇーそうなんだ!」「びっくりしたー!」
みなさんはすでに日常の会話の中で、無意識に声の高さや強さをコントロールしています。これらの言葉を高低差なしに一本調子で言う方が、むしろ不自然で難しいはずです。
そこでおすすめなのが、歌詞を声に出して「朗読」する練習です。
鏡の前に立って、家族や恋人、友人に自分の話を伝えるように、自然なトーンで歌詞を読んでみてください。
「朗読してから歌う、歌ってからまた朗読する」を繰り返していくうちに、自然な息づかいや声が響くポイントを発見でき、言葉が伝わる自然な歌声に変わっていきます。
「話すように歌いたいけど、なかなかコツがつかめない」という方はぜひ試してみてください。
まとめ ~録音を味方にして歌を磨こう~
録音して自分の歌声を客観的にチェックすることは、上達への最も手軽で効果的な近道です。
音程・リズム・表現の3つの視点を持って繰り返し録音と修正を行うことで、確実に歌は変わっていきます。
とはいえ、自分一人では「何が良くて何が課題なのか」が判断しきれないことも多いものです。
ブラッシュボイスでは、ボイストレーナーの客観的な視点からあなたの声の特性を聞き分け、的確なアドバイスをお伝えしています。
個性の出し方についてはご相談を頂くことがあります。こちらのページも参考にして下さい。
ボイトレは必要ない?
ブラッシュボイスでは、希望者にはレコーディング実習も行っております。
レコーディング実習について
「自分の声をもっと知りたい」「録音で見つけた課題を効率よく改善したい」という方は、ぜひ一度ボイトレ無料体験レッスンにお越しください。
あなたの歌声の可能性を、一緒に見つけていきましょう。

