こんにちは。
いつもボイストレーニング、お疲れ様です。
本日はムーンサルトさんから『喉が疲れない話し方』についてご質問がありましたので回答と解説、喉が疲れない話し方を具体的に3つご紹介致します。
こちらをお読み頂く事により、日常会話における喉の疲労や声がれの軽減につなげていく知識が身につきますので、ぜひ最後までお読み下さい。
喉が疲れない話し方について
ご質問内容
ハンドルネーム : ムーンサルト
ご質問タイトル : 喉が疲れない話し方について
ご質問内容 :
歌の質問ではないのですが、日常会話において話をしていると喉が疲れる事が多いのですが、これはボイストレーニングを習う事でなんとかなるものなのでしょうか?
営業職で会話をする機会が多いので、改善できたらと思っています。
そもそもなぜ喉が疲れてしまうのか
先ず、どうして日常会話をしていてなぜ喉が疲れてしまうのか、日常会話で疲れる問題の解決方法を理解していきましょう。
- リラックスした状態で会話できていない
- 上咽頭の炎症
- チェストボイスに近すぎる
大きく分けて上記の3つが問題であるように思います。
1.リラックスした状態で会話できていない
実は人間と言うのは精神的に楽しいと感じている場合は良いのですが、緊迫していたり緊張していたりと言うマイナスな要素が加わった場合に強すぎる力みが生じてしまいます。
声帯周囲には何本もの筋肉が走っているので、精神的に力みが生じてしまうと当然同時に喉部分にも力みが生じてしまう。
それによって声帯が発声するときに強く閉じてしまったり(声帯は声を出すときに閉じる)します。
これを何分も繰り返すことにより、だんだん声が枯れてきたり喉が疲れたなと言う感覚を覚えたりするわけです。
2.上咽頭の炎症
口蓋垂(こうがいすい)の裏側のあたりから鼻の奥にかけてを、上咽頭(じょういんとう)といいます。
この上咽頭で大きな声を出して共鳴させていたり、しゃべりすぎて声が掠れたりする時などは声帯に問題はなく、上咽頭に軽い炎症が生じることにより声がガラガラすると言うようなことがしばしばあります。
日常会話の中で上咽頭に炎症を起こさせないためにはどうしたら良いのか。
後にこの解決方法を述べて参ります。
3.チェストボイスに近すぎる
チェストボイスで会話を行うと言う事は、端的に言えばお腹から腹圧をかけて発声ができていないと言うことになります。
もちろん日常会話ですから、腹式呼吸を最大限行わなければならないと言う事は全くありません。
ただし、胸式呼吸での発声が100%と言う割合になってしまうとこれは問題です。
なぜならば、胸式呼吸は疲れやすいというデメリットが日常会話の中で存在してしまうからです。
息を吸ったり吐いたりする頻度がまず上がりますし、呼吸も浅くなりますから、その分声を出すために必要な体力が奪われると言うことになるわけです。
また声のボリューム自体も小さくなってしまいがちなので、大きな声を出そうと思って余計に体力を使ってしまうと言うこともあります。
それぞれの改善方法
どうすれば上記の1から3を改善できるのか、解説していきます。
リラックスした状態で会話ができていないのならば、リップトリルが対症療法で間違いなし!
リラックスした状態で会話ができていないのであれば、リップトリルで会話の前に臨む事が最も簡単な方法です。
リップトリルとは唇をパタパタ震わせながら発声するボイストレーニングの練習方法です。
30秒近くで構いませんので、行ってみて下さい。
リップトリルのやり方は下記をご確認ください。
【ボイトレノウハウ9】リップトリル・リップロールの意味、やり方、コツや秒数について
リップトリルは表情筋を柔らかくする、喉周りの筋肉を柔らかくする、精神面も柔らかくする、力みを取る作用などとしてかなり有効な手段ですので、リップトリルはお勧めしたいところです。
上咽頭の炎症を防ぐためにはうがいが有効
対症療法としてはうがいを良くする、これも重要なことだと考えます。
うがいをすることにより炎症を抑えるのです。
また声が大きくなりすぎるとジョイントに声が響きすぎて(共鳴が大きくなりすぎてしまう)ので、適正ボリュームで発音することに慣れる必要もあります。
後は、鼻水が喉に落ちてくる後鼻漏。
こちらは耳鼻咽喉科で診察していただければ治りますが、対症療法としてうがいでも結構効果はあります。
鼻水が上咽頭にくっついているとどうしても声が共鳴しづらくなってしまうので声の大きさでコントロールしようとしてしまうので、どうしても力が入ってしまうのです。
原因が上咽頭にあったらまず除去することが重要ですね。
チェストボイスが強くなりすぎたら腹式呼吸に切り替える
チェストボイスに100%依存して会話をしているとかなり疲れます。
特に電話なんかはどうしてもチェストボイスになりがちです。
長電話で疲れた経験はありませんでしょうか?
若干でも良いので、腹式呼吸に近づけて発音していくことが重要です。
自然に会話するためにはもちろんチェストボイスを使っての会話も大事です。
でもそこにテクニックを加えるのであれば腹式呼吸とか共鳴とかをうまくミックスして会話していくことも非常に重要です。
腹式呼吸にある程度ウェイトを置いていくことで、過剰な力みが取れていきます。
今日は喉が疲れない話し方について回答して参りましたが、いかがだったでしょうか。
また何かご不明な点がございましたら、お気軽にご質問いただければと存じます。