作曲をする際のキーをどうやって決めるべきか

    いつもボイストレーニング、お疲れ様です。
    今日はボーカリストに向けた作曲の方法、及び作曲する際のキーの設定方法をボイストレーナーとしての観点から考えを共有してみたいと思います。

    目次

    作曲をする際のキーをどうやって決めるべきか

    ボイトレ簡単質問箱

    HN:サイ
    質問タイトル:キーの決め方

    はじめまして、現在ボイトレに通いながらシンガーソングライターとして活動をしています。
    作曲を行うとき、コードから決めていくこともメロディラインから作ることも有るのですが、曲のキーはどのように決めていくのが良いのでしょうか。
    自分の1番綺麗に響く音を印象的な部分に持ってくる方法からキーを決定していく方法が良いのでしょうか。
    宜しくお願いします。

    作曲時の方法について

    まず作曲する際にコードから入るのか?
    それともメロディーから単純に作り込んでいくのか?

    これは、人によってやり方はそれぞれあると思います。

    コードから入っても良いですし、メロディーから作り込んでいくのも良いと思います。
    もっと言えば、詞をなんとなく作ってみて、そこからメロディーを生み出していくこともコードの色味を付け足していくことも可能でしょう。
    歌詞を先に作って作曲していく方法は詞先(しせん)と言って実際にある方法です。
    曲から先に作品を制作する方法を曲先(きょくせん)と言います。

    ここで1番注意しなければいけない点は、どんな方法で曲を作っても良いのですが、結果として第三者が作品を聞いた際に「これは良い曲だね」と思ってもらえるような作品を仕上げなければいけないと言うことです。
    アーティスト自身の世界観でと言うのは大事な話ですが、個性を大事にするがあまり、ある一定のポピュラリティーを失った作品であっては、現代においては作品を聞いてもらう上であまり意味がありません。
    作品を第三者に聞いてもらう以上は、最低限聞いてもらえるようなポピュラリティー(ポップスでもロックでも演歌でもR&Bでも同様です)を持った作品と言うのは、どんなに偏屈なアーティストが作ったとしても重要な点です。
    まずこの重要な点においては、ボーカリストが作曲するしないに関係なく、ギタリストが作曲してもドラマーが作曲しても同じです。
    作曲する上での1つの大前提として捉えておく必要があると思います。

    楽曲のキーを決める方法

    その大前提の上で、楽曲のキーを決定するにはどうしたら良いのか。

    これは質問者様がおっしゃられているように、印象的に例えばロングトーンで声を伸ばす部分がサビであった場合。
    声を張って出す事を得意とするアーティストであれば、最も声が共鳴するボイスポジションをサビの伸ばす部分に持ってこれるようなキー設定が良いと思います。
    例えば声を張って出す男性アーティストの場合は、サビで声を伸ばす部分が(ロングトーンの部分が)、大体FからA位に持ってくる人がプロフェッショナルの中では多いです。
    これは実際に統計的に見てもそうです。

    声を張り上げるタイプではない場合、例えばウィスパーボイスを売りにしたいと思っているボーカリストであれば、最も自分の声をウィスパーボイスて表現しやすいキーで作曲した後に実際に歌詞をつけて歌ってみるとアレンジ工程に持っていく際に間違いが少ないと思います。
    ※ウィスパーボイスの場合は自分に合っているキーと言うのは全体的に世界観をウィスパーボイスで表現し易いキーだと考えます、あまり特定の印象的な音階にとらわれる必要はないと思います。

    発声方法には様々なやり方があるので、その人自身が自分自身を俯瞰して見た場合、もしくはその人にプロデューサーがいる場合はプロデューサーが見た場合に、アーティストとしてのやり方の方針で声において良さが最大限出ていると思われるキーが最善のキーです。

    ある程度熟達したボーカリストもしくはアーティストと言われる人々の場合は、キーが自分が得意とするところよりも実際に低くても声の良さや表現力を最大限出していくことが可能です。
    例えば声を張るアーティストがサビでロングトーンで1番響きが良い所ではないキーを設定したとして。
    1番響きが良いところではなくても別の表現の仕方で楽曲を上手に歌いあげると言う事は可能ですし、むしろそのように表現者としてはあるべきじゃないかとボイストレーナーとしては思います。

    今日は作曲方法について、およびその楽曲のキーの設定方法について考えを共有してみました。

    また皆様からのご質問をお待ちしております。

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