こんにちは。ブラッシュボイス・関東代表ボイストレーナーの立花香穂里です。
アニメソングやカラオケで歌われる曲としても有名な曲に『残酷な天使のテーゼ」という曲があります。
アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の主題歌としてヒットしたこの曲、テレビ放映されていたのは１９９５年～だそうです。
いまだに良く知っている人も多く、長いこと親しまれている曲ですね。
そんな大人気曲、『残酷な天使のテーゼ』を歌う高橋洋子さんの歌い方について書いていきたいと思います。
歌い方の特徴について
まず「残酷な天使のテーゼ」を歌う時の高橋洋子さんの歌い方について特徴をいくつか挙げてみたいと思います。
発声の仕方がストレート
発声の仕方がストレートであること…ビブラートやしゃくり（歌い始めの音の入り方が下からしゃくりあげるような歌い方。）なども使っていますが、基本的に声をまっすぐ発声している点が特徴であると思います。
発音の明瞭さ
発音の明瞭さ…歌詞が一文字一文字とてもはっきりとして聴きやすいことが挙げられます。これには、
①子音をしっかりと発音して言葉の立ち上がり（発声する瞬間）が早いこと
②母音の“あいうえお”がとてもきれいなフォームをしていて、一文字ごとにきちんと声がのびた状態で歌えていること
が特徴です。そしてもう一つ大事なポイントとして子音～母音へスムーズに移り声が送り出されている点があります。
聴きやすい声
聴きやすい声…これには発音の明瞭さももちろん含まれます。また、声のトーンが明るい響きを持ちながらも細くてキンキンすることなく、芯がある声で全体的に歌っています。
これは歌っている本人が気持ちよく発声できるだけでなく、聞く人にもが聞きやすいトーンで歌われていることにもなります。
ではこれらの点を発声の点から見ていきたいと思います。
発音の明瞭さについて
高橋洋子さんの歌を聴いていてわかりやすいものだと、例えば“し”（shi）という文字を発音する場合、
てんし＜ ・しょ＜う（お）ねん
というように言葉がゆっくり立ち上がることは少なく、
てんし＝ ・しょ＝う（お）ねん
と子音（sh）と母音（i）が一緒にスッと出ているのがわかります。
そして、この“shi”の子音部分“sh”の部分が強めに息を当てて言っているのがわかると思います。
よく歌う時に「先に母音の口の形を作っておいて、その後子音を息にのせて発声するように」という言い方をします。発音する準備を早くすることで発声がスムーズになるだけでなく、メリハリのある歌い方ができるようになります。
そして、子音に続く母音部分
しょ＜お（う O）ーーね（nE）ーーんよ
の伸びている部分でそれぞれきちんと声が響きやすいような口の形を作り母音を伸ばしています。この部分で声が揺れたり、ビブラートも使いすぎることなくストレートに歌うことで声がまっすぐ聞こえます。
軟口蓋への意識
発音の明瞭さで母音の口を早く作ると良いという点を挙げましたが、その時に高橋洋子さんが発声でうまく使えているのが“軟口蓋”の部分です。軟口蓋は上あごの奥の方の柔らかい部分のことですが、ここのスペースをうまく使って声を当てるように歌うと声が響くようになります。
軟口蓋に響くようにするにはのどの奥のスペースが広く保てる＝のどが開いている状態を作り出すことが必要です。ボイトレでこの「のどを開ける」ということはとても重要で、トレーニングでもよく意識するポイントです。
ボイストレーニングの「喉を開く」とは。コツや方法をご紹介。
高橋洋子さんの歌っている映像を見てみると笑った時のように頬が少し高く、上の前歯が見える感じで歌っていて、上あごを高くキープする歌い方が自然と身についています。
軟口蓋への響きがうまくいくと、声を明るく保つことができ、一定に歌うことができます。高橋洋子さんは軟口蓋の響きをうまく使うことで、明るい発声ができるだけでなく、聴いている方にも聴きやすい声を作り出すことができているといえると思います。
ボイトレの課題曲として
高橋洋子さんの歌い方はとても発声がまっすぐ伸びていて、ボイトレを意識して行っている方にはとても参考にしやすい歌い方です。
今回は、子音・母音の使い方、軟口蓋への響きをポイントに書きましたが、その他にビブラートなども息と声が綺麗にのっていてお手本になります。ブラッシュボイスではアーティストの歌い方を参考に自信の歌い方を広げていくレッスンをしていくことが可能です。
「憧れのあのアーティストのような歌い方をしたいけれど、どうしたら少しでも近づけるんだろう」、という点でお悩みの方、ぜひボイトレ無料体験レッスンを受けて一度ご相談してみてください。お待ちしております。
株式会社ブラッシュボイス
関東代表ボイストレーナー／立花香穂里
