今回はロングトーンについてボイトレの解説をしたいと思います。
【ボイトレノウハウ5】ロングトーン
ロングトーンはその名の通り声を長く発声する行為です。
例えば、「ア」であれば30秒40秒ずーっと「アーーー」と発声する。
ただそれだけなのですが、このロングトーンというのは以外に深いものなのです。
ロングブレスの応用がロングトーン
以前、ロングブレスを紹介させて頂きましたが、これの応用となります。
ロングブレスは安定させ長時間息を吐き続けるようにと書きましたが、この数秒間安定ができるかできないかで、ロングトーンの出来るか出来ないかは大きく変わって来ます。
(※発声の感覚にもともと優れている人間はロングトーンだけ安定してロングブレスが安定しないというケースもあります。)
ロングブレスの方が長くできる
さて、ロングブレスは皆さん、以前のロングブレスの回では何秒ぐらい安定して吐けましたか?
例えば吐けてる時間が30秒だとしましょう。
30秒吐けていたらロングトーンは、約その3分の2…つまり20秒発声できなくてはいけません。
で、大抵の人はロングブレスの方が長く息がもちます。
そこに声を乗せると途端にタイムが落ち込んでしまうのです(ロングブレス30秒ならロングトーンは13秒とか)。
なぜタイムが落ち込んでしまうのでしょうか。
ロングトーンがロングブレスより短くなってしまう理由
それは余計な力みが発生しているからです。
余分な力が入って力んでしまうと、息の量を声に対して必要以上に吐いてしまいます。
勘の良い方であればお気づきかもしれませんが、これはつまり、胸式呼吸になっているとも言えます。
もし、タイムがロングトーンで落ち込む場合はハミングでやってみて下さい。
鼻息が沢山漏れすぎてませんか?大丈夫でしょうか?
もし鼻息が漏れていたら、ハミングが成立していないという事ですから、力んでいるという事になりますね。
上咽頭への共鳴も乏しいでしょう。
さらに多分、胸式呼吸になってます。
バランスが悪いとロングトーンは長く続きません。
息の量と声の比率を正しくしてロングトーンを成功させるには、【ボイトレノウハウ1~6】の練習方法が出来る事が望ましいでしょう。
それが出来れば”3分の2″のタイムをロングトーンで叩き出せるはずです。
プロボーカリストが口元にろうそくの火をかざして発声しても息で火が消えないんですって言うのを聞いた事ありませんか?
あのように息は歌声に対してあまり使っていないって事なんです。
だからろうそくの火が消えないんです。
また必要最小限の息を使った発声はもっとも自分らしい声に近いとされます。
これはボイトレノウハウ13をご参照下さい。
オリジナリティを出す為にも息と声のバランスは重要な事なんです。
ちょっとロングトーンから飛躍してしまいましたね。