こんにちは。ブラッシュボイスです。
DREAMS COME TRUEの吉田美和さんの歌に憧れて、「同じように歌いたい」と思ったことのある方は多いのではないでしょうか。カラオケでドリカムの曲を選んでみたものの、高音が出なかったり、声量が足りなかったり、あの独特の伸びやかさが再現できなかったり――そんな経験、ありませんか?
吉田美和さんの歌い方には、天性の才能だけでなく、発声の理にかなった技術がたくさん詰まっています。つまり、そのポイントを正しく理解して練習すれば、少しずつ近づいていくことは十分に可能なんです。
この記事では、ボイストレーニングの観点から吉田美和さんの声質・歌い方の特徴を分析し、代表曲ごとの歌い方のコツ、そして具体的な練習方法まで詳しく解説していきます。
吉田美和さんの声質と発声の基本的な特徴
吉田美和さんの歌声を初めて聴いたとき、多くの方が驚くのはその圧倒的な声量と高音の伸びではないでしょうか。パワフルでありながらも決して荒々しくなく、どこか温かみがある。その声の秘密を、発声の観点からひもといていきましょう。
豊かな声量を支える「のどの開き」
吉田美和さんの歌声を聴いていると、声が身体全体から出ているような印象を受けます。これは、のどの奥の空間を最大限に活かした共鳴が生まれているからです。
美和さんのイメージといえば、ニコニコと明るい笑顔を思い浮かべる方も多いと思います。実はこの笑顔の状態は、口の中の空間を広く使うことにもつながっています。口角を上げながらも、のどの奥はしっかり開いている。この「表面は笑顔、奥は広い空間」のバランスが、あの豊かで伸びやかな歌声の土台になっているのです。
ボイストレーニングでよく「のどを開いて」と言われることがあると思いますが、これは「のどの奥の空間をもっと活かして」という意味でもあります。あくびをするとき、のどの奥がふわっと広がる感覚がありますよね。声を引っ掛けて詰まらせないように気をつけながら、あの感覚に声を乗せていくイメージです。文章だけでは伝わりにくい部分もありますが、体感として「身体の深いところから声が出ている」という感覚をぜひ探してみて下さい。
のどの開き方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
腹式呼吸とのどの開き方の基本
地声の力強さを活かしたミックスボイス
吉田美和さんの高音域の特徴は、裏声のような軽さではなく、地声のパワー感を保ったまま高い音を出しているところです。これはいわゆるミックスボイスという歌唱方法にあたります。
一般的な女性の地声の音域はA3からD5あたりですが、美和さんはそれを大きく超える音域でも地声のような厚みのある声を維持しています。E5やF5といった高音域でも声が薄くならず、むしろ力強さが増していくような印象を受けるのは、声帯の閉鎖(声帯をしっかり合わせる力)と共鳴のバランスが非常に優れているからです。
ミックスボイスの練習方法については、こちらの記事も参考にして頂ければと思います。
ミックスボイスの出し方・練習方法まとめ
唇の動きと表情による表現力
もう一つ注目して頂きたいのが、唇の動きです。唇は声が出るときに最後に通過するところであり、ちょっとした「味付け」の役割を果たすことができます。
美和さんの場合、唇の力を抜いて口の中の共鳴スペースを活かして歌う場面もあれば、下の歯が見えるくらい下唇を前に出して発音をクリアにするサポートとして使う場面もあります。この口周りを自在に操るテクニックがあることによって、楽曲の中でさまざまな表情を生み出しているのです。
表情と声の関係は意外なほど密接で、たとえば笑顔で歌うだけで声のトーンが明るくなります。美和さんの歌声の温かさは、こうした表情のコントロールからも生まれているのですね。
吉田美和さんの高音の秘密
ドリカムの楽曲を歌おうとして、多くの方がぶつかる壁が「高音」です。実際、レッスンでも「美和さんのように高い声を出したい」というご相談はとても多く頂きます。ここでは、美和さんの高音の仕組みをもう少し掘り下げてみましょう。
腹式呼吸による安定した息の支え
高音を出すとき、多くの方はのどに力を入れてしまいがちです。しかし美和さんの高音は、のどではなくお腹(横隔膜)でしっかり息を支えているからこそ、あれだけの声量で安定して出すことができます。
のどに力が入った状態で高い声を出そうとすると、声が詰まったり、かすれたりしてしまいます。これは、のどの筋肉が緊張して声帯の動きを邪魔してしまうからです。逆に、お腹で息を支えてのどをリラックスさせることができれば、声帯が自由に振動でき、楽に高い音が出せるようになります。
美和さんのライブを観ると、高音を出す場面でお腹にグッと力を入れているのがわかることがあります。のどではなく身体の下の方で声を支えている証拠ですね。たとえるなら、身体全体を楽器にして、お腹がその「ふいご」の役割を果たしているようなイメージです。
声帯閉鎖と共鳴のバランス
高音域でも声が薄くならない理由の一つが、適度な声帯閉鎖を維持していることです。声帯をしっかり合わせることで、息漏れの少ないパワフルな声が生まれます。
ただし、声帯を締めすぎると今度はのどが苦しくなってしまいます。大切なのは「閉じすぎず、開きすぎず」の絶妙なバランスで、これは一朝一夕に身につくものではありません。コツコツとした練習の積み重ねが必要ですが、正しい方向性で練習すれば確実に近づいていける部分でもあります。
ファルセットとの切り替え
美和さんは楽曲の中で、パワフルな地声系の高音とファルセット(裏声)を見事に使い分けています。特にバラードでは、サビの力強い高音からブリッジ部分でふわっとファルセットに切り替わるような瞬間があり、これが楽曲に繊細な表情を加えています。
このスムーズな切り替えも、ミックスボイスの延長線上にあるテクニックです。地声と裏声の境目を意識せずに行き来できるようになると、表現の幅が大きく広がります。
ファルセットの基本的な出し方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ファルセット(裏声)の出し方と練習方法
代表曲ごとの歌い方のポイント
ドリカムの楽曲は、曲ごとに求められるテクニックや歌い方のアプローチが異なります。ここでは代表的な楽曲をピックアップして、それぞれの歌い方のコツをお伝えしていきます。
バラード系楽曲の歌い方
ドリカムのバラード系楽曲は、テンポがゆっくりな分だけ一音一音の表現力が求められるのが特徴です。音程のブレやリズムのずれがそのまま聴こえてしまうため、シンプルなようで実は難易度が高いジャンルと言えます。
バラードでは、美和さんはサビに向かって徐々に声量と感情を高めていく歌い方をしています。Aメロは語りかけるように優しく、Bメロで少しずつ声を乗せていき、サビで一気に開放する。この感情のグラデーションが、ドリカムのバラードの魅力を最大限に引き出しているのです。
練習のポイントとしては、いきなりサビを大きな声で歌おうとしないことです。Aメロを丁寧に歌い込むところから始め、曲全体のダイナミクス(強弱の変化)を意識して組み立てていくとよいでしょう。声量のコントロールは、息の量のコントロールでもあります。お腹で息をしっかり支えながら、出す量を調節する練習を重ねてみて下さい。
アップテンポ系楽曲の歌い方
テンポの速いドリカム楽曲では、リズム感と滑舌の良さが鍵になります。メロディラインが軽快に動くため、音程の正確さに加えてリズムに乗る力が必要です。
アップテンポの曲での美和さんは、リズムの波に乗りながらも一つ一つの言葉をしっかり発音しています。テンポが速くなると発音が曖昧になりがちですが、美和さんの場合は高速でも子音がはっきり聞こえるのが特徴です。
この滑舌の良さを練習するには、まず歌詞をメロディなしで原曲のテンポに合わせて読む「リズム読み」がおすすめです。メロディに惑わされずに、言葉をリズムに乗せる感覚を身体に覚えさせましょう。テンポを半分に落として一音一音を丁寧に歌う練習も効果的です。
フェイクやアドリブ的表現について
美和さんの歌い方で印象的なのが、即興的にメロディを崩すフェイクの技術です。ライブでは特に、原曲のメロディを自在に変化させ、そのときの感情を声に乗せて表現されています。メロディが音楽の中を泳いでいるような感覚、と言えば伝わるでしょうか。
フェイクは高度な技術ですが、その基盤にあるのは正確な音感とスケール(音階)の把握です。原曲のメロディを完璧に歌えるようになった上で、少しずつ音を変えてみる。最初はフレーズの語尾を少し動かす程度から始め、徐々に自分なりの表現を加えていくのがよいでしょう。
吉田美和さんの歌い方に近づくための発声トレーニング
ここまで美和さんの歌い方の特徴を分析してきましたが、では実際にどのような練習をすればよいのでしょうか。文章だけでは限界もありますが、できるだけ具体的にお伝えしていきますね。
ハミングで共鳴の感覚をつかむ
美和さんのような豊かな響きのある声を出すための第一歩として、ハミングの練習が非常に効果的です。
口を閉じた状態で「んー」とハミングし、鼻の奥や眉間のあたりに振動を感じるようにして下さい。この振動の感覚が「共鳴」です。低い音から少しずつ音を上げていき、どの音域でもこの振動を感じられるようにしていきましょう。
ハミングで共鳴の感覚がつかめたら、次は口を開けて「マー」「モー」と発声します。口を開けてもハミングのときと同じ場所に振動を感じられたら、共鳴が維持できている証拠です。声が鼻の奥にふわっと当たるような感覚を大切にして下さい。
ハミングの効果と正しいやり方については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
ハミングの効果と正しいやり方
腹式呼吸で息の支えを強化する
高音を安定して出すために欠かせないのが、腹式呼吸による息の支えです。
仰向けに寝た状態で深呼吸をすると、自然とお腹が膨らんだり凹んだりしますよね。これが腹式呼吸の基本の動きです。この動きを立った状態でも再現できるように練習していきます。
息を吸ったらお腹を膨らませたまま、「スー」と細く長い息を吐いていきます。最初は10秒、慣れてきたら20秒、30秒と伸ばしていきましょう。息を吐いているときにお腹がゆっくりと凹んでいく感覚があれば正解です。急にペタンと凹んでしまう場合は、横隔膜で息を支える力がまだ弱い状態です。
この「息を支える力」が高音発声の土台になります。のどに力を入れて高い声を出そうとしてしまう方は、まずこの腹式呼吸をしっかり身につけることから始めてみて下さい。
声帯閉鎖の感覚をつかむ練習
パワフルな声には適度な声帯閉鎖が必要です。その感覚をつかむのに効果的なのが、エッジボイス(声帯がパチパチと弾けるような声)の練習です。
リラックスした状態で「あ゛ー」と、声の出し始めにブツブツという振動を感じるように発声してみて下さい。朝起きたばかりのときに出る「ガラガラ声」に近い感覚です。これが声帯がしっかり合わさっている状態の感覚です。
エッジボイスが出せるようになったら、そこから徐々に声を明るくしていき、通常の発声につなげます。声の出だしでエッジの感覚を軽く入れてから声を伸ばすことで、芯のある声を出す感覚が身についていきます。
吉田美和さんの歌い方を練習するうえでの注意点
美和さんの歌い方を目標にすることは素晴らしいのですが、練習するうえでいくつか気をつけて頂きたいポイントがあります。
のどに無理をさせないこと
美和さんのパワフルな歌い方を真似しようとして、のどに力を入れて声を張り上げてしまうのは最もよくある失敗パターンです。これを続けると、声帯に負担がかかり、声がかれたり、最悪の場合はのどを痛めてしまうこともあります。
美和さんの声量の源は、のどの力みではなく腹式呼吸と共鳴です。練習中にのどが痛くなったり、声がかすれてきたら、それは発声の方向が間違っているサインです。無理をせず、まずは小さな声でも共鳴を感じられる発声を目指しましょう。
自分の声域を把握すること
吉田美和さんは、女性ボーカリストの中でも特に広い音域と高い声を持っています。すべての曲を原曲キーで歌おうとすると、無理が生じる場合があります。
キーを下げて歌うことは決して「負け」ではありません。自分が気持ちよく歌える音域で練習し、発声の基礎が固まってきたら徐々に音域を広げていく。この段階的なアプローチが、結果的には最も早く上達する方法です。
一つずつ段階を踏むこと
声量、高音、表現力、リズム感――美和さんの歌い方には多くの要素が含まれていますが、すべてを一度に習得しようとすると、どれも中途半端になってしまいがちです。
まずは腹式呼吸と共鳴の基礎を固め、次にミックスボイスの感覚をつかみ、その上で楽曲の表現に取り組む。一つずつ確実にステップアップしていくことが、遠回りに見えて実は最短ルートです。
まとめ|吉田美和さんの歌い方を目標にボイトレを始めよう
吉田美和さんの歌い方の特徴をまとめると、次のようになります。
のどの奥の空間を活かした豊かな共鳴
腹式呼吸に支えられた安定した声量と高音
地声の厚みを保ったミックスボイス
唇や表情を使った多彩な表現力
即興的なフェイクを可能にする確かな音感
これらはすべて、正しい練習方法で身につけることができる技術です。もちろん、文章だけでお伝えできることには限りがあります。発声の感覚はどうしても「体感」の部分が大きいため、実際にトレーナーに声を聴いてもらいながら練習するのが最も確実な方法です。
ブラッシュボイスでは、喉に負担のかからない発声をトレーニングするだけでなく、実際の歌唱にも活かせる実践的なレッスンも行っております。「吉田美和さんのように歌いたい」という目標をお持ちの方も、ぜひ一度体験レッスンにいらして下さい。あなたの声の可能性を一緒に探していきましょう。
株式会社ブラッシュボイス
