こんにちは。ブラッシュボイスです。
カラオケで好きな曲を歌おうとしたとき、「サビの高音がどうしても出ない」「原キーで歌えたらかっこいいのに」と感じたことはありませんか?
原曲キーで歌えないというお悩みは、ボイストレーニングのレッスンでも本当によく頂くご相談のひとつです。
原キーで歌うことにこだわる気持ちはとてもよく分かりますが、実はキー変更は決して恥ずかしいことではありませんし、プロの歌手でもライブでキーを変えて歌うことは珍しくありません。
この記事では、カラオケで原キーにこだわる方に向けて、原キーで歌えない原因、キー変更の正しい考え方、そして原キーに近づくための練習方法を分かりやすくお伝えしていきます。
そもそも「原キー」とは何か
原キーの意味と基本的な考え方
「原キー」とは、アーティストがレコーディングしたときのキー(調)のことです。
カラオケの画面で「±0」と表示されている状態が原キーにあたります。
たとえば、ある曲がサビで「hiC(高いド)」の音を使っているとしたら、原キーで歌うということはその「hiC」をそのまま出さなければならないということです。
当然ですが、アーティストの声域と自分の声域が異なれば、同じキーで歌うのが難しいのはごく自然なことです。
原キーで歌える=歌がうまい、ではない
「原キーで歌える人は歌がうまい」というイメージを持っている方は多いかもしれません。
しかし、実際には原キーで歌えるかどうかと歌唱力は別の話です。
声域には個人差がありますし、男性が女性アーティストの曲を歌う場合や、その逆のケースでは、原キーのままではそもそも音域が合わないことがほとんどです。
大切なのは原キーで歌うことではなく、自分の声が一番きれいに響くキーで、気持ちよく歌えることです。
プロの歌手もキーを変えている
意外に思われるかもしれませんが、プロの歌手がライブでキーを下げて歌うことは珍しくありません。
年齢とともに声域が変化することもありますし、体調やコンディションに合わせてキーを調整するのはプロとして当然の判断です。
つまり、キーを変えること自体は歌の技術の一部であって、恥ずかしいことでも手抜きでもないのです。
原曲キーで歌えない原因を理解しよう
声域(音域)が足りていない
原キーで歌えない最も多い原因は、シンプルに声域が楽曲の要求する音域に届いていないということです。
特に最近のJ-POPやボカロ曲は音域が広く、高音域を多用する楽曲が増えています。
人それぞれ生まれ持った声帯の長さや太さが異なるため、出しやすい音域には個人差があります。
ただし、ボイストレーニングによって声域を広げることは十分可能ですので、現時点で届かないからといって諦める必要はありません。
高音での発声方法に課題がある
声域の問題とも関連しますが、高音を出すときに喉を締めてしまう方はとても多いです。
喉に力が入った状態では声帯がうまく振動できず、本来出せるはずの音域が出なくなってしまいます。
高音を出そうとして力んでしまうのは、身体が「頑張らないと高い声が出ない」と思い込んでいるからです。
実は高い音ほどリラックスした状態で出すのがコツで、この感覚を身につけることが原キー攻略の大きなカギになります。
呼吸の支えが弱い
高音を安定して出すためには、しっかりとした呼吸の支えが必要です。
腹式呼吸が十分にできていないと、息の圧力が足りずに高音で声がひっくり返ったり、かすれたりしてしまいます。
呼吸の支えは「声の土台」のようなものです。
土台がしっかりしていないと、いくら高い音を出そうとしても不安定になってしまいます。
逆に言えば、腹式呼吸をマスターするだけで高音が楽に出るようになるケースも少なくありません。
キー変更は恥ずかしくない——正しいキー設定の考え方
自分に合ったキーを見つける方法
カラオケでキーを変更するのは、自分の声を活かすための賢い選択です。
無理に原キーで歌って声がひっくり返ったり、苦しそうに聴こえたりするよりも、キーを調整して気持ちよく歌った方が聴いている人にも心地よく届きます。
自分に合ったキーの見つけ方は簡単です。
カラオケでキーを1つずつ上げ下げしながら歌ってみて、サビの一番高い音が「少し余裕を持って出せる」くらいのキーを探して下さい。
ギリギリ出せるキーではなく、余裕があるキーを選ぶのがポイントです。
キーを下げすぎると逆に歌いにくくなる
キー変更で注意したいのは、下げすぎると低音が出なくなってしまうことです。
サビの高音だけに注目してキーを大きく下げると、Aメロやイントロの低い部分が自分の声域を下回ってしまうことがあります。
楽曲は高音から低音まで全体で設計されていますので、キーを変えるときは曲全体を通して歌いやすいかどうかを確認することが大切です。
特に、低音部分がモゴモゴして聴こえないようであればキーの下げすぎかもしれません。
男性が女性曲を歌うとき・女性が男性曲を歌うとき
異性のアーティストの曲を歌う場合、男性が女性曲を歌うならキーを4〜5下げる、女性が男性曲を歌うならキーを4〜5上げるのがひとつの目安です。
もちろん個人差がありますので、この数字はあくまで出発点として、そこから微調整していきましょう。
オクターブ下で歌うという方法もありますが、曲の雰囲気が大きく変わってしまうことも多いです。
キー変更を上手に使う方が、原曲のイメージを保ちながら自分らしく歌えます。
原キーに近づくための発声トレーニング
裏声(ファルセット)を鍛えて声域を広げる
原キーで歌えるようになりたいなら、まず取り組んで頂きたいのが裏声(ファルセット)のトレーニングです。
ファルセットの出し方を練習することで、声帯を薄く伸ばす感覚が身につき、高音域が少しずつ広がっていきます。
最初は弱々しい裏声しか出なくても問題ありません。
大切なのは裏声を出す筋肉(声帯を伸ばす筋肉)を育てることで、これは毎日少しずつ練習を続けることで着実に成長していきます。
ミックスボイスで高音域をカバーする
裏声が安定してきたら、次のステップとしてミックスボイスという歌唱方法の習得を目指してみましょう。
ミックスボイスは、地声と裏声の要素を混ぜ合わせたような声の出し方で、高音域を力強く歌うことができます。
多くのプロの歌手がこの歌唱方法を使っていますし、原キーで歌えるようになるための大きな武器になります。
ただし、ミックスボイスの習得には正しい手順と時間が必要ですので、焦らずに段階的に練習していくことが大切です。
リップロールで喉の脱力を覚える
高音発声のカギは喉のリラックスにあります。
喉の脱力を覚えるのにとても効果的なのがリップロール(唇をブルブルと振るわせるエクササイズ)です。
リップロールをしながら音程を上げていくと、喉に力が入った瞬間にリップロールが止まります。
つまり、リップロールが続いている=喉がリラックスしている状態ということです。
この「力の抜けた状態で高音を出す」感覚を、少しずつ実際の歌声に置き換えていく練習をしましょう。
原キーで歌うための実践的な練習ステップ
ステップ1:自分の声域を正確に把握する
まずは、自分の現在の声域を正確に把握することから始めましょう。
ピアノやキーボードアプリを使って、地声で出せる最低音から最高音、裏声で出せる最高音を確認します。
そのうえで、歌いたい曲の最高音と最低音を調べて、自分の声域との差を確認します。
この差が分かれば、「あとどれくらい声域を広げれば原キーで歌えるか」という具体的な目標が見えてきます。
ステップ2:キーを1つずつ原キーに近づける
いきなり原キーで歌おうとするのではなく、自分が楽に歌えるキーから1つずつ原キーに近づけていく方法がおすすめです。
たとえば、今は原キーから3つ下げないと歌えない曲なら、まずは2つ下げで歌えるように練習します。
1つキーが上がるということは、半音分だけ高い音を出せるようになるということです。
焦らず段階的に取り組むことで、喉に無理な負担をかけずに声域を広げていけるのがこの方法のメリットです。
キーを上げていく過程では、腹式呼吸で息の支えを意識することも忘れないようにしましょう。
ステップ3:苦手なフレーズだけを集中的に練習する
曲の中で原キーがきつく感じるのは、たいていサビの特定のフレーズです。
1曲を何度も通して歌うよりも、苦手なフレーズだけを取り出して繰り返し練習する方が効率的に上達できます。
その際、いきなり歌詞で歌うのではなく、まずは「あー」や「うー」などの母音で音程だけを取る練習をして下さい。
音程が安定してきたら歌詞を乗せていくと、喉への負担を最小限に抑えながら練習できます。
音程の合わせ方についてはチューナーを使った音程トレーニングも参考にして下さい。
原キーにこだわりすぎないことも大切
無理して歌うと喉を傷める危険がある
原キーで歌いたいという気持ちは分かりますが、無理な高音を出し続けると声帯を傷めてしまう可能性があります。
声がかすれる、喉が痛くなる、翌日声が出にくくなる——こうした症状が出ているなら、そのキーは今の段階ではまだ無理をしているサインです。
声帯は一度傷めてしまうと回復に時間がかかりますし、最悪の場合は声帯結節やポリープにつながることもあります。
安全な範囲で少しずつ鍛えていくという意識を常に持って下さい。
「歌を楽しむ」ことが一番大切
カラオケを上達させたいという気持ちはとても素晴らしいことです。
しかし、原キーへのこだわりが強すぎると、歌うこと自体がストレスになってしまうことがあります。
キーを変えて気持ちよく歌える曲があるなら、それはそれで正解です。
歌はコミュニケーションであり、自己表現です。聴いている人に気持ちが伝わる歌い方ができていれば、キーが原曲と違っていても何も問題はありません。
ボイストレーニングで可能性は広がる
とはいえ、「やっぱり原キーで歌えるようになりたい」「もっと高い声を出したい」という思いがあるなら、ボイストレーニングで声域を広げることは十分に可能です。
正しい発声方法を身につければ、以前は届かなかった音域が出せるようになるケースは数多くあります。
大切なのは、独学で無理をせず、正しい方法で段階的にトレーニングすることです。
自己流の練習で喉を傷めてしまっては元も子もありません。
テキストだけでは伝えきれない部分もあります
ここまでカラオケの原キーで歌うための考え方と練習法についてお伝えしてきましたが、正直なところ、文章だけではお伝えしきれない部分もたくさんあります。
特に高音発声やミックスボイスの感覚は、身体の使い方と深く結びついているため、実際に声を聴きながらのアドバイスがあると上達のスピードが大きく変わります。
「自分の声域がどこまで広がる可能性があるのか知りたい」「原キーで歌うための具体的な練習メニューが欲しい」と感じたら、一度プロのトレーナーに相談してみるのが近道かもしれません。
ブラッシュボイスでは、お一人おひとりの声質や目標に合わせたレッスンを行っています。
無料体験レッスンも行っておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
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