こんにちは。
ブラッシュボイス 関東代表トレーナーの鈴木智大と申します。
ボイトレに関するご質問を受けましたので回答させていただきます。
【質問】坂本冬美さんのようなビブラートのかけ方
坂本冬美さんのようなビブラートをかけたいのですが、どうやったらかけられますか?
ピアノで、半音さげて練習する方法をやってみましたが、うまくできません。また、高い音でロングトーンからのビブラートは、より難しいです。
【回答】ビブラートのかけ方 チェックポイント
ロングトーンの確認
まず、ロングトーンは安定して発声出来るか確認してみて下さい。低音も高音もです。
このロングトーンが安定的に発声出来ないとビブラートを掛けようとしてもただ不安定なだけの発声になってしまいますので、必ずロングトーンを安定させられるようにしましょう。
腹式呼吸が出来ていることが前提ですが、ロングトーンが安定している時は息もお腹も安定しているはずです。
良くある失敗例としては、ビブラートを掛けようとした途端に息も声も弱くなってしまうパターンです。ビブラートは大抵、フレーズの語尾で使われる事が多い為、優しくフェードアウトするように掛けることが多いです。
その為、ビブラート掛けようとした途端に弱くなってしまう。これだと喉に掛かってしまい、ビブラートも安定しません。
声はあくまでも真っ直ぐ、ロングトーンの時と同じようなお腹の支えと息の圧が必要です。息や声、お腹の支えはロングトーンの時と同じように歌うことを大前提として下さい。
音程ではなく音圧を意識してみる
ビブラートは、基盤となる音と少し下の音を波のように行き来して発声する歌唱技術です。
例えば、ソの音でビブラートを掛ける場合、ソと少し下の音(半音ほど下ではない)を行き来します。
事実音程の波ではありますが、ご質問者様のように音程を半音上げ下げ前提で発声しようとすると、波の幅が大きくなり過ぎてしまい、ビブラートではなくトレモロ(隣り合った違う音を高速で交互に演奏する)と言う音楽テクニックになってしまいます。
ビブラートはトレモロとは違いますので、あくまでも音を取ろうとせず、音圧として捉えると分かりやすいと思います。
例えば一つの音を伸ばす時、「あぁあぁあぁあぁ」と言うように、大きい「あ」はボリュームを大きく、小さい「ぁ」はボリュームを小さく交互に発声してみて下さい。音圧が変わることで音程の波も自然に作られ、綺麗なビブラートが出来るはずです。
この時に大切なのが、肩や胸の脱力です。そしてチェックポイントはみぞおちと喉の揺れ。音が揺れているわけですから、声帯周りの筋肉は高速に動いて喉の開閉が起こります。その為ビブラート時の喉周りはとても早く動きます。
それと同時に、みぞおちを手で押してみて下さい。空気の圧をコントロールしているのが横隔膜なので、みぞおちを上から押すとビブラートをしている間は揺れているはずです。この揺れの速さについては人によって変わりますので、自分がやりやすい速さのビブラートを行いましょう。
坂本冬美さんのビブラートは早くも遅くもない、程よいスピードなので目指しやすいと思います。
まずは出しやすい母音と音の高さから
練習する場合は出しやすい音の高さを決めましょう。
「ソ」なのか「ラ」なのか。声をまっすぐ張って安定する音の高さが良いでしょう。
音が決まったら次に発声しやすい母音で発声します。例えば「あ」が出しやすければ「あーーーーーーーーー」と出して行きます。
揺れてしまう場合はまずは安定させるようにしましょう。安定してきたら今度は声の強さは変えずにビブラート発声にチャレンジしてみましょう。
肩の脱力、胸の脱力は意識して下さい。喉もなるべく脱力して喉の揺れを意識しながら、ゆったりとしたビブラートからでも良いので、ゆっくりでも確実にビブラートの波を作れるようにして行きましょう。
難しい技術なので時間はかかるかもしれませんが、反復練習がとても大切なボイストレーニングですので、焦らず継続してみて下さい。
もしどうしても分からない場合は、ご質問者様がどちらにお住まいかはわからないのですが、もしお近くでしたら無料でボイトレの体験レッスンが出来ますので、一度お越しいただきご相談下さい。※もちろん無理なご入会の勧めなどはありません。
練習頑張ってみてください。
株式会社ブラッシュボイス
関東代表ボイストレーナー/鈴木 智大