坂本冬美さんのようなビブラートのかけ方 練習のコツやトレーニング方法

    こんにちは。
    ブラッシュボイス 関東代表トレーナーの鈴木智大です。

    今回は「坂本冬美さんのようなビブラートをかけたい」というご質問をいただきましたので、詳しく解説していきます。

    坂本冬美さんといえば、演歌界を代表する歌い手のひとりです。その歌声の魅力のひとつが、美しく安定したビブラートではないでしょうか。早すぎず遅すぎず、聴いていて心地よい揺れが坂本冬美さんの歌唱の大きな特徴です。

    この記事では、坂本冬美さんのようなビブラートを目指すうえで押さえておきたいポイントを、基礎から実践まで段階的にお伝えします。

    目次

    【質問】坂本冬美さんのようなビブラートのかけ方

    坂本冬美さんのようなビブラートをかけたいのですが、どうやったらかけられますか?

    ピアノで半音下げて練習する方法をやってみましたが、うまくできません。また、高い音でロングトーンからのビブラートは、より難しいです。

    【回答】坂本冬美さんのビブラートに近づくためのチェックポイント

    ビブラートは歌の表現力を大きく左右する重要なテクニックです。ビブラートの基本的な仕組みを理解したうえで、ひとつずつ確認していきましょう。

    まずはロングトーンの安定を確認する

    ビブラートの練習に入る前に、まずはロングトーンが安定して発声できるかを確認してみてください。低音でも高音でも同様です。

    ロングトーンが安定しない状態でビブラートをかけようとすると、ただ不安定なだけの発声になってしまいます。ですので、まずはまっすぐ伸ばすロングトーンをしっかり安定させることが最優先です。

    腹式呼吸ができていることが前提ですが、ロングトーンが安定しているときは息もお腹の支えも安定しているはずです。以下のポイントを意識してみましょう。

    ■ ロングトーン安定のためのチェックリスト

    ・息の量が一定に保たれているか
    ・お腹の支え(横隔膜のコントロール)が持続しているか
    ・喉に余計な力が入っていないか
    ・音程がふらつかずにまっすぐ伸ばせているか

    これらがすべてクリアできていれば、ビブラートの土台は整っています。

    ビブラートをかけようとして声が弱くなるパターンに注意

    よくある失敗例として、ビブラートをかけようとした途端に息も声も弱くなってしまうパターンがあります。

    ビブラートはフレーズの語尾で使われることが多いため、優しくフェードアウトするように聴こえることが多いものです。しかし、それを意識しすぎて声が弱くなると、喉に力が入ってしまいビブラートが安定しません。

    声はあくまでもまっすぐ、ロングトーンのときと同じようなお腹の支えと息の圧を保つことが大切です。息や声・お腹の支えはロングトーンのときと同じ状態を維持することを大前提としてください。

    音程ではなく「音圧」を意識してみる

    ビブラートは、基盤となる音と少し下の音を波のように行き来して発声する歌唱技術です。
    たとえば「ソ」の音でビブラートをかける場合、「ソ」と少し下の音(半音ほど下ではないごくわずかな幅)を行き来します。

    事実としては音程の波ではありますが、ご質問者様のように音程を半音上げ下げする前提で発声しようとすると、波の幅が大きくなりすぎてしまい、ビブラートではなくトレモロになってしまいます。

    トレモロとは、隣り合った違う音を高速で交互に演奏する音楽テクニックのことで、ビブラートとは異なります。ビブラートの種類にはいくつかありますが、いずれも音程差は非常に小さいのが特徴です。

    そこでおすすめなのが、音程ではなく音圧(ボリューム)として捉えるアプローチです。

    音圧アプローチによるビブラート練習法

    ひとつの音を伸ばすときに、「あぁあぁあぁあぁ」というように発声してみてください。

    ・大きい「あ」→ ボリュームを少し大きく
    ・小さい「ぁ」→ ボリュームを少し小さく

    この大小を交互に繰り返します。音圧が変わることで音程の波も自然に作られ、きれいなビブラートになります。

    最初はゆっくりで構いません。「あーぁーあーぁー」くらいのテンポから始めて、慣れてきたら徐々にスピードを上げていきましょう。坂本冬美さんのビブラートは早くも遅くもない程よいスピードなので、目標として設定しやすいと思います。

    脱力と身体のチェックポイント

    音圧アプローチで練習するときに大切なのが、肩と胸の脱力です。肩や胸に力が入っていると、息のコントロールが固くなり、自然な揺れが生まれにくくなります。

    そしてチェックポイントはみぞおちと喉の揺れです。

    ■ 喉の揺れ
    音が揺れているということは、声帯周りの筋肉が高速に動いて喉の開閉が起こっています。ビブラート時の喉周りはとても早く動きますので、鏡を見ながら確認してみるのもよいでしょう。

    ■ みぞおちの揺れ
    みぞおちを手で軽く押してみてください。空気の圧をコントロールしているのは横隔膜ですので、ビブラートをしている間はみぞおちが揺れているはずです。揺れを感じられたら、正しくお腹の支えが使えている証拠です。

    揺れの速さは人によって異なりますので、まずは自分がやりやすい速さのビブラートで練習しましょう。

    まずは出しやすい母音と音の高さから始める

    練習する際は、出しやすい音の高さを決めることから始めましょう。

    「ソ」なのか「ラ」なのか、声をまっすぐ張って安定する音の高さがベストです。無理に高い音や低い音で練習すると、ビブラート以前にロングトーンの維持が難しくなってしまいます。

    音が決まったら、次に発声しやすい母音で発声します。

    ・「あ」が出しやすければ「あーーーーー」
    ・「お」が出しやすければ「おーーーーー」

    まずはまっすぐ伸ばし、揺れてしまう場合は安定させることを優先してください。安定してきたら、声の強さは変えずにビブラート発声にチャレンジしてみましょう。

    坂本冬美さんのビブラートの特徴を知る

    坂本冬美さんのビブラートにはいくつかの特徴があります。

    ■ 揺れ幅が一定で安定している
    フレーズの最後までビブラートの幅がぶれず、聴いていて心地よい安定感があります。これはお腹の支えがしっかりしている証拠です。

    ■ スピードが程よい
    速すぎず遅すぎない、ちょうど聴き心地のよいスピードです。演歌のビブラートは比較的ゆったりしたものが多いですが、坂本冬美さんはそのなかでもバランスがよく、ポップスにも通じる自然なビブラートです。

    ■ フレーズに溶け込む自然さ
    ビブラートが主張しすぎず、歌のフレーズの流れのなかに自然に溶け込んでいます。これは力みなく発声できているからこそ実現できる表現です。

    こうした特徴を意識しながら、坂本冬美さんの楽曲を繰り返し聴いて耳を慣らしておくことも上達への近道です。演歌の歌い方全般のコツも参考にしてみてください。

    練習の段階的なステップ

    ビブラートの習得には段階的な取り組みが効果的です。以下のステップで進めてみてください。

    ステップ1:ロングトーンの安定
    出しやすい音でまっすぐ8秒以上伸ばせるようにする。お腹の支えと脱力を意識。

    ステップ2:ゆっくりした音圧の波
    ロングトーンの途中から「あぁあぁあぁ」と音圧を交互に変える。最初はゆっくりで構いません。

    ステップ3:スピードを上げる
    慣れてきたら波のスピードを少しずつ上げていく。みぞおちの揺れと喉の揺れを確認。

    ステップ4:フレーズに組み込む
    実際の曲のフレーズの語尾でビブラートを入れてみる。坂本冬美さんの楽曲で実践するのがおすすめ。

    ステップ5:高い音域にも広げる
    出しやすい音で安定してきたら、少しずつ音域を広げてチャレンジ。

    難しい技術なので時間はかかるかもしれませんが、ビブラートは反復練習がとても大切なボイストレーニングです。焦らず継続してみてください。

    坂本冬美さんのようなビブラートを身につけるために

    ここまでのポイントをまとめます。

    ・ロングトーンの安定が最優先。お腹の支えと息の一定を意識する
    ・音程ではなく音圧(ボリュームの大小)でビブラートを捉える
    ・肩と胸の脱力を徹底し、みぞおちと喉の揺れを確認する
    ・出しやすい音の高さ・母音から始めて段階的にレベルアップする
    ・坂本冬美さんの楽曲を繰り返し聴いて、ビブラートの速さや揺れ幅を耳で覚える

    ビブラートは一朝一夕で身につくものではありませんが、正しい方法でコツコツ練習を続ければ必ず上達します。

    もしどうしてもうまくいかない場合は、ブラッシュボイスのボイトレ無料体験レッスンにお越しください。実際に声を聴かせていただきながら、あなたに合ったビブラートの練習方法を一緒に見つけていきます。もちろん無理なご入会の勧めなどはありませんので、お気軽にどうぞ。

    練習頑張ってみてください。

    株式会社ブラッシュボイス
    関東代表ボイストレーナー/鈴木 智大

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