今回は高音発声を地声で行うにはどうすれば良いのか、というご質問を頂きました。
早速回答をしていきます。
カラオケで高音域を地声で出すにはどうすれば良いのか
ハンドルネーム : 五木のひろし
ご質問タイトル : カラオケで高音域を出したい
ご質問内容 :
オリジナルキーで♭E以上で声が詰まってしまいます。
高音が裏声でなく地声発声出来るよう鼻腔共鳴をマスターしたく願っております。
尚、腹式呼吸はトロンボーンやテナーサックス演奏でマスターしたつもりです。
因みにJOYSOUNDでの歌唱採点は篝火の人(走祐介)で100.0点でした。
憧れは”五木ひろし”の歌唱力です。
(年齢69歳)
ご質問頂きありがとうございます。
今回は高音を地声で発声出来る様にしたいというご質問で、加えて五木ひろしさんの様な歌唱力を付けたいという内容です。
ご質問者様は『♭E』で表声が限界という事でございましたが、まず音階の表記の方法ですが、この場合は『E♭』という表記が正しいものになります。
アルファベットが先に来て「♭」や「#」などの音楽記号は後ろに来ます。
またオクターブ表記が無い事からどのオクターブのE♭なのかが判断出来ないというのも難点ですが、おそらく『E♭4』なのかな?と憶測からになりますが回答差し上げます。
上咽頭共鳴は舌の力を抜くのが大事
まず、仰られている様な鼻腔共鳴ですが、ブラッシュボイスではこれを『上咽頭共鳴』と呼んでおります。
従いまして、以下上咽頭共鳴と記載致します。
喉は下記の3つに部位が分かれています。
- 上咽頭
- 中咽頭
- 下咽頭
です。
上咽頭は口蓋垂裏側から更に上の部分になります。
中咽頭は口を開けて目視出来る部分が主に中咽頭です。
下咽頭は喉の付け根から声帯の下辺りまでを指します。
腹式呼吸が出来ている前提で上咽頭共鳴を成功させるには、まず舌のポジションの安定と舌の力の抜き加減が重要と言えます。
図を描いて説明してみます。
図を見ながら記事を読んで頂けるとスムーズかと思われます。
まず、上咽頭の位置を確認して下さい。
口蓋垂の上を緑色で囲んだ部分が上咽頭で、この部分で声を共鳴させる事により、表声の高音を発声出来る様にします。
なお、喉が閉まっていたり、力んでいる場合は、この上咽頭には声は届きません。
そして喉が閉まっている状態というものが「舌」のポジションや力みのレベルで分かります。
舌の状態を確認するポイント3つ
図をご覧下さい。
①②③と舌の状態を確認するポイントを記述致しました。
すべて発声状態が『あ』の口腔内の形を示したものですが、『あ』で発声が出来る様になってくれば『いうえお』でも段々発声し易くなってきます。
『あ』が基本形なのでまずは『あ』で学びます。
①:舌先が下の歯の先端裏側に付いている。
②:舌が目視して平らである事が重要(凹みや盛り上がったりしない)。
③:目視で口を開けた際に喉の奥の壁面がきちんと見えている状態で『あ』を発声する。
上記3点を行う場合に顎を開け過ぎない事も重要です。
顎の力が入り過ぎるのも良くありません。
口を開けた際に上の歯と下の歯の隙間は指一本分程度で十分です(練習時)。
舌のポジションが安定していない事が原因の可能性
上記に示した方法で腹式呼吸で発声してみて下さい。
質問者様の場合ですと、たぶん舌のポジションが安定しないのかなと推察出来ます。
舌のポジションが安定している場合、腹式呼吸で発声が出来ていればもっと上の音階まで声が出るはずなので、是非試してみて下さい。
五木ひろしさんの歌声を参考にしてみる
また五木ひろしさんの歌声を参考にされてみても良いと思います。
五木ひろしさんの舌のポジションを動画で確認してみて下さい。
確認出来る限り徹底的に確認してみると舌の安定感がバッチリなはずです。
特に今回は母音『あ』で書いておりますので、五木さんの母音『あ』で歌唱されている際の口の中を確認してみて下さい。
動画を静止して確認するととても勉強になりますよ。
①②③が上咽頭共鳴のためのポイントですので、引き続き頑張ってみて下さい。