ボイストレーニングスクールのブラッシュボイスです。
歌声や話し声の「声量をアップさせたい」と思っている方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
レッスンを行っている生徒さんからも、
「ライブになると周りの音に負けて自分の声が聞こえなくなってしまう」
「同じマイクを使っているのに、自分のマイクだけボリュームが小さくなっているように感じる」
など、声量に関するお悩みをよく聞きます。
しかし、ただお腹から声を張り上げれば声量がアップするとは言い切れません。
むしろ逆に聴き手にうるさいと思われたり、不快感を与えてしまう可能性もあるのです。
大切なポイントは、お腹を意識することと同時に「声を響かせる」こと。
響きのある声を身につけることで、聴き手に心地よく、しっかりと声を届けることができるようになります。
今回は、声の響かせ方にお悩みの方に向けて、響く声の仕組み・共鳴のポイント・実践的なコツをボイトレの観点からわかりやすく解説していきます。
「響く声」とはどんな声?
響く声とは、力任せに大声を出すことではありません。
体をリラックスさせて、体の中に適切な「空間」を作り、そこに声をあてていくことで生まれる声のことです。
たとえば、大きな円形ホールをイメージしてみてください。
「あー」と声を出したり、手をたたいたりするだけで、反響音が大きく返ってきますよね。
この円形ホールの状態を、自分の体の中にも作ってあげるイメージが「声を響かせる」ということなのです。
ポイントは、まず喉を開くことです。
声を出すために欠かせない声帯が入った喉ぼとけを、下げてあげるイメージを持ちましょう。喉が開いていると、喉全体にしっかりと空洞ができるため、先ほどの円形ホールのような共鳴空間を体の中に作ることができます。
また、響く声を作るためには腹式呼吸ができていることが大前提になります。
腹式呼吸に自信のない方は、まず呼吸法からしっかりと見直してみましょう。腹式呼吸の基本については腹式呼吸の解説記事で詳しくお伝えしていますので、あわせてご確認ください。
声を響かせる場所は「高さ」で変わる
声を響かせる場所は、出す声の高さによって変わってきます。
ここでは代表的な3つの共鳴ポイントを紹介します。
1. チェストボイス(低音域の響き)
低音域を響かせる場合に使う声がチェストボイスです。
「チェスト」の名の通り、「胸」に共鳴させる声になります。
手を胸にあてて、自分にとって低いと思う音程で声を出してみてください。
手にビリビリという振動を感じたら、胸にしっかりと響かせることができている証拠です。この振動が強ければ強いほど、胸での共鳴がうまくいっていることになります。
芯のある声の出し方についても理解しておくと、チェストボイスの安定感がさらに増していきます。
2. ミドルボイス(中音域の響き)
ミドルボイスは中音域の声です。
鼻の奥にある空洞、いわゆる鼻腔(びくう)を使って声を響かせていきます。これを「鼻腔共鳴」と呼びます。
鼻腔共鳴をつかむ練習として効果的なのがハミングです。
口を閉じた状態で「ん〜」と声を出し、鼻の周辺にビリビリとした振動を感じられるようになると、鼻腔共鳴の感覚がつかめてきます。
鼻腔共鳴のさらに詳しい解説は、こちらの記事も参考にしてみてください。
響く声を出すために、「鼻腔共鳴」を学ぼう
3. ヘッドボイス(高音域の響き)
ヘッドボイスは高音域の声です。
喉の奥にある空間(上咽頭と呼ばれる部分)から、頭のてっぺんに向かって声を響かせるイメージで発声します。
たとえばフクロウのモノマネで「ホーホー」と出してみるトレーニングが効果的です。
力を入れずに、頭の上に声が抜けていくような感覚を意識してみてください。この感覚が掴めると、高音域でも無理なく響きのある声が出せるようになっていきます。
声を響かせるコツは「息の量」にある
これまでご説明した共鳴ポイントを意識することに加えて、もうひとつ大切なコツがあります。
それは「息の量を調整する」ことです。
息の量が多すぎると声がかすれてしまい、逆に少なすぎると響きが弱くなってしまいます。
声と息のバランスは共鳴において非常に重要なポイントです。
特に、腹式呼吸で安定した息の流れを作った上で、必要な分だけの息を声帯に送り込む感覚を身につけることが大切です。
この「ちょうどよい息の量」は人それぞれ異なりますので、独学のボイトレをされている方は、一度プロのボイストレーナーに自分の声の状態をみてもらうことをおすすめします。
響く声を身につけるための練習ステップ
声を響かせるための練習は、次のようなステップで進めるのが効果的です。
ステップ1:腹式呼吸を安定させる
まずは呼吸の土台を整えましょう。お腹の動きを意識しながら、安定した息の流れを作れるようになることが第一歩です。
ステップ2:喉を開く感覚をつかむ
あくびをするときのように喉を大きく開いた状態を意識します。喉ぼとけが下がっている感覚を覚えておきましょう。
ステップ3:ハミングで共鳴を確認する
口を閉じて「ん〜」とハミングし、鼻や頭に振動が伝わるかを確認します。振動を感じたら、その感覚を保ったまま口を開けて声を出してみましょう。
ステップ4:音域ごとに共鳴ポイントを意識する
低音はチェスト、中音はミドル(鼻腔)、高音はヘッドと、音域に合わせて響きのポイントを切り替える練習をします。
声の響かせ方 まとめ
今回は「声の響き」について、仕組みから実践的な練習方法までお伝えしました。
響く声を手に入れるためには、喉を開くこと・腹式呼吸・共鳴ポイントの意識・息の量の調整といった複数の要素をバランスよく整えていくことが大切です。
ただし、共鳴の感覚はなかなか自分だけではコツを掴むことが難しい部分でもあります。
声の響かせ方についてお悩みの方は、ぜひ一度ボイトレ無料体験レッスンで自分の声の状態をプロにみてもらってくださいね。
