風邪で声が出ない・喉のコンディションを整える4つのポイント


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いつもボイストレーニング、お疲れ様です。

風邪で声が出ない、ベストな喉のコンディションの作り方についてご質問がございました。

風邪で声が出なくなってしまったと言う場合は、まず可能であれば現在の体の状態をお医者様に行ってファイバースコープで確認していただくと言うのが常道です。
例えば声が枯れてしまったと言うことであれば、喉の炎症と同時に声帯結節とかポリープといったものも疑わないといけないですよね。

しかし下記のご質問にもありますように、ライブが近くどうしてもライブは強行しなければならない。
そのような致し方ない状況にある場合、どのようにボイストレーニング的な立場からベストな方向に喉を持っていけば良いのかを今日は述べたいと思います。

詳しく解説していきたいと思います。

ボイトレ簡単質問箱

風邪で声が出ない・喉のコンディションを整える4つのポイント

ご質問内容
ハンドルネーム:ボンヤスキー
質問タイトル:風邪で声が出ない
質問内容:

2週間前から風邪を患っていてなかなか喉の調子が元に戻りません。
コロナ渦ではありますが、コロナとは関係なく以前から毎回風邪をひくと重症化しやすく喉が痛くて痛くてたまらないのです。
ご紹介が遅れましたけれども、私は事務所に所属しているアーティストです。
プロとして活動している以上、関係者からの期待に応えなければなりません。
現在はライブイベントは積極的には行えないので、配信できるライブハウスのスペースから配信ライブを行っています。
とりわけこの配信ライブを行っていて困る事は喉の調子が悪いと声が出なくなるので、チケットを買ってみてくれているお客様に申し訳ないなと言う気持ちになります。
そんな中、私ができる限りのことをして声の状態を最悪の中でもベストな方向に持っていきたいのですが、どうすれば喉のコンディションをベストな方向にもっていくことができるでしょうか?
長くなってしまって申し訳ございません。

回答と解説

喉のコンディションを整えるポイント4つ

  1. うがい(鼻うがい)
  2. 点鼻薬
  3. ピッチとリズム
  4. なるべく力まない

上記のポイントをそれぞれ解説していきます。

1.うがい(鼻うがい)

喉にはウィルスや細菌が付着して悪さをするので炎症が起こるわけですけれども、声がガラガラになって響かなくなってしまうのは上咽頭(喉の上の方)が炎症が強くなってしまっていて、粘膜がただれている状態なんですね。
このような状態であると粘膜にはネバネバした鼻水や痰が付着するようになります。
声を響かせなければいけない上咽頭に空間がなくなってしまうわけで、(空間ができていたとしてもいびつな空間になっていってしまうので)声が共鳴しなくなってしまいガラガラ声になってしまうわけです。
加えて声が出しづらくなってしまうので、がなって歌ってしまい声帯結節などができやすくなってしまうと言う傾向もあります。
うがいとか鼻うがいによって、鼻水や痰を押し流すことができれば、少し声が出るようになります

2.点鼻薬

本当は耳鼻咽喉科などから処方していただいた点鼻薬が良いのですが、手に入らなかった場合は市販のものでも応急処置的なことであれば問題ありません。
鼻水は鼻の穴の上の方から生成されます。
それが前のほうに出てきたり喉のほうに落っこちてきたりするわけです。
ですから、鼻水の作られるポイントに薬を塗布すれば鼻水はとりあえず止まるので、上咽頭での共鳴がやりやすくなるわけです
もっと言えば上咽頭の炎症も、この点鼻薬によってある程度腫れを抑えることが可能なので一時的に発声はしやすくなると考えられます。

3.ピッチとリズム

『4.なるべく力まない』とかぶる部分もあるのですが、「力みが生じる」とピッチやリズムと言うのはかなり狂います
人間が音楽を聴いていて心地良いと思うのはピッチやリズムがきれいにはまるからと言うのを基本として「あ、いい音楽だな」と言う印象を持つわけです。
ですから喉の調子が悪い時でも、印象をよく相手に持たせるためにはピッチとリズムを意識的に安定させていく方向で考えて歌を歌うことが大事になってきます。
喉の調子が悪いと力みが生じるのでバランスが悪くなりますから、自分をうまくコントロールしてピッチとリズムを安定させましょう。

4.なるべく力まない

体調が悪い時は、何とかして声を出そうと言う思いから体が力む傾向にあります。
体が力むと腹式呼吸が難しくなり横隔膜が作用しない、横隔膜が作用しなくなると声が出しづらくなる、共鳴が難しくなる
お腹の力をすぐに抜くことができないので呼吸も苦しくなる。
このように体の筋肉の力みにより生じる事は悪い事しかありません。
ですから体調が悪い時に本番を迎える場合、特に注意しなければならないのは、平常心を保つことです。
「平常心を保つ」これは非常に大事なことで、力みを取ることに直結してくるマインドなので必ず体調が悪い時は「平常心を保つ」と言うことを忘れないでください。

上記に付随した内容を過去の記事で紹介していますので、あわせてお読み頂けるとより深くご理解頂けます。

腹式呼吸とあわせて行うとよい上半身の脱力について

【ボイトレノウハウ6】共鳴 (図解あり)

ピッチを正確にとる練習や方法。チューナーを利用した音感トレーニングをご紹介

リズム感を鍛えて歌の表現力をUPさせる方法

今日は、風邪で喉が調子が悪くなりどうしようもない場合の応急処置的なことをボイストレーニングの観点から考察してみました。
また何かご不明な点がございましたら、いつでもご連絡ください。
コロナウィルスが流行っておりますので、無理せずご自愛ください。

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