いつもボイストレーニング、お疲れ様です。
今日はアンサンブルについてのご質問を頂きました。
アンサンブルは何となく分かるが、具体的には何を指すのか分からないといったご質問です。
結論:簡単に説明しますと、アンサンブルというのは合奏を指すので他の楽器パートとしっかり合わせる事です。
しかし、音だけではなく、メロディー、リズム、ハーモニー、これらがいかにうまくまとまるかが重要なのです。
声と他の楽器、もしくはこの世界に存在する様々な音との「アンサンブルについて」詳しく解説をしたいと思います。
アンサンブルってなんですか?
ハンドルネーム:ウサギとカメと猫と犬
質問タイトル:アンサンブルってなんですか?
質問内容:
これまでに掲載されているブラッシュボイスの記事を見ているとアンサンブルについて書かれていることがいくつかありました。
しかしアンサンブルと言うのは何となく意味はわかるんですが具体的にどのようなものを指すのでしょうか?
僕の考えとしては、アンサンブルは「他の音と自分が作り出す音を合わせる」と言う意味合いなのかなと考えています。
僕は以前高校時代に吹奏楽部にも入っていたこともあり(その時はテナーサックスをやっていましたが)、先生からアンサンブルちゃんと取りなさいと言うのはよく言われていました。
その当時から、アンサンブルについてあまり詳しく調べたことがなくて、なんとなくアンサンブルって合わせるって言うことなんだろうなと言うことで意識していたんですが、これは正解でしょうか?
現在は、歌が好きなので、歌におけるアンサンブルと言うのをとりわけ教えていただきたいと思うんですが、ぜひお願いします。
おっしゃられている通り、アンサンブルと言うのは「合わせる」と言う意味合いが多く含まれています。
しかし、「合わせる」と言うのは音だけに限ったことではありません。
音楽の3大要素
メロディー、リズム、ハーモニー。
これら3つは、音楽の3大要素と言われています。
そして、この3大要素が合体してアンサンブルと言うことだと認識していただいて問題ないかと思います。
この3つの要素を「合わせる」ことによりアンサンブルが成立すると言うことです。
メロディーとリズムとハーモニーはそれぞれ独立した要素のように感じられますが、これらは全てひとくくりにして音楽と言われているものです。
アンサンブル=音楽
と、捉えていただいて良いのかなと思います。
※(ちなみに音楽とは言わなくても、我々が普段の会話の中で使っている声そのものも、他の大気に混じっている音や他人の声があってこそ自分の声が存在しているわけで、これも調和が取れていればアンサンブルが成立しているということがいえますが、ここではちょっと脱線した話になってしまうので、今回は音楽に特化したアンサンブルを説明していきます。)
メロディー
メロディーと言うのは自分が歌うパートのことです。
そのパートの音階の流れをメロディーといいます。
自分が声を出して歌うわけですから、このメロディーと言うのはすなわち「歌」と言うことになりますね。
リズム
リズムと言うのはノリ、グルーヴと言うものも全てひっくるめてリズムです。
縦のノリだけでリズムを取るのか?
16分の細かい裏も感じてバウンスしているようなノリでリズムを取るのか?
例えばバンドの中では、皆ちゃんと同じグルーヴを感じながらリズムを取れているのか?
みんな同じノリを感じながらリズムを取れているのか?
そして自分自身はちゃんとできているのか?
みんなに合わすことができているのか?
リズムと言うのは非常に重要な要素なのですが、アンサンブルを取る過程において軽視されがちな傾向にあるのは日本人特有だと思います。
ハーモニー
ハーモニーと言うのは和音のことです。
コードともいいます。
ギターを弾くときによく出てくる言葉ですね、何のコードを弾いてみようとか、よく出てきますよね。
よくハーモニーのことをアンサンブルと勘違いしている人も多いんですが、ハーモニーはアンサンブルとは異なる事は理解しておいてください。
あくまでもハーモニーは、和音のことです。
きれいなハーモニーだね、と言う言葉はあるかもしれないです。
が、きれいなアンサンブルだね、と言う言葉はないでしょう?
アンサンブルに関しては、「素晴らしいアンサンブル」と言うような言い方をしますよね。
アンサンブルとはメロディー、リズム、ハーモニーがうまくまとまってこそ
これら①から③までのメロディー、リズム、ハーモニーと言う要素が全てまとまるとアンサンブルが生まれてきます。
ちなみに優れたメロディーとは、ピッチが良かったりリズムが良かったりするものですね。
そして優れたリズムとは、単純に正確なリズムを刻むだけではなく、グルーヴを生み出すと言う意味では、強く叩いたり弱く叩くと言うところも重要だったりするわけです。
ハーモニーと言う部分でも単純に美しければ良いと言うことではなく、曲の中に汚いハーモニーの部分があっても全体から捉えれば作品としてそこが良いと言う判断になることもあるわけです。
で、全体を見渡してみてアンサンブルが素晴らしいかどうか…
そう、アンサンブルと言うのは、難しいんです!
音楽の最も難しい部分と言うのはアンサンブルにあり。
みんながそれぞれの音楽パートを練習しても、結果的にアンサンブルが取れていなかったら良いものは仕上がらないんです。
アンサンブルを追求すれば追求するだけ奥が深まる、こんなに奥が深いものはありません。
具体的にはどうやって良いアンサンブルを生み出せるのか?
アンサンブルは結局は、人間が感じて良いと思ったものがアンサンブルが良いものなので、理屈で噛み砕いて理解していくためにはかなりの音楽的な知識が必要になってきます。
音楽的な知識を得ていく上で、理解しなければいけない事はメロディー、リズム、ハーモニーと言う3大要素をさらに事細かくどのようなものなのか知ると言う勉強が必要です。
この勉強はどうしたら良いのかと言うと、実践的な音楽の勉強も必要ですし、音楽の本を読み込んで学ぶことも重要です。
とてもではありませんが、この記事で全てを語れるほど簡単ではありません。
この記事では、アンサンブルを理解するにあたって、入り口として何をまず初めにやったら良いのかと言うことをお伝えしたかった次第です。
もう一度お伝えすると、メロディー、リズム、ハーモニーの3つを細かく細かく勉強すること。
それによってアンサンブルを生み出していくことができるようになります。
以上になります。
今日はアンサンブルについて理解を深めていただくために、色々とご説明いたしました。
また何かご不明な点があれば、メールにてご連絡いただければと思います。