歌唱時における立ち姿勢と座り姿勢の違い

いつもボイストレーニング、お疲れ様です。
今回は歌っている時の姿勢についてのご質問を頂きました。

「座っているときに歌を歌うと、立って歌っている時と比べてお腹の腹横筋を使いづらく感じる。」
との事ですが、そんなときには、上咽頭での共鳴が不足している可能性があります。
つまりそれは声に対して使っている息の量が極めて多い
と言うことも同時に言えるわけです。
そんな場合ははっきりした質感の声を出すように心がけましょう。
しかしこれはどういう意味なのか?

詳しく解説していきましょう。

目次

歌唱時における立ち姿勢と座り姿勢の違い

【質問】
ハンドルネーム:KU・WA
質問タイトル:歌唱時の姿勢

こんにちは。
普段は立った状態でボイトレを行っていますが、ライブの演出などで椅子に座って歌う場合があります。
座っての歌唱ですと立って発声しているときよりも腹横筋を動かしにくく声が響かないように感じます。
原因と改善方法やトレーニングを教えていただきたいです。
よろしくお願いします。

冒頭でも書いた通り、座っているときの方が普段であれば立っている時よりも腹式呼吸により息を吸うこともできるので歌いやすいはずです。
しかしながら、発声するときに腹横筋を動かしにくくて声が共鳴していないと言うことなので、これは息漏れが多くなっていて胸式呼吸になっているのかなと推察できます。

座って歌うと腹式での発声がしやすい理由

まず座っているときの方が腹式で息が出やすいと言うのはなぜなのか?
立っている時、普通の人はお腹周りの筋肉が力んでしまいがちです。
人形を立たせることが難しいように、人間は直立するためにバランスをとりますので、そのためにかなりの筋肉を無意識に使っています。
お腹周りの筋肉も例外なく使うことになります。
しかしながらボイストレーニングを鍛錬することにより、直立していてもお腹周りの筋肉をなるべく使わないで発声をすることができるようになるわけですが、普通の人はそう簡単にはいきません(質問者様のようにボイストレーニングを行っていても簡単にできるようにはならない場合もあります)。

座って腹式呼吸を行う場合は、座ることにより直立する時よりバランスを取りやすくなりますから、お腹周りの筋肉をあまり使わないで済むわけです。
緩急をつけやすくなるわけです。
つまり力みを軽減する事は座ることによって可能なわけです。
と言う事は、お腹の力を息を吸うときに抜くことが楽に行うことが可能になるわけですから、「腹式呼吸で息を吸う=お腹周りの力を抜く=横隔膜を下に下げることができる」なので座ることによる腹式呼吸のメリットは大きいわけです。

息をする場合は座って行うと腹式呼吸のメリットは高まるのですが、発声する場合(息を吐く場合)に関しては必ずしもメリットが高まるとは言えません。

ポイント!
【座って腹式呼吸のメリットを感じるのは息を吸う時のみ!】

座るからと言って共鳴が高まるとは言えませんし、根拠もありません。

確かに息を吸うのは簡単になります。
しかし息を吐くのは別です。

ここから先は実際に質問者様の発声状態を見ているわけではないのであくまでも推察です。

質問者様は息を吐く(声を出す)時に座ると、何らかの理由により力みが高まってしまうのでしょう。
つまり声に息が混じりすぎてしまうと言うことです。

しっかり発音する事で息の量を減らす事ができる

息が混じらないようになるべくするためにはどうしたら良いか?
それは声をはっきりした質感にすれば良い(可能性が高い)のです。
例えば「あ」と言う発声であれば、息が混じっていると「は」になりがちですが、これをはっきりと「あ」と発音することで息が混じる量を減らす事ができます。
はっきりした声質と言うのは息が混じる量が少ないのです。
過去に共鳴に関する記事でもたくさん書きましたが、息が混じる量を減らすことができると、上咽頭で声が共鳴しやすくなります。
声が共鳴しやすくなると言う事は、声が響きやすくなると言うことです。

はっきりした声質と言うのは声が共鳴しやすいもの。
この点を重要に考えて座って歌を歌ってみてください。
と、言うようなことを書きましたけれども、実際に音を出してレッスンしているわけではないので解説が行き届いていない可能性が高いですね。
ぜひ分かりづらい場合はボイストレーニングに通われているボイストレーナーにこの点を質問してみてください。
このような文章で理解しづらい内容の場合は、実際に現場でボイストレーナーの声で解説してもらうと言うのが一番理解しやすいと、やはり感じます。

また何かご不明な点があればご質問ください。

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