いつもボイストレーニング、お疲れ様です。
高い音階から低い音階に移行する際に、つまりどのようにミドルボイスからチェストボイスへ移行すれば良いのかというご質問を頂きました。
ポイントとしてはとてもシンプルで、低い音の時には「息っぽい声を出せば良い」のです。
逆に高い音の時に「息っぽくない声を出す」ことの方がテクニックとしては難しいのでボイストレーニングを行う上で解釈に間違いが無い様に注意が必要です。
それでは詳しく解説していきます。
高音から瞬時にチェストボイスへ切り替える方法
HN:ポポ
質問タイトル:高音と低音
はじめまして。
わたしは最近ボイトレを始めたばかりです。
音程の上下が激しい曲を歌うと低い音のほうがうまく出せません。
特に高音から瞬時にチェストボイスへ切り替えることが難しく感じます。
ボイストレーニングではオクターブの練習もしていますが歌唱の中ではなかなか上手く切り替えることができません。
上記の他にはどのようなトレーニングが効果的でしょうか。
ちなみに私は性別は女です。
よろしくお願いします。
まずオクターブの練習に関して、質問者さんが具体的にどのような練習をされているのかは不明ですが、
今回はミドルボイスからチェストボイスに移行する際にどのような練習をすれば良いのか述べたいと思います。
そもそもミドルボイスとは何か?
ミドルボイスとは上咽頭に声の響きを持たせる(共鳴させる)発声方法です。
男性でも女性でもそうですが、一般的にわかりやすく伝えると普通の人が歌って声を出しやすい音域がミドルボイスといえます。
ミドルボイスよりもさらに上になるとヘッドボイスと言って、ファルセットやシャウトがこのヘッドボイスでの発声に該当します。
ヘッドボイスからチェストボイスに一気に移行する事は基本的には曲中では無い話なので、今回は置いておきましょう。
ミドルボイスからチェストボイスに移行する際、どのようにすればうまく発声できるのか?
この1点に絞って回答します。
※ただし、一般的な発声方法はこんな感じですよと言うことで回答しますので、必ずしも今回の練習方法が誰にでも当てはまるとは限りません。
ミドルボイスからチェストボイスへの移行方法
チェストボイスと言うのは冒頭でもお話しした通り、息っぽい声を出せば良いのです。
逆にミドルボイスと言うのは発声に対して息の量をなるべく減らしたものが望ましいです。
息の量をなるべく減らした声というのがどういうものか簡単にお伝えすると、「はっきりした声質」と言う表現がしっくりくると思います。
- ミドルボイス…はっきりした息の少ない声質
- チェストボイス…ぼやっとした息の多い声質
はっきりした声質のミドルボイスからぼやっとしたチェストボイスに移行するには、息の量を極端に増やせば解決します。
息の量が増えたチェストボイスと言う発声方法は、胸式呼吸による発声方法になるので肋骨や鎖骨の部分が声を出していてビリビリ声で振動しています。
鎖骨の部分は特にわかりやすく、ご自分で手のひらを鎖骨に当ててみてください。
鎖骨部分がビリビリ振動していればチェストボイスは基本的には成立していると言っても良いと思います。
【ポイント1】ミドルボイスは鎖骨部分はあまり振動しません。
【ポイント2】チェストボイスは鎖骨部分はすごく振動します。
従いまして質問者様がおっしゃっているような高い音から低い音に移行する際、高い音は鎖骨の部分は振動していない。
けれども低い音になった際には鎖骨部分は振動するような発声をすれば良いと思います。
そして、鎖骨部分が振動するような声は胸式呼吸による発声方法なのでチェストボイスになる、つまり息の量をたくさん使えば良い。
このように解釈していただいて概ね問題ないと思います。
また何かご不明な点があればお気軽にご質問ください。
ただ、オクターブの練習方法というのは具体的にどのようなことをやられているのか。
具体的な現在行われている練習方法を記載していただいた方が的確な回答を差し上げることができると思いますので、この点を次回は抑えていただけると幸いです!