ボイストレーニングスクールのブラッシュボイスです。
いつもボイストレーニング、お疲れ様です。
今日はビブラートについてご質問をいただきました。
こぶしのように、大きな波のビブラートしかかけることができない状態にある人が小さな波のビブラートをかけることができるようになるためにはどうしたら良いのかと言う質問です。
結論、「共鳴腔を高速に伸縮させること」により小さな波のビブラートは出来上がります。
それに加えて腹式呼吸により横隔膜を上に押し上げて腹圧を高めることによって、安定感がさらに上がります。
細かく解説をしていきましょう。
細かいビブラートをかける為の練習方法
HN:カキハナ
性別:男性
年齢:31
ご質問タイトル:ビブラート
初めまして。
ボイトレに約2年間通っています。
トレーニングを行いビブラートをかけられるようになったのですが、波の大きいビブラートしかかけることができません。
もう少し繊細な波の小さいビブラートをかけられるようになるためにはどのような練習方法が適しておりますでしょうか。
口腔内の動きで細かいビブラートをかける事ができる
共鳴腔とは鼻腔、口腔のことを一般的に示しますが、このボイストレーニング領域での共鳴腔と言うものに関してはとりわけ口腔内中部(しかも中咽頭で外部から口の中を目視できる喉の部分)と上部(上咽頭)と定義付けます。
過去にも様々な記事で申し上げてきましたが、共鳴を行う部分は喉の上部(上咽頭)と言うところでおこないます。
しかしながらビブラートを語る場合は上咽頭の共鳴も大事なのですが、目視できる中咽頭の細かい動きに注目してみたいと考えます。
口蓋垂を手鏡などで目視して覗き込むと、その周りに扁桃腺があります。
口蓋垂、扁桃腺、舌に囲まれて楕円形状態の穴を手鏡で見ると口腔内の奥は形成しています。
この口腔内の楕円形状態の穴を高速で伸縮させる、そしてなおかつ上咽頭で共鳴した状態を保っていると、細かいビブラートがかかるようになります。
なぜ細かいビブラートが高速で口腔内の目視できる楕円形部分の穴を伸縮させることによりかけることが可能になるのかと言うと、上咽頭での共鳴を大きくしたり小さくしたりすると言うことを高速に行うことが可能になるからです。
上咽頭での共鳴が大きくなったり小さくなったりすると言う事は、喉の中で作られている声の音圧が高速で大きくなったり小さくなったりしている事と等しいので、結局これがビブラートと言う形になり、声となり口から音が出て行きます。
複式呼吸で上咽頭での共鳴をさせ続ける
この時に、腹式呼吸により横隔膜を押し上げて腹圧を高めている状態だと、圧縮している上咽頭での共鳴を形成し続けることができるので、さらにビブラートがかけやすくなります。
例えるならシリンダーの中の空気圧を高速に抜いたり高めたりを繰り返すようなもので、横隔膜を押し上げることにより空気圧だけではなくて音圧も細かく操ることができると言うことです。
この時細かく操るために目視できる部分で、何が目安になるのかと言うと手鏡で覗き込んだ喉の状態と言うことになるわけです。
ビブラートは低音だと練習をするのが難しいので、割と高めの声で(ミドルボイスで)練習すると良いと思います。
今回は非常に文字だけで解説すると難しいところがあったと思いますが、理論的にはボイストレーニングで言うと今回のような説明でビブラートを語ることができます。
また何か不明な点があればご質問ください。