いつもボイストレーニング、お疲れ様です。
今回は「ボカロ曲を自分らしく、アーティスティックに歌い上げるにはどうしたら良いのか?」というご質問をいただきましたので、詳しくご回答いたします。
ボカロ(ボーカロイド)の楽曲は合成音声が歌っているため、実際に人間が歌う場合にどのように表現をつけていけばよいのか、悩まれる方は多いのではないでしょうか。
最近はかなり人間らしいボカロ音源も増えてきましたが、やはり機械と人間の歌には大きな違いがあります。
今回はその違いに注目しながら、ボカロ曲を人間ならではの魅力で歌い上げるためのポイントを解説していきます。
ボカロ曲を歌い上げる歌唱テクニックについて
【質問】
HN:サワムラ
性別:女性
年齢:22
質問タイトル:歌唱テクニックについて
はじめまして。
最近YouTubeへ歌ってみた動画の投稿を始めました。
ボカロ曲のカバーも歌ってみようと思うのですが、その際に元の歌は合成音声が歌っているので、自分がカバーする際にどのように抑揚をつけたり、どこにビブラートやこぶしなどのテクニックを入れたりしようか迷ってしまいます。
これは個々の好みやセンス、技量と言われてしまえばそれまでなのですが、「ここでこの歌唱テクニックを入れれば良いかな」などのイメージができるようになるためにはどのようなトレーニングが効果的でしょうか。
様々なジャンルの様々なアーティストさんの歌を聞く→テクニックを取得する、の繰り返しで感性や発想力は鍛えられていくのでしょうか。
アドバイスお願いいたします。
確かにボカロは歌い方が無機質なものもありますので、実際に人間がそれを歌う場合にどのように歌って良いのかは悩ましいところだと思います。
しかも、アーティストという目線でボカロの楽曲を捉えて歌い上げるにはどうしたら良いのか?ということですから余計に悩ましいものだと思います。
ボカロに無くて人間の歌にあるものとは?
ところで、テクニック面の話ではなく、ボカロ(ボーカロイド)にはなくて人間にはあるものって何だと思いますか?
それは「心」です。
「心」と書くとあまりにも抽象的なので、もう少し具体的に言えば「感情、感性」といったものですね。
歌を人間が表現して歌う場合、「表現しよう」という心持ちで歌に接する以上、絶対に必要になってくるのが感情や感性というものなのです。
ボカロの楽曲は音程やリズムが正確に打ち込まれているため、技術的には完璧に聞こえることもあります。
しかし、そこに「心の揺れ」がないからこそ、人間が歌ったときに感動が生まれる余地があるのです。
つまり、ボカロ曲を人間が歌う最大の強みは「感情表現」にあるということを、まず押さえておきましょう。
歌詞を読み込んで理解して感情表現を付加させよう
質問者さんは今回のボカロの歌詞について、どのように受け止めますか?
その受け止め方によって自由に感情表現を歌の中でやってみてください。
感情表現をしていくんだということを前提に考えながら歌ってみると、絶対にボカロのようにはなりません。
きちんと歌詞を読み込んで、「ここはこういう意味なのかな?」といろいろ考えながら曲を捉えてみると、何か表現方法を得られるはずです。
具体的なステップとしては、以下のような流れがおすすめです。
まず、歌詞を声に出さずにじっくり読み込みましょう。
歌詞カードを印刷したり、ノートに書き写したりして、一つひとつのフレーズが伝えようとしているメッセージを自分なりに解釈してみてください。
サビに向かって感情がどう盛り上がっていくのか、Aメロ・Bメロではどんな情景が描かれているのか、物語として捉えることで歌い方の方向性が見えてきます。
次に、その感情の流れに合わせて、声の強弱やトーンの変化をイメージしてみましょう。
切ない場面では声を少し絞って繊細に、盛り上がる場面ではしっかりと声量を出して力強く。
こうした抑揚のつけ方は、高音の出し方の基本的なトレーニングを積むことでも自然と幅が広がっていきます。
テクニックよりもまず全体的な歌い方の方向性を決めよう
ビブラートやこぶしなどのテクニックはあくまでも表面的な表現方法です。
まずはご自身の感情に素直に問いかけて、なんとなくでも良いので表現方法をイメージしてみてください。
「ここはどのようにして歌ったら良いのかな?」というご質問をいただいていますが、それはボカロ曲によって様々ですし、質問者さんがおっしゃるように個人個人で考え方も変わってきます。
ご自身がどのように歌詞を解釈して感情を表現してみたいと思っているのか、というところにヒントを見出し、歌い方を模索してみてください。
テクニックを個別に考えるよりも、全体的な歌い方の方向性を先に決めることが大切です。
例えばウィスパーボイスという歌唱方法で全体を柔らかく歌い上げる、あるいはミックスボイスという歌唱方法を活かして力強さと繊細さを使い分ける、といった大きな方向性を先に決めると、細かいテクニックの入れどころも自然と見えてきます。
この「方向性」の引き出しを増やすためにも、質問者さんがおっしゃっている通り、様々なジャンルのアーティストの歌を聴くことはとても効果的です。
ただ聴くだけではなく、「この人はなぜここでこういう歌い方をしているんだろう?」と分析しながら聴くことで、感性や発想力はぐんと鍛えられていきます。
ボカロ曲の練習で意識したいポイント
ボカロ曲は音域が広く、テンポの速い楽曲も多いため、基礎的な歌唱力を底上げしておくことも重要です。
リズムトレーニングで正確なリズム感を身につけておくと、テンポの速いボカロ曲でも余裕を持って表現に集中できるようになります。
技術と感情表現、この両輪がそろったときに、ボカロ曲を自分だけのアーティスティックな作品として歌い上げることができるようになるのです。
焦らず一曲一曲と向き合いながら、自分なりの表現を磨いていってください。
また何かご質問があればお気軽にご連絡ください。
ボカロ曲の歌い方や表現力をさらに伸ばしたい方は、ぜひボイトレ無料体験レッスンもご活用ください。
プロのトレーナーが一人ひとりに合わせたアドバイスをお伝えいたします。

