楽な発声・高音発声について

高音発声トレーニング中の男性シンガーと「楽な発声・高音発声について」のタイトル画像

ボイストレーニングスクールのブラッシュボイスです。
今回はご質問を頂きましたので回答を差し上げていきます。

ご質問タイトル : 楽な発声・高音発声について
ハンドルネーム:ユヅ

17歳男です。
裏声感覚・裏声に近い地声(裏声には切り替えられる)と軽い地声感覚・声帯閉鎖の強い裏声は出せるようになりました。
しかしファーストブリッジ付近での発声が辛く、先ほどの地声から昇っていくと裏声に完全に切り替わってしまいます。
つまり、割合を徐々に変化させて裏声に繋げていくということができません。
これは単に声帯の状態がファーストブリッジを超えることに慣れていないということでしょうか。
もしそうであった場合、どのようなトレーニングが必要でしょうか。
長文で失礼いたしました。

回答

いわゆるブリッジ(声が意図せず裏声にひっくり返る現象)は、男女問わず以下のような発声状態に多く見られます。

  • 息を必要以上に多く使いすぎて発声している
  • 発声が横隔膜でしっかり支えられておらず、結果として声が小さい

やや大雑把な分類になりますが、経験上9割以上のケースはこのいずれか、もしくは両方の状態に該当しています。

また、ブリッジが起こりやすい音域の目安としては、男性でE4~G4、女性でG4~B4あたりと感じています。

これは多数の生徒を見てきた中で得た知見ですが、男性は発声時に息を過剰に使ってしまっているケースが多く、逆に女性は横隔膜での支えが弱いケースが多いと感じています。

したがってユズさんが男性であることを踏まえると、「息の使いすぎ」が原因の一つである可能性が高いと推測します。

参考までに、「息を少なく使っているボーカリスト」の典型例としてよくお伝えしているのが、Mr.Childrenの桜井和寿さんです。

彼のように息の量を抑えた発声をしていると、裏声は裏声でしっかりと鳴り、地声は地声としてクリアに発声されています。

もちろんこれはイメージの話にはなりますが、桜井さんのような発声を意識して音を出してみることで、
「硬くて少し尖った輪郭を持った声質」になりやすくなり、結果としてブリッジを起こさない発声に繋がる可能性があります。

具体的なトレーニング方法

まずは、桜井さんの発声をイメージしながらロングトーンの練習を行ってみてください。
そのうえで、20秒間しっかりと大きな声でロングトーンをキープできれば、息の量が適切に抑えられていると判断してよいかと思われます。

次に、低い音から高い音へと移行するスケール練習を行ってみてください。
その際にブリッジ(声のひっくり返り)が起こらなければ、それは一つのクリアの目安となります。

最後に

もし今後、また別の発声に関する疑問が出てきた際には、どうぞお気軽にご質問ください。

また、ブラッシュボイスでは体験レッスンも実施しておりますので、
直接アドバイスをご希望の方は、ぜひご来校いただき、レクチャーを受けてみてください。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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