こんにちは。
ブラッシュボイス代表ボイストレーナーの青木です。
「カラオケで高い曲を何曲か歌ったら、鼻が詰まって声が出なくなってしまった」——こうしたご質問を頂くことは少なくありません。
実際にレッスンの現場でも、同じお悩みを抱えている方はとても多くいらっしゃいます。
歌った後の鼻づまりには、ちゃんとした理由があります。そして、原因を理解して適切なケアや発声の見直しを行えば、改善が期待できるケースがほとんどです。
この記事では、高音を歌った後に鼻が詰まる原因と、歌う前後にできるケア・対策をお伝えしていきます。
高音を歌った後に鼻が詰まる——なぜ起こるのか
咽頭周辺の充血と粘膜の反応
カラオケで高い曲を続けて歌うと、喉から鼻にかけての粘膜が一気に活発に使われます。高音を出すときには声帯を強く閉じる力が必要になり、周辺の組織にも大きな負荷がかかります。
その結果、咽頭(喉の奥)から鼻腔にかけての粘膜が充血し、腫れたような状態になることがあるのです。
声帯の仕組みについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみて下さい。
声帯とは?構造と仕組み
この充血した状態がいわゆる「鼻が詰まった」という感覚の正体です。鼻そのものに異常があるわけではなく、歌うことで咽頭全体が一時的に炎症に近い状態になっていると考えて頂くと分かりやすいかと思います。
アレルギー体質との関係
もうひとつ見逃せないのが、アレルギー体質との関わりです。
もともと鼻炎やアレルギー体質をお持ちの方は、粘膜が刺激に対して敏感に反応しやすい傾向があります。歌うことによる刺激がきっかけとなり、アレルギー反応が誘発されて鼻水や鼻づまりが起こる——こうしたケースは珍しくありません。
実は私自身もアレルギー体質で、歌った後に鼻が詰まりやすいタイプです。ですので、同じ悩みを持つ方のお気持ちはよく分かります。
カラオケボックスやライブハウスの環境要因
カラオケボックスやライブハウスの空気環境も、無視できない要因のひとつです。
換気が十分でない空間や、タバコの煙、ほこりっぽい環境は、粘膜にとって刺激になります。空気の質が良くない場所で長時間歌い続けると、粘膜の充血や鼻づまりが起こりやすくなるのは自然なことです。
歌った後の鼻づまりを防ぐための対策
歌う前のウォームアップが鍵
鼻づまりの予防として最も効果的なのは、歌い始める前にしっかりウォームアップを行うことです。
いきなり高い曲を全力で歌い始めると、準備ができていない喉や鼻の粘膜に急激な負荷がかかります。
ウォームアップのやり方としては、以下の方法がおすすめです。
- 低い音域からゆったりとハミングを行い、少しずつ音域を広げる
- リップロール(唇を「ブルルル」と振動させるエクササイズ)で喉の力みを抜く
- 軽い深呼吸で身体全体をリラックスさせてから歌い始める
こうした準備運動を5〜10分行うだけで、喉や鼻の粘膜への急激な負担をかなり抑えることができます。
腹式呼吸のやり方も合わせてチェックしておくと、呼吸の土台づくりに役立ちます。
曲の選び方と歌い方を工夫する
カラオケで何曲も続けて歌う場合は、曲順の工夫も大切です。
最初から高い曲を続けて歌うのではなく、まずは楽に歌える音域の曲から始めて、徐々に音域を上げていくのが理想的です。
また、力任せに声を出すのではなく、身体全体を使って声を支える意識を持つだけでも、喉や鼻への負担は変わってきます。声が鼻にかかりやすいと感じる方は、共鳴のバランスを見直すことも有効です。
歌声が鼻にかかる原因と改善法
こまめなうがいと水分補給
歌っている最中・歌った後のケアとして、こまめなうがいと水分補給はとても有効です。
うがいには喉や口腔内の汚れや刺激物を洗い流す効果がありますし、水分を摂ることで粘膜の乾燥を防ぐことができます。
- 歌の合間にこまめにうがいをする(水だけで十分です)
- 常温の水をこまめに飲む(冷たすぎるものは喉の筋肉を緊張させることがあります)
- 歌い終わった後にも丁寧にうがいを行い、喉をいたわる
歌った後はしっかり喉を休ませる
カラオケや練習の後は、意識的に声を使わない時間を作りましょう。
歌った直後の喉や鼻の粘膜は、運動後の筋肉と同じように充血し疲労しています。その状態でさらに大きな声で話したり歌ったりすると、回復が遅れてしまいます。
歌った後の数時間は静かに過ごし、水分をしっかり補給して下さい。帰宅後にもう一度うがいをするのも良い習慣です。
繰り返す場合や症状がひどい場合は耳鼻科へ
歌った後に毎回のように鼻づまりが起こる場合や、鼻づまりだけでなく痛みを伴う場合は、一度耳鼻咽喉科を受診されることをおすすめします。
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎など、もともとの体質や疾患が背景にある場合は、医師に相談して適切な対処をして頂くことが大切です。ボイストレーニングの範囲でできることには限界がありますので、気になる症状があれば専門の医師にご相談下さい。
体質が関係している場合でも、致命的なお悩みではありませんのでご安心下さい。適切なケアと発声の見直しを続けていけば、快適に歌える状態に近づけることは十分に可能です。
正しい発声を身につけることが根本的な予防になる
喉や鼻への負担を根本から減らすためには、正しい発声のフォームを身につけることが何よりも大切です。
力任せに高音を出す歌い方は、喉の周辺に大きな負担をかけます。腹式呼吸をベースにした安定した息の支えがあれば、喉に余計な力を入れずに高音を出せるようになり、歌った後の鼻づまりや喉の疲れも軽減されていきます。
正しい発声は独学だけではなかなか身につきにくい部分でもあります。客観的に自分の発声を見てもらうことで、改善のスピードは大きく変わります。
まとめ
最後に、この記事のポイントをまとめます。
- 高音を歌った後の鼻づまりは、咽頭周辺の粘膜の充血やアレルギー反応が主な原因
- 歌う前のウォームアップと、歌い始めの曲選びを工夫することで予防できる
- こまめなうがいと水分補給が、歌っている最中・歌った後のケアとして有効
- 症状が繰り返す場合や痛みがある場合は、耳鼻咽喉科への受診をおすすめ
- 正しい発声を身につけることが、喉や鼻への負担を根本から軽減する
歌った後の鼻づまりは、正しいケアと発声の見直しで改善が期待できます。同じお悩みをお持ちの方は、ぜひ今日からできることを試してみて下さい。
ブラッシュボイスでは60分の無料体験レッスンを実施しています。鼻づまりや喉の疲れが気になる方も、一度プロのトレーナーに発声をチェックしてもらうことで、具体的な改善の糸口が見つかるかもしれません。
株式会社ブラッシュボイス
代表取締役 青木

