ビブラートとこぶしの違い

    こんにちは。ブラッシュボイス・関東代表ボイストレーナーの立花香穂里です。
    歌う時に表情をつけるには色々な表現方法がありますが、音の強弱やアクセントで抑揚をつける他に、「ビブラート」や「こぶし」などがあります。

    カラオケの精密採点機能で採点ポイントになっているので意識して歌う方も多いかと思います。
    この「ビブラート」と「こぶし」、どちらも音を揺らす歌唱法ですが、今回はこの二つの違いについて書いていこうと思います。

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    ビブラートのやり方・かけ方やお悩み改善(かけられない できない 小刻み / ゆるやかなどの表現ができない など)についてはこちらのページもご確認下さい。
    ビブラートのやり方・かけ方、その練習方法やコツ まとめ

    ボイトレ簡単質問箱

    目次

    こぶしとはなにか。ビブラートとの違いは何か

    「ビブラート」と「こぶし」どちらも“音を揺らして歌う”という点では同じです。

    「ビブラート」は周期的な波で音を揺らす歌い方を言います。ビブラートをかけないで歌うのに比べると、波の周期を大きさを変えたり、音程の幅を変えることで様々なバリエーションで歌うことができます。

    フレーズの終わりのロングトーンでかけることが多い他、単語の中の一文字に細かくビブラートをかけて歌う方もいます。基本的には半音程度の音程の上下をさせながら声を揺らしていく歌い方です。

    一方「こぶし」は演歌や民謡などがイメージしやすいと思います。

    メロディーの中のある一音を歌う時に、その文字の母音を「あ(↓)あ(↑)あ(↓)~」という感じで一瞬で節をまわすような歌い方のことを言います。

    また歌の一音に装飾音をつけて節を回す歌い方は、演歌や民謡だけなく、ポップスの分野でもよく使われています。ポップスではこぶしをつけることで個性的な歌い方をすることもできます。

    適した音楽ジャンルや、参考になるアーティスト

    まず、演歌や民謡のジャンルで参考にしやすいアーティストの例を挙げてみたいと思います。

    沖縄出身の夏川りみさんはオリジナル曲を歌う時も沖縄民謡の歌い方が表れています。「涙そうそう」では、サビの「♪あめのひも~」の“あ”の部分のこぶしを取り入れて歌っているのがわかると思います。

    またはじめちとせさんのヒット曲、「わだつみの木」では奄美の民謡の歌唱法を取り入れていて、曲の中に細かく取り入れられています。地声と裏声を交互に使う点が特徴です。

    演歌歌手の方では多くの方がこぶしを取り入れて歌っていると思います。
    有名な曲の中で挙げるとしたら、石川さゆりさんの「天城越え」のサビの部分で「♪なにがあっても もういいの~」の“もう”の出だしの部分にかかっているのがわかります。

    ポップスのジャンルでは一青窈さんなどがわかりやすいと思います。
    一青窈さんの「もらいなき」にでてくる「♪君から もらいなき」の“ら”の部分、「ふたりぼっち」の“ぼ”の部分など細かくこぶしを取り入れています。

    こぶしのかけ方について(意識する体の部位や練習方法)

    こぶしは短い時間で喉を揺らす必要があるため、やわらかく喉をコントロールすることが必要になります。
    自分が参考にしたいアーティストの歌い方を参考に、ゆっくり練習してみましょう。

    横隔膜の状態

    息が漏れたり、不安定であるとこぶしをきれいに回すことが難しいです。

    横隔膜は歌に合わせてブレスコントロールできることが望ましいです。

    喉の状態…こぶしは短い時間に音を上下に転がします。こぶしをかけるにはまず音を上下させる練習からやってみるとよいと思います。

    練習方法としては、こぶしをかけたい音からゆっくり一音上の音へあげて、また元の音に戻ってみてください。音が途切れず滑らかに移動できるほうがよいです。

    ゆっくりできるようになったら少しずつスピードをあげて最終的に曲のテンポで歌えるようにします。また、ロングトーンを「あ」で発声してその途中に「あ(↓)あ(↑)あ(↓)~」と上下させるのをいれつつ声を出していきます。

    同じ高さの音を保ちつつ、途中にこぶしを自在に取り入れて歌えるように練習していくとよいと思います。

    腹筋の状態

    こぶしを滑らかに発声するには、のどで滑らかに音程を変えられるように下腹を中心に支えとして使えることが必要です。

    力強いこぶしをつけたい時は、腹筋だけでなく体幹を使ってしっかり声が出せるように練習するのも良いと思います。
    息のムラがないように一定にコントロールできるようにしましょう。

    顎の状態

    顎が固くなってしまうと細かい音の動きを滑らかにすることはできません。

    まっすぐ声を出す時と同様に顎はリラックスさせましょう。

    「ビブラート」と「こぶし」まとめ

    「ビブラート」と「こぶし」は一曲の中でこれらを自在に取り入れることができると歌い方にもバリエーションが増え、抑揚のついた歌い方ができるようになります。

    ブラッシュボイスでは、表情豊かに歌えるようにするため、ボイトレの中で実践的なレッスンをしていくことも可能です。
    ぜひ一度ボイトレ無料体験レッスンを受けてください。

    株式会社ブラッシュボイス/関東代表トレーナー立花

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