こんにちは。
ブラッシュボイス・関東代表ボイストレーナーの鈴木智大です。
今回は菅田将暉さんの歌についてのお話です。
菅田将暉さんと言えば演技のみならず歌でも活躍されている方です。
歌においてとても参考になる点があります。
それは表現力・緩急の付け方。
最初に歌を聴いた時、この緩急がうまいと思いました。
実はこの曲、私も歌ったことがありますが強弱がハッキリした歌なのです。
しかもコレをコントロールするのがなかなか難しい。
何かとんでもないテクニックを身に付けなければいけないのかと思われるかもしれませんがそんなことはありません。
ではどのようにすれば緩急を付けて歌うことが出来るのか。
2種類の声を使い分ける
菅田将暉さんの「さよならエレジー」という曲では、2種類の響きの声を使い分けています。
ウィスパーボイス
例えばAメロの部分は声は静かに入ります。この時は少し吐息混じりの声。低い声でささやくように発声するウィスパーボイスです。
これは単純に息を少し混ぜるようにして歌うだけで簡単に歌えます。まずはこのウィスパーボイスを使って歌唱しています。
ウィスパーボイスは柔らかい芯の無い声になり、「優しさ」「切なさ」「悲しさ」「静けさ」など情景を表現するのに向いています。
こちらの記事も参考にして下さい。
ウィスパーボイスのボイトレ記事一覧
芯のある強い地声の発声
そしてもう一つの声は芯のある強い地声の発声。これは話し声と同じような自然な声色でOK。
Bメロからだんだんと芯のある声を使っていき、サビでは完全に力強い声で盛り上げています。
Aメロとサビを聴き分けてみると力強さの落差が激しいです。
皆さんはこの緩急を付けて歌えていますか?自分の歌を録音して聴いてみると意外に歌えていなかったりするものなので是非練習してみて下さい。
また細かい部分も注目出来ると更に良いでしょう。
さらに細かい表現
例えばAメロに「その雲が 雨を降らせて」という歌詞があります。
この「降らせて」の「ら」の部分だけ少し力強く歌っているのがお分かり頂けますでしょうか?
逆に部分的に優しく歌うことで惹き付ける歌い方もあります。例えば「さよならエレジー」のサビの部分。
「舞い上がってゆけ いつか夜の向こう側」という歌詞があります。
この「いつか」の部分だけ少し吐息混じりで優しく歌っているのがお分かり頂けますでしょうか?
サビ部分なので「いつか」以外はある程度強めに歌い上げているので特に目立ちます。
このような部分的な緩急は菅田将暉さんに限りませんが、
特に表現力豊かなシンガーさんはより多く取り入れているように感じます。
歌を歌う上で大きな魅力になり得ますので是非試してみて下さい!
株式会社ブラッシュボイス
関東代表ボイストレーナー/鈴木 智大