今回は、King Gnuのボーカル、常田大希さん・井口理さんの『白日』の歌い方について解説します。
ギター・ボーカルの常田大希さんは少し独特なやや低い重みのある声が魅力的ですね。
ピアノ・ボーカルの井口理さんは軽やかで聞き手の心にスッと入ってくる高音が魅力的です。
このお二方のボーカルスタイルは対照的で、その融合がKing Gnuならではの魅力ではないでしょうか。
常田大希さんの歌い方について
常田大希さんは、ほぼ表声で発声していて低音域(チェストボイス)から中音域(ミドルボイス)をフレーズごとに響きのコントロールをしています。
チェストボイス
重みのある低音域は胸での響きが必要です。(チェストボイス)
チェストボイスの発声方法は、上咽頭での共鳴レベルは低く、意識しなければならない程ではありません。
胸で共鳴している状態を判断するためには、自分にとって低いと思う声を発声し、鎖骨部分や肋骨を手で押さえて確かめてみてください。
鎖骨や肋骨がビリビリと振動するのがわかればチェストボイスです。
この振動が強ければ強いほど、胸での共鳴が出来ている証拠です。
ここからさらに声が抜けるよう意識して発声することができれば尚良いです。
またチェストボイスは、発声時に胸式呼吸が混ざっても構いません。
但し息を吸うときは腹式呼吸でなければいけません。
腹式呼吸については下記にて詳しく解説しておりますのでご覧ください。
【ボイトレノウハウ1】歌唱における腹式呼吸の必要性とは? (図解あり)
ミドルボイス
ミドルボイスはチェストボイスに比べ、上咽頭での共鳴レベルが引き上げられます。
ミドルボイスについては、共鳴を行うことが大切ですので、下記の記事を参考にしていただければと思います。
ブレス
『白日』Bメロではブレスのタイミングが重要です。
常田大希さんは話すようなリズムで歌っています。
原曲を聴くとわかるように、Bメロ「ただしいことばかりいってらんないよな どこかのまちで」の部分はブレスがなく一息で歌っています。
息が続かなく苦しくなるという方は、ロングブレス・ロングトーンのトレーニングで息や声の状態を安定させましょう。
下記、ロングブレスとロングトーンについての記事になりますのでご存知無ければ是非ご一読下さい。
井口理さんの歌い方
井口理さんは、フレーズによって芯のあるファルセットとウィスパーボイスとの切り替えをしています。
『白日』Aメロではウィスパーボイスとファルセットの切り替えが何箇所も出てきますね。
ファルセットとウィスパーボイスについては、下記の記事にてやり方などを詳しく解説してあります。
エッヂボイス
さらにエッヂボイスをかけている箇所がいくつかあります。
エッヂボイスをかけることにより、切なさや懐かしさを表現することができます。
エッヂボイスについては下記にて方法を詳しく解説しています。
フォール
フォールとは、本来の音よりも低い音に滑らかにずり下げていくことです。
『白日』Aメロ「きらめいてみえ↓た↓としても」
この矢印のところにフォールをかけています。
難しい場合はテンポを遅くして練習して、そこから本来のテンポに戻していきましょう。
『白日』は全体的にリズムがハネています。
ドラムの音をよく聞き、このハネたリズムを感じ取ることが大切です。
『白日』に限らず、リズム感は歌唱をする際にとても大切です。
ですので、アーティストの真似をするときには声を真似るよりも、リズムやブレスを特に意識し真似して歌ってみてください。
リズムトレーニングは発声のできない環境でも行うことができますので是非行ってみてください。
各練習についてわからないことがありましたら、ボイストレーナーにご相談いただくことをオススメします。
ブラッシュボイスでは60分の無料体験レッスンも実施しておりますので、是非お気軽にお越しください。
ボイストレーニングスクール・ブラッシュボイス
ボイストレーナー/近藤京樺