皆様、歌を歌う事において腹式呼吸の必要性とは一体何だと思いますか?
歌に使われる腹式呼吸は無意識で行う
腹式呼吸は歌だけじゃなく、スポーツでも使われていますよね。
ヨガだったり、柔道だったり、自己啓発だったりもそうですね。
様々な分野で使われる腹式呼吸ですが、その中で一番難しい腹式呼吸方が歌に使われるものだと思います。
歌うという感情的な表現の中で腹式呼吸を無意識に行わなければならないからです。
無意識じゃないと歌を上手くなんて歌えるわけがありません。歌は基本的には心で歌うものだから…ライブなんかで腹式呼吸を意識するのはナンセンスなのです。
腹式を使えるようになるには練習の段階で100%で出来なくては実戦で活かすことは困難です。
勿論、練習してプロ並に出来る方もいらっしゃるかもしれませんし、それ以下の方もいらっしゃるかもしれません。でも、その人なりの100%を目指せば実戦で必ず活かせます。
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胸式呼吸と腹式呼吸の違い
さて、では腹式呼吸の練習方法はどうやるのか?ボイストレーニングの観点からしっかり順を追ってご説明させて頂きます。
腹式呼吸は難しいです。
それは普段の僕らが胸式呼吸に馴れているからです。
焦らず行きましょう。
まずは、胸式呼吸と腹式呼吸の違いをご説明します。
胸式呼吸
胸式呼吸とは読んで字のごとく…胸で呼吸すること。
胸には肋骨があります。胸式呼吸はこの肋骨を横に伸縮させる。
つまり【横の作用】なので横隔膜をあまり使いません。(ちなみに横隔膜は肺の下にあるだだっ広い固い膜です)
横隔膜が下から上に作用しないので、パンチのある空気は発せられず。声も響きません。
腹式呼吸
腹式呼吸は【縦の作用】の呼吸方法です。
おヘソの下を凹ませて、臓器を上に押し上げます。その反動で横隔膜も上にどーーんと押し上げられます。
横隔膜は固い筋肉で出来ている膜ですので、これが上に押し上がると肺が圧縮されます。この間、0.3もございませんのでパンチのある空気が一気に押し上げられるというワケです。
そこに声が乗ると輪郭のある良い声が出始めます。
腹式は【縦の作用】胸式は【横の作用】。この様にご理解下さい。
腹式呼吸は息を吸う時も縦の作用です。0.5秒という短いタイミングのブレスで無理なく相当量の息を吸う事が可能です。凹ませたお腹を元の形に戻すだけです。
臓器、横隔膜が元の形に当然戻りますが、この間は一瞬です。萎縮した肺も自然の作用で元の形状に戻ります。
だったら、息も勝手に入って来る、、、これが腹式呼吸のメカニズムなのです。
腹式呼吸のメリット
その他にも腹式呼吸のメリットは以下の通り…
- リズムの安定(お腹だけを動かすので身体がぶれない為)
- アタックの調整(胸式ではアタックが出てこない…アタックとは歌い出しのパンチの事)
- 上咽頭での共鳴(芯のある声を出す事や、音程を取るために共鳴は重要…息が緩い胸式では不可能)
以上の事から歌を歌う人が腹式呼吸をマスターする事は必要不可欠なのです。学校の授業で言えば体育的な要素がかなりありますので文面上ではなかなか習得するのは難しい呼吸方法になります。
腹式呼吸は専門のボイストレーナーに学ぶ事をおすすめ致します。
ご質問などは随時受け付けておりますので、ご質問フォームよりお寄せ下さい。