B’z/稲葉浩志さんの歌い方

皆さん、こんにちは。
ブラッシュボイス、ボイストレーナーの青木亮です。
本日はB’z/稲葉浩志さんの歌い方について検証してみようと思います。

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目次

B’z/稲葉浩志さんの歌い方

稲葉浩志さんの歌い方の特徴はやはりシャウト。
シャウトという特徴もありますが、ピッチも正確で全盛期などは完ぺきなロックボーカリストであったと考えます。
決して悪い意味ではありませんが、現在は年齢的に高い声が出し辛くなって来たというのもあり、声に太さが加わり、シャウトは健在ですが歌い方と言うか、声質に変化が出て来たと感じます。
喉をケアする為に、喉を開いて歌っているのでそうなります。
逆に全盛期は少し喉を酷使する様な歌い方をしていたとも言えますが、稲葉浩志さんの場合はそもそも声帯が強いので耐えられたという所も多いにあるでしょう。

稲葉浩志さんのシャウトについて

さて、前述させて頂いている通り、稲葉浩志さんの特徴の一つであるシャウト。
皆さんはシャウトの出し方をご存じでしょうか?
所謂、「がなる」とは違いますよ。

シャウトの声区(せいく)の面での厳密な解説を致しますと、ミドルボイスとヘッドボイスの中間をかなり強めに腹式呼吸と共鳴を使って発声する事で成立します。
そう考えると、シャウトはミックスボイスに非常に近いものでもあると言えるのです。

ミックスボイスとは以前ご説明させて頂いた通り、表声とファルセットの中間の声です。
表声はミドルボイス。
ファルセットはヘッドボイスと声区では分けられているので、シャウトもミックスボイスの発声原理に近いと言う事が言いきれます。

ミックスボイスの出し方やお悩み改善(換声点が上手くいかない・声は出るが、弱々しいなど)についてはこちらのページもご確認下さい。
ミックスボイスの出し方のコツや練習方法まとめ

そもそもミドルボイスって何?
ヘッドボイスって?
という疑問が沸くかもしれませんが、こちらについて定義は以下です。
チェストボイスやスーパーヘッドボイスの定義もすべて一般社団法人日本ボイストレーナー連盟のボイストレーニングガイドラインから引用させて頂きます。

1:チェストボイス(低音)
話声(はなしごえ)の延長にある声区です。
声帯の全体が振動します。
男性ですと、低音域~中音域にかけてはこの声区に該当します。
いわゆる表声とも言います。
女性は低音があまり出せませんので、チェストボイスは現実的に難しいですが、女性も男性も下のド=C3以下はチェストボイスの音域と考えて良いでしょう。

チェストボイスの発声方法ですが、上咽頭での共鳴ではありません。
実は、少しは上咽頭でも共鳴が起こるのですが、実技的に意識しなければいけないほどではありません(座学としては必要な知識です)。
共鳴で意識しなくてはいけない場所は、チェストボイスと名前が付いているように『胸』です。
胸で共鳴させて発声するものがこのチェストボイスの特徴です。

さて、では脇の下に手を当てて下さい(肋骨を押さえて下さい)。
そして低音…自分がかなり低いと思う声を発声してみて下さい。
そうすると肋骨がビリビリと振動するのが分かると思います。
この振動が強ければ強いほど、胸での共鳴ができていると考えて頂いて結構です。
さらに声が抜けることを意識して発声して欲しいと思います。

チェストボイスは発声する時に胸式呼吸が混ざっても構いません(むしろ胸で共鳴させるので胸式でなければならないのです)。
ただし、息を吸う時は腹式呼吸です。

2:ミドルボイス(≒ミックスボイス)(中音)

男性の中音域~高音域にかけての表声です。
女性の場合も同じです。

発声方法はSession3の共鳴をそのまま行って頂ければ大丈夫ですので、ここでは説明を省略します。

ミドルボイスは男女問わずC3~C5ぐらいの音域で発する表声です。
音楽のジャンルではR&Bなどでミドルボイスをよく使います。
ただ、ミドルボイスに限ったことではありませんが、厳密に「これは○○ボイスです」という境界線はありません。
女性の場合は高音を発声している場合、自然とミドルボイスではなくミックスボイス(所謂ファルセットと表声の中間)になっているケースが多いです。
しかし、男性の場合はあまりそういったことはありません。
ロックではあまり見られない発声方法です。

3:ヘッドボイス (高音)

男性女性の超高音部(ファルセット)。
男性の場合はC5~G5ぐらいで、女性の場合はE5以上の音域が平均的に用いられます。
男性のカウンターテナー及び女性声楽家の中心的声区です。
一般的にはヘッドボイスは上咽頭への共鳴の比重がかなり高いです。
ウィスパー的な発声をしようとすることで、ヘッドボイスで息を多量に使用した場合はチェストボイスの延長のように聴かせることも可能です。

このヘッドボイスに関してもSession3を参照して頂ければ発声方法は理解できます。
「ミドルボイスよりもヘッドボイスの方が上咽頭への共鳴の比重が高い」と理解して下さい。

4:スーパーヘッドボイス・ホイッスルボイス (超高音)

医学的には声帯が離れてしまい、声帯の(縁―ふち―)カバー部分だけが振動している状態で発声している声、これをスーパーヘッドボイス・ホイッスルボイスといいます。
例えば現役のアーティストでは、Misiaやマライア・キャリーの超高音発声がこれに該当します。
完全に腹式呼吸での発声になり、男性にはほぼ不可能な発声方法ですがたまにカウンターテナーで出せる男性もいます。
力が絶妙に抜けている状態でなくては声になりません…少しでも喉が閉じていると成功しません。
一番良い練習方法は先ほども例えに出したMisiaやマライア・キャリーが歌っている映像を観ることです…力が抜けていることが確認できると思います。
女性は10人に1人ぐらいの可能性でスーパーヘッドボイスを出すことが可能なのですが、力を抜くことを
理解していないために出せないと思い込んでいます。
意外と出せる人は多いのに方法を知らないので出せない女性人口が多いのです。

以上です。
少々難しい内容になってしまいましたね。

でも、稲葉浩志さんの歌い方でのシャウトっていうのは、シャウトをボイストレーナーが生徒さんに説く場合にとても解り易く説明できる題材なんです。
ですので、今日は声区というものがあるというのをご理解頂き、さらにシャウトの発声方法もご理解頂くという事にしてみました。

もし。
解らない部分がございましたらお問合せからご質問頂くか、ボイトレ無料体験レッスンでご説明させて頂きます。

それでは、また。

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