歌声がかすれる・割れる原因と対処法|ボイトレで改善できるケースをプロが解説

    こんにちは。ブラッシュボイスです。

    「カラオケで1時間も歌うと声がかすれてくる」「高い音を出そうとするとガラガラした声になってしまう」「歌っているうちに声が割れてくる」——こうしたお悩みは、レッスンの中でも非常に多くいただくご相談です。

    歌声がかすれたり割れたりする症状には、必ず原因があります。そして原因の多くは、日々のボイトレや発声の意識を変えていくことで改善が期待できるものです。

    この記事では、歌声がかすれる・割れる原因を声帯の仕組みからていねいに解説し、具体的な改善トレーニングや日常生活での対策までを幅広くご紹介していきます。文章だけでお伝えすることには限界もありますが、改善のヒントを見つけていただけるよう心がけましたので、ぜひ最後まで読んでみてください。

    目次

    歌声がかすれる・割れる原因は「声帯」にある

    声帯の仕組みと声が出るメカニズム

    まず、なぜ声がかすれたり割れたりするのかを理解するために、声帯の基本的な仕組みを知っておきましょう。

    声帯は、喉の奥にある一対のヒダ状の組織です。呼吸をしているときは開いていますが、声を出すときにはこのヒダがぴったりと閉じ、そこに肺からの息が通ることで振動が生まれます。この振動が音となり、口や鼻の空間で共鳴して「声」として聞こえるわけです。

    声帯について詳しく知りたい方は、声帯についての解説記事もあわせてご覧いただくと、より理解が深まります。

    声帯がうまく閉じないと声がかすれる

    声がかすれる最も大きな原因は、声帯がきちんと閉じていないことです。声帯の閉じ方が不十分だと、隙間から息が漏れ出てしまい、クリアな声にならずかすれた音になります。

    例えるなら、口笛を吹くときの唇の形をイメージしてみてください。唇の形がしっかりできていないと、息が漏れてきれいな音が出ませんよね。声帯も同じ原理で、閉じ方が甘いとかすれた声になってしまうのです。

    声が割れる・ガラガラ声になるメカニズム

    一方、声が割れたりガラガラした音になるのは、声帯が過度に緊張していたり、腫れや炎症によって振動のバランスが乱れている場合に起こりやすい症状です。声帯が均一に振動できなくなると、雑音が混じったような割れた声になります。

    声帯に炎症が起きている場合は、まず声帯を休ませることが第一です。状態が長引くようであれば、医療機関への相談も検討してください。ここからは、日頃のボイトレや意識で改善が見込めるケースについてご紹介していきます。

    声がかすれる・割れる具体的な5つの原因

    声帯がうまく機能しなくなる原因は一つではありません。ここでは、レッスンの現場でもよく見受けられる代表的な5つの原因を挙げてみます。

    1. 声の出しすぎ(オーバーユース)

    声の使いすぎは、声がかすれる最も身近な原因です。長時間のカラオケ、ライブでのMCを含めた長時間の発声、仕事での声の酷使など、声帯を休ませずに使い続けると疲労が蓄積します。

    筋トレをし過ぎると筋肉が炎症を起こすのと同じように、声帯も使いすぎれば腫れて正常に閉じなくなり、かすれ声やガラガラ声につながります。

    2. 喉への力みが強すぎる

    歌うときに喉周りに過剰な力が入っている状態は、声帯に大きな負担をかけます。特に高い声を出そうとするときに、喉を締め上げるような力みが入ってしまう方はとても多いです。

    喉に力が入った状態で声を出し続けると、声帯は常に過度な圧力にさらされることになり、短時間でも声がかすれてしまいます。脱力と発声の関係については、脱力と発声についての解説記事で詳しく触れていますので、力みが気になる方はぜひ参考にしてみてください。

    3. 息の量やコントロールが不十分

    発声時の息の量がうまく調整できていないことも、声がかすれたり割れたりする原因になります。息を一気に吐きすぎると声帯に過剰な圧がかかり、逆に息が足りなければ声帯の振動が安定しません。

    とくに高音域では、必要以上に息を強く吐いてしまう方が多く見受けられます。息の量と声帯のバランスが崩れると、声にノイズが混じりやすくなるのです。

    4. 喉の乾燥

    声帯の表面は粘膜で覆われており、適度に潤っていることでスムーズに振動できるようになっています。乾燥した状態では、声帯同士の摩擦が大きくなり、振動が不安定になるため、声がかすれやすくなります。

    エアコンの効いた部屋で長時間過ごしたり、水分補給が不足していたり、口呼吸の習慣があったりすると、喉は想像以上に乾燥してしまいます。

    5. 声帯周りの筋力不足

    声帯の開閉や張りを調整しているのは、周囲の小さな筋肉群です。この筋力が不足していると、声帯を安定してコントロールすることが難しくなり、かすれやすい・割れやすい声になります。

    普段あまり声を出さない方や、歌を歌い始めたばかりの方は、この筋力が十分に発達していないことが多いです。

    声のかすれ・割れを改善するボイトレ法

    原因がわかったところで、ここからは具体的な改善トレーニングをご紹介していきます。自宅でもできるものばかりですので、少しずつ日々のトレーニングに取り入れてみてください。

    腹式呼吸で喉への負担を軽減する

    声のかすれや割れを改善するうえで、腹式呼吸の習得は最も基本的かつ重要なステップです。

    腹式呼吸が身についていないと、息のコントロールを喉周りの筋肉だけで行おうとしてしまいます。その結果、喉に余計な力が入り、声帯への負担が大きくなるのです。

    腹式呼吸のポイントをいくつか挙げてみます。

    • 息を吸うとき:お腹の下の方(おへその下あたり)がふくらむのを意識する
    • 息を吐くとき:お腹をゆっくり凹ませながら、一定の量で息を送り出す
    • 肩が上がらないように注意する(肩が上がると胸式呼吸になりがちです)

    「自分では腹式呼吸ができていると思っている」という方でも、実際に確認してみると喉や上半身に力が入ってしまっているケースは非常に多いです。客観的に見てもらうだけでも発見があることが多いので、気になる方はボイストレーナーにチェックしてもらうことをおすすめします。

    リップロールで声帯をウォームアップする

    リップロールは、声帯を安全にウォームアップできる万能なトレーニングです。唇を軽く閉じた状態で息を吐き、「ブルルル」と唇を振動させながら声を出すエクササイズです。

    リップロールには、以下のようなメリットがあります。

    • 声帯に過剰な圧力がかからないため、負担の少ない状態で発声練習ができる
    • 息の量を一定に保つトレーニングになる
    • 喉周りの余計な力みが抜けやすくなる
    • 音程のコントロール練習にも活用できる

    歌う前のウォームアップとしてリップロールを行うだけでも、声帯の準備が整い、かすれにくい声で歌い出すことができます。リップロールの詳しいやり方やコツについては、リップロールの解説記事で詳しくご紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。

    声帯周りの筋肉を鍛えるスケール練習

    声帯周りの筋肉を鍛えていくことは、かすれにくく安定した声を手に入れるためにとても大切です。おすすめのトレーニングは、自分の出せる範囲の低音から高音までをゆっくり行き来するスケール練習です。

    やり方はシンプルです。

    • 無理のない低い音から、ゆっくりと音を上げていく
    • 自分の出しやすい高さまで上がったら、そのまま低い音へ戻る
    • 「あー」「まー」など、発声しやすい母音や子音で行う
    • 力まずリラックスした状態を保つことが大切

    この練習によって、声帯周りの筋肉が低音から高音まで満遍なく伸び縮みするため、少しずつ柔軟性と持久力が鍛えられていきます。

    ただし、ジムでの筋トレと同じように、一度やっただけで劇的に変わるものではありません。毎日少しずつ続けていくことで、確実に声帯周りの筋肉が育ち、かすれにくい丈夫な喉がつくられていきます。焦らず根気強く取り組んでいきましょう。

    息の量をコントロールする練習

    声帯への負担を減らすためには、息のコントロール力を高めることも重要です。

    簡単にできる練習として、「スー」と無声の息だけを、できるだけ長く一定の量で吐き続けるトレーニングがあります。このとき、息の量がぶれないように意識してください。息が安定してくると、声帯に過不足のない息を送れるようになり、かすれにくい発声につながります。

    もう一つは、ティッシュペーパーを壁にあてて、口からの息だけで一定時間落とさずにキープする練習です。遊び感覚でできますが、息を一定に保つ感覚をつかむには非常に効果的です。

    ハミングで声の響きを安定させる

    ハミング(口を閉じたまま「んー」と声を出す)も、声のかすれ改善に効果的なトレーニングです。ハミングは声帯を無理なく振動させつつ、共鳴のポイントを探る練習になります。

    鼻の奥やおでこのあたりに振動を感じられるように意識してみてください。喉だけで声を出そうとする癖が抜けやすくなり、結果的に声帯への負担が軽減されます。

    高い声でかすれる場合の対処法

    高音域で声がかすれやすい理由

    「低い声は大丈夫だけど、高い声になるとかすれてしまう」という方はとても多いです。これは、高音を出すときに声帯をより強く引き伸ばし、薄く振動させる必要があるためです。声帯周りの筋力や柔軟性が不足していると、高音域での声帯コントロールが不安定になり、かすれが出やすくなります。

    力で押し上げない意識が大切

    高い声を出そうとすると、つい「力で押し上げよう」としてしまいがちです。しかし、喉に力を入れて声を押し出すと声帯への圧力が一気に上がり、かすれや割れの原因になります。

    高音ほど力を入れるのではなく、むしろ力を抜いていく意識が大切です。お腹からの支えをしっかり使いつつ、喉はリラックスさせる——この感覚が身につくと、高音域でのかすれが大きく改善されることがあります。

    裏声を活用した練習

    高音でのかすれ改善には、裏声(ファルセット)を使った練習も有効です。裏声を出す際は声帯が薄く伸びた状態で振動するため、高音域の声帯コントロールを鍛えるのにぴったりです。

    裏声で歌える曲を使って練習し、慣れてきたら地声と裏声を交互に出す練習(いわゆる「声区の切り替え」)に挑戦してみてください。声帯の柔軟性が高まり、高い声でもかすれにくくなっていきます。

    歌っているうちにかすれてくる場合のチェックポイント

    「最初は大丈夫なのに、歌っているうちにだんだん声がかすれてくる」というパターンも非常に多いです。この場合、以下のポイントを見直してみてください。

    ウォームアップは十分か

    いきなり全力で歌い始めると、声帯がまだ十分に温まっていない状態で負荷がかかるため、疲労の蓄積が早くなります。歌う前にリップロールやハミングで5〜10分ほどウォームアップするだけでも、声の持続力が大きく変わることがあります。

    喉の力みに気づけているか

    歌に集中しているうちに、無意識に喉へ力が入ってしまうというケースはとても多いです。特に盛り上がるサビの部分や、感情を込めて歌うパートで力みが強くなりやすい傾向があります。

    意識するだけで変わることも多いので、歌っている最中に「今、喉に力が入っていないかな」と時折チェックする習慣をつけてみてください。

    選曲が自分の声に合っているか

    自分の音域を大きく超えた曲を無理に歌い続けていると、声帯には相当な負担がかかります。練習曲は、自分が余裕を持って歌える音域のものを中心にし、少しずつ範囲を広げていく方が、声帯を傷めるリスクを抑えられます。

    日常生活で気をつけたい喉のケア

    ボイトレでの改善と同じくらい大切なのが、日常生活での喉のケアです。歌う機会の多い方は、自分が「歌い手」であることを日常でも意識するだけで、行動が変わってきます。

    水分補給をこまめに行う

    声帯を潤った状態に保つためには、こまめな水分補給が欠かせません。特に歌う前後は意識して水分を摂るようにしましょう。冷たすぎる飲み物は喉の筋肉を収縮させることがあるため、常温の水や白湯がおすすめです。

    喉を乾燥させない環境づくり

    エアコンの効いた部屋や冬場の乾燥した空気は、喉のコンディションに大きく影響します。加湿器を使ったり、就寝時にマスクをしたりして、喉が乾燥しにくい環境を整えることも大切です。

    十分な睡眠を確保する

    身体が疲れていると、声帯の回復も遅くなり、疲労が蓄積しやすくなります。十分な睡眠をとることは、声帯を含む身体全体の回復に直結します。大切な歌の予定がある前日は、特に意識して睡眠時間を確保してください。

    タバコ・お酒の影響を知っておく

    タバコの煙は声帯の粘膜を直接刺激し、慢性的な炎症の原因になることがあります。お酒も、飲み過ぎると喉の粘膜が乾燥しやすくなります。歌を歌う方にとっては、これらの影響を知ったうえで、自分なりに付き合い方を考えてみることが大切です。

    声を使いすぎた日はしっかり休める

    長時間歌ったあとや、たくさん喋った日は、意識的に声を休ませる時間をつくりましょう。声帯も筋肉と同じで、使った後にはリカバリーの時間が必要です。「今日は声を使ったな」と感じたら、なるべく静かに過ごすことを心がけてみてください。

    声帯に負担をかけにくい歌い方のコツ

    声量は「喉」ではなく「お腹」で出す

    声を大きく出そうとすると、喉に力を入れてしまう方が多いのですが、声量のコントロールは喉ではなくお腹(腹式呼吸の支え)で行うことが理想的です。お腹からの息の支えがしっかりしていれば、喉をリラックスさせたまま十分な声量を出すことができます。

    無理に地声で高音を出し続けない

    地声で出せる限界を超えた音域を、力任せに出そうとし続けるのは声帯にとって非常に大きな負担です。裏声を上手に使ったり、地声と裏声のバランスを意識したりすることで、声帯への負荷を分散させることができます。

    歌う前のウォームアップを習慣にする

    先ほども触れましたが、ウォームアップなしでいきなり歌い始めることは、準備運動なしでいきなり全力疾走するのと同じです。リップロール、ハミング、軽めのスケール練習など、5〜10分でも良いのでウォームアップを行ってから歌い始めるようにしましょう。

    こんな場合は専門家に相談を

    ボイトレや日常のケアで改善が見込めるケースは多いですが、以下のような場合は、そもそもの原因が異なる可能性があります。

    • 声のかすれが2週間以上続いている
    • 声を休めても改善しない
    • 喉に痛みや違和感が強い
    • 声が出にくくなるのが急に起こった

    こうした場合は、医療機関(耳鼻咽喉科)の受診を検討してください。声帯結節やポリープなど、トレーニングだけでは対処が難しいケースもありますので、無理に自己判断で対処し続けないことも大切です。

    まとめ:かすれない声は正しいトレーニングでつくれる

    歌声がかすれたり割れたりする原因は、多くの場合、声帯のコントロールや喉への負担のかかり方にあります。今回ご紹介したポイントをまとめると、以下のようになります。

    • 声のかすれ・割れは声帯の閉じ方や振動の乱れが原因
    • 腹式呼吸を身につけることで喉への負担を大きく減らせる
    • リップロールやハミングは声帯に優しいウォームアップとして効果的
    • 声帯周りの筋力は、低音〜高音のスケール練習で継続的に鍛えられる
    • 日常生活での喉のケア(水分補給・加湿・睡眠)も非常に大切
    • 高い声でかすれる場合は、力で押し上げず脱力を意識する

    「声がかすれるのは自分の声質のせい」と諦めてしまう方もいらっしゃいますが、正しい発声とトレーニングによって改善できるケースは非常に多いです。焦らず、一つずつ取り組んでみてください。

    ブラッシュボイスでは、歌声がかすれる・ガラガラ声になる・声が割れるなどのお悩みについても、原因の特定から改善トレーニングまでていねいにサポートしています。自分一人では分かりづらい喉の力みや息の使い方の癖も、トレーナーが客観的にアドバイスいたしますので、ぜひ一度ボイトレ無料体験レッスンを受けてみてください。

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