氷室京介(BOOWY)さんの歌い方 アクセントとフェードイン歌唱法について

こんにちは。
ブラッシュボイス・関東代表ボイストレーナーの鈴木智大です。

今回は氷室京介さんの歌についてのお話です。

氷室京介さんと言えば、BOOWYというビッグバンドのボーカリストとデビューされてから何十年も第一線で活躍されている一流ボーカリストです。

だからこそ唯一無二の歌の魅力が満載なのですが、今回はその歌の魅力の一部の歌唱技術についてボイトレの観点から解説していきたいと思います。

目次

アクセントを付ける際の子音の強調

アクセントを付ける時の子音をはっきりと強調することで氷室さんの味のある歌い方に近づけますが、それにはポイントがあります。

氷室京介さんの子音の発音は、日本語的と言うよりは英語寄りの発音です。

例えば「魂を抱いてくれ」という曲を例にします。
Aメロの「雨粒の中、街かげが回る」とありますが、「あまつぶ」の「つ」の音に注目すると、「tsu」の音より「tu」に近い発音をされています。

また、「中」の「か」は「K+A」で母音は「あ」ですが、「あ」と「え」の中間の音のように発音されています。たしかに氷室京介さんの歌を聞いているとどこか英語詞のようにも聞こえてきますね。

発音の仕方に意識を置くことで氷室さんのような歌が歌えるようになります。

フェードインという高等歌唱技術

もうひとつ、氷室京介さんの歌で注目すべき点があります。それはフェードインという技術。

言葉自体は聞いたことがあるという人は多いと思いますが、実際に歌のテクニックとして取り入れるということについてはあまり知られていないのではないでしょうか。小さなボリュームから大きなボリュームに変化させながら歌う技術のことです。

先ほど例に挙げた「魂を抱いてくれ」で言うと、Aメロの「雨粒の」の「ま」の歌い始めの部分。
また、次のフレーズの「まどろむきみの」の「ま」と「むきみの」の入り方に注目すると小音量から徐々に大きくなるのがお分かりいただけます。

一瞬なので分かりづらいと思いますが、フェードインを入れることで滑らかさや独特の雰囲気を作り出しているのです。氷室京介さんは、彼の個性としてフェードインを多く使ってらっしゃるように感じますが、一般の方が使い過ぎると場合によってはしつこくなってしまいやすいので注意です。

適度に入れるのであれば、特にバラードの雰囲気が映えますので是非試してみてはいかがでしょうか。

まとめ

大御所のボーカリストさんは、長年やっているだけあって勉強になる点は数え切れないほどあります。良いボーカル技術は真似から入ることで盗めることも多いので是非参考にしたいですね。

株式会社ブラッシュボイス
関東代表ボイストレーナー/鈴木 智大

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