こんにちは。
ブラッシュボイス・関東代表ボイストレーナーの鈴木智大です。
今回はエッジボイスについてお話ししていきます。
「エッジボイス」という言葉を聞いたことはありますか?歌手がフレーズの歌い出しで声を「ガラッ」と濁らせるように発声しているのを耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。エッジボイスは歌の感情表現を豊かにする重要なテクニックであり、正しく身につけることで歌唱力を大きくレベルアップさせることができます。
この記事では、エッジボイスの基本的な仕組みから具体的な出し方・練習方法、そしてミックスボイスとの違いまで詳しく解説していきます。
エッジボイスとは?
エッジボイスとは、声帯を閉じた状態から少しずつ息を通すことで生まれる、「ガラガラ」とした質感を持つ声のことです。「エッジ」には「縁」「切れ味」「鋭い感覚」といった意味があり、まさに声に鋭さや刺激的な質感を加えるテクニックです。
エッジボイスの詳しい定義や基礎知識については、エッジボイスとは?基礎から学ぶ発声テクニックの記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
歌の中では主にフレーズの歌い出しに使うテクニックとして活用されます。例えば歌い始めの言葉が「あ」であれば、「ぁ”」と少し声を濁らせて発音します。似たテクニックに「しゃくり」がありますが、しゃくりは本来の音より下の音程から歌い始める技法であり、エッジボイスとは仕組みが異なります。
エッジボイスの効果・メリット
エッジボイスを使いこなすことで、歌の表現力に大きな幅が生まれます。主な効果は以下の通りです。
①感情表現が豊かになる
切なさ・必死さ・悲しさなど、深い感情を声に乗せることができます。特にバラードやミディアムテンポの曲では、エッジボイスを加えることでフレーズに奥行きが生まれ、聴く人の心に響く歌唱が可能になります。
②声枯れしにくくなる
エッジボイスの練習は、声帯を適度に閉じるコントロール力を養うトレーニングとしても有効です。声帯閉鎖のバランスが良くなることで、長時間歌っても声が枯れにくくなる効果が期待できます。
③歌唱テクニックの引き出しが増える
エッジボイスを自在に使えるようになると、曲の雰囲気に合わせた細やかなニュアンス表現ができるようになります。感情表現ツールとしてのテクニックの幅が広がることで、歌全体のクオリティが向上します。
エッジボイスの出し方・練習方法
ここからは、エッジボイスの具体的な出し方と練習手順を解説します。
ステップ1:息を止めて喉を閉じる
まず息を止めた状態からスタートします。息を止めるということは、喉が閉じている(息の通り道が塞がっている)状態です。この「声帯がしっかり閉じた状態」を意識することが最初のポイントです。
ステップ2:少しずつ息を通す
喉が閉じた状態から、少しずつ息を通すようにゆっくり吐いていきます。このとき、舌根あたりで声が生まれるよう意識しましょう。力を入れすぎず、リラックスした状態で行うのがコツです。
ステップ3:ブツブツとした声を出す
正しくできると、「あ”あ”あ”あ”あ”・・・」とブツブツと途切れ途切れの声が出ます。この声が出せたらエッジボイスの基本は成功です。最初はゆっくりで構わないので、安定して出せるように繰り返し練習しましょう。
ステップ4:他の母音・子音でも練習する
「あ」で安定してエッジボイスが出せるようになったら、い・う・え・おなど他の母音、さらに子音を含む音でも練習してみましょう。最終的には、歌のフレーズの中で自然にエッジボイスを入れられるようになることが目標です。
エッジボイスとミックスボイスの違い
エッジボイスとミックスボイスは全く異なるものですが、定義を曖昧に捉えて混同している方も多いのではないでしょうか。それぞれの違いを整理しておきましょう。
エッジボイスは、前述した通り声帯を閉じた状態から行う発声テクニックで、声に鋭さや感情的なニュアンスを加えるために使います。
対してミックスボイスは、裏声(ヘッドボイス)の要素と表声(チェストボイス)の要素を融合させた歌唱方法です。ミックスボイスを使うことで高音域も優しく力強い雰囲気で歌い上げることができます。ミックスボイスの出し方のコツや練習方法については別記事で詳しくまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
また、ミックスボイスの土台となるヘッドボイス(裏声)の出し方も理解しておくと、より効果的にトレーニングを進めることができます。
エッジボイスとミックスボイスは併用することも可能で、ミックスボイスで歌いながらフレーズの入りにエッジボイスを加えることで、歌の雰囲気が何倍も魅力的なものになります。
ただし、エッジボイスはとても目立つ歌唱テクニックであるため、使い過ぎるとしつこい歌になってしまう点には注意が必要です。あくまで「ここぞ」というポイントで効果的に使うことが大切です。
エッジボイスを歌に活かすためのポイント
エッジボイスやミックスボイスを使いたいという方の多くは、実際に歌の中で活用したいとお考えだと思います。上達のためのポイントをいくつかご紹介します。
プロの歌唱を研究する
エッジボイスやミックスボイスを使っているアーティストの曲(特にバラード系)を注意深く聴き、どのタイミングで・どのようなニュアンスで使っているかをチェックしてみましょう。最初は見よう見真似から入ってみるのも良い練習方法です。
録音して客観的に聴く
自分の歌を録音して聴き返すことで、エッジボイスの加減やタイミングが適切かどうか確認できます。使いすぎていないか、自然に聴こえるかなど、客観的な視点でチェックする習慣をつけましょう。
ボイストレーナーに相談する
エッジボイスは声帯の使い方が重要なテクニックです。独学だけでは正しいフォームが身についているか判断が難しい場合もあります。ブラッシュボイスでは、エッジボイスやミックスボイスなどのテクニックを基礎から丁寧に指導しています。気になる方はぜひボイトレ無料体験レッスンをご利用ください。
まとめ
エッジボイスは、声帯を閉じた状態から息を通すことで生まれる、歌に感情的な深みを加えるテクニックです。正しい練習を重ねることで、切なさや力強さといった感情表現が豊かになり、声枯れ防止にも役立ちます。
ミックスボイスやヘッドボイスとの違いを理解し、それぞれのテクニックを組み合わせて使えるようになると、歌唱力は飛躍的に向上します。まずは基本のエッジボイスの発声練習から始めて、少しずつ歌の中で活用できるようにステップアップしていきましょう。
株式会社ブラッシュボイス
関東代表ボイストレーナー/鈴木 智大
