ハスキーボイスの歌手と声の特徴|かすれた声の出し方をプロが解説

    こんにちは。ブラッシュボイスです。

    「ハスキーボイスに憧れるけど、どうやって出せばいいのかわからない」「自分のかすれた声がコンプレックスで、歌うのに自信が持てない」――こうした声を、レッスンの現場でとても多く頂きます。
    ハスキーボイスは唯一無二の魅力を持つ声質であり、歌の世界では非常に高く評価されているのですが、その魅力や出し方について体系的に解説された情報は意外と少ないのが現状です。

    この記事では、ハスキーボイスの特徴や仕組みから、具体的な歌手の紹介、出し方のコツ、実践的な練習方法まで、プロのボイストレーナーの視点から詳しく解説します。
    文章だけでは声の質感をすべてお伝えするのに限界がありますが、できるだけイメージしやすいようにまとめましたので、ぜひ最後まで読んでみて下さい。

    目次

    ハスキーボイスとは?声の特徴と仕組みを理解しよう

    ハスキーボイスの定義と基本的な特徴

    ハスキーボイスとは、息が混じった「かすれた質感」を持つ声のことです。
    医学的には「嗄声(させい)」に分類されることもありますが、音楽の世界ではその独特の響きが大きな武器になります。

    ハスキーボイスの代表的な特徴を整理しておきましょう。

    • 息が適度に混じったかすれた声質:透明感のある声とは対照的に、ざらつきや温かみのある質感が特徴です
    • 耳に残りやすい個性的な響き:一度聴くと忘れられないような印象を残します
    • 感情が乗りやすい:切なさ・色気・力強さなど、感情表現と相性がとても良い声質です
    • 中低音域で特に魅力が際立つ:地声の成分が多い音域でハスキーさが一層引き立ちます

    風が窓の隙間を通り抜けるとき、「ヒュー」と独特の音が鳴りますよね。ハスキーボイスも同じように、声帯のわずかな隙間を息が通り抜けることで生まれる「空気感のある声」だとイメージして頂くとわかりやすいかもしれません。

    ハスキーボイスが生まれる仕組み

    少しだけ声の仕組みについて触れさせて下さい。

    通常の発声では、声帯がしっかり閉じて振動することでクリアな声が生まれます。一方、ハスキーボイスでは声帯が完全に閉じきらず、わずかな隙間がある状態で振動するため、息漏れが生じてかすれた質感になります。

    これは身体の個性として生まれつきそうなっている方もいれば、トレーニングによって意図的にコントロールできるようになる方もいます。
    どちらが良い・悪いということではなく、声帯の閉じ具合のバリエーションの一つとして捉えて頂ければ大丈夫です。

    ハスキーボイスと他の声質の違い

    ハスキーボイスと混同されやすい声質があるので、ここで整理しておきましょう。

    声質 特徴 ハスキーボイスとの違い
    ハスキーボイス 息が混じったかすれた声
    ウィスパーボイス ささやくような歌唱方法 意図的に息を多く混ぜる歌唱方法であり、声質そのものではない
    エッジボイス 「あ゛あ゛」とガラガラ鳴る声 声帯を強く閉じた状態。ハスキーは逆に隙間がある
    ブレスィーボイス 息成分が多い柔らかい声 ハスキーに近いが、かすれの質感がやや異なる

    特にウィスパーボイスは歌唱方法であり、ハスキーボイスという声質とは性質が異なります。ハスキーボイスの持ち主がウィスパーボイスで歌うと、さらに独特の色気が出るのも面白いところです。

    ハスキーボイスの歌手を男女別に紹介|かすれた声が光るシンガーたち

    男性のハスキーボイス歌手

    まずは男性のハスキーボイス歌手をご紹介します。いずれも、かすれた声を最大限に活かして独自の世界観を作り上げているアーティストです。

    西川貴教さん(T.M.Revolution)
    パワフルなハイトーンとハスキーな質感を兼ね備えた、唯一無二のボーカリストです。「HOT LIMIT」「INVOKE」などの楽曲では、声のかすれ具合が曲のエネルギーと見事にマッチしています。力強さと色気が共存するハスキーボイスのお手本と言えるでしょう。

    稲葉浩志さん(B’z)
    日本を代表するロックボーカリストの一人。ハスキーさの中に芯のある力強い声が最大の特徴で、バラードからハードロックまで幅広い表現を実現しています。「LOVE PHANTOM」などでの高音のシャウトは、ハスキーな質感があるからこそ聴く人の胸に突き刺さる迫力を生んでいます。

    玉置浩二さん
    ハスキーな声質と繊細な感情表現の融合が見事なアーティストです。「田園」「メロディー」などの名曲では、かすれた声の中に温かみと哀愁が感じられ、多くのリスナーの心を掴んでいます。声のかすれ具合をそのまま表現力に直結させている好例です。

    ATSUSHIさん(EXILE)
    甘くハスキーな声質で知られるボーカリスト。バラードでのウィスパーに近い歌唱方法とハスキーボイスの相性が抜群で、「道」「Ti Amo」などでは声のかすれが切なさを何倍にも増幅させています。

    女性のハスキーボイス歌手

    続いて女性のハスキーボイス歌手をご紹介します。女性のかすれた声には、男性とはまた違った魅力があります。

    AIさん
    パワフルでソウルフルなハスキーボイスの代表格です。「Story」「ハピネス」などの楽曲では、ハスキーな声質がストレートな感情表現と結びついて、圧倒的な説得力を生んでいます。特に中低音域の温かみのある響きは、ハスキーボイスならではの魅力です。

    JUJUさん
    大人の色気を感じさせるハスキーボイスが特徴的なアーティスト。「やさしさで溢れるように」「Hello, Again~昔からある場所~」などのカバー曲でも、原曲とはまったく異なる世界観をハスキーな声質で作り上げているのが印象的です。

    中島美嘉さん
    「GLAMOROUS SKY」「雪の華」など、ロックからバラードまでこなす実力派。ハスキーな声に儚さと力強さが同居しているのが大きな魅力で、声のかすれ具合がそのまま楽曲の世界観を形作っています。

    Superfly(越智志帆さん)
    圧倒的な声量とハスキーな質感を持ち合わせたボーカリスト。「愛をこめて花束を」「タマシイレボリューション」などでは、声のざらつきがロックのエネルギーを何倍にも増幅させているのがわかります。

    ハスキーボイスの歌手に共通する3つの特徴を分析

    声の「かすれ」を最大の武器に変えている

    ここまでご紹介したハスキーボイスの歌手には、いくつかの共通点があります。

    まず一つ目は、声のかすれをコンプレックスではなく最大の武器として活かしている点です。
    クリアな声では表現しにくい「哀愁」「色気」「生々しさ」を、ハスキーな声質そのもので表現しています。水彩画のにじみが独特の美しさを生むように、声のかすれが音楽に深い味わいを加えているわけです。

    息のコントロールが非常にうまい

    二つ目は、息の量や流し方のコントロールが極めて上手であるということ。
    ハスキーボイスは息が漏れやすい分、ブレスコントロールが雑だとただの「息切れした声」に聞こえてしまいます。プロのハスキーボイスシンガーは、「どこで息を流し、どこで声の芯を出すか」を曲の中で巧みにコントロールしています。

    ホースの先を指で押さえると水の勢いが変わるように、息の通り道の開き具合を微調整することで、かすれの強弱を自在に操っているのです。

    声質に合った選曲と表現方法を理解している

    三つ目は、自分の声の特徴を深く理解したうえで、それが活きるジャンルや表現方法を選んでいる点です。
    無理にクリアな発声を目指すのではなく、ハスキーな声質だからこそ映える楽曲や歌い方を追求していることが、大きな成功につながっています。

    ロック・バラード・R&Bなど、ハスキーボイスが映えるジャンルは実はとても幅広いのです。自分の声質に合うジャンルを見つけることも、歌を楽しむうえで大切なステップだと思います。

    ハスキーボイスの出し方|かすれた声を作る基本練習

    大前提として:無理に声を枯らすのは絶対にNG

    ここから実際のハスキーボイスの出し方と練習方法を解説しますが、最初に大切なことをお伝えします。

    ハスキーボイスを出そうとして無理に声を枯らすような練習は絶対にやめて下さい。喉を痛めるリスクが高く、回復にも時間がかかります。
    あくまで「声帯の使い方のバリエーションを増やす」という意識で取り組むことが重要です。もし練習中に喉に痛みや違和感が出たら、すぐに中断して下さい。

    STEP1:息を多めに流して「かすれ」の感覚をつかむ

    ハスキーボイスの出し方の第一歩は、「息混じりの声」を出す感覚をつかむことです。

    1. まず普通に「はーっ」と温かい息を吐いて下さい(声は出さなくてOK)
    2. その息の流れを止めずに、少しだけ声を混ぜてみましょう
    3. 「ため息に声が乗った」くらいの感覚がちょうど良いバランスです

    冬の寒い日に手を温めるように「はぁー」と息を吐く、あの感覚の延長線上にハスキーボイスのヒントがあります。声を「出す」というよりも、息の流れの中に声を「そっと乗せる」イメージを持って下さい。

    この段階では「ほとんど息で、ほんの少しだけ声」で構いません。息と声の割合を少しずつ変えながら、自分にとって心地よい「かすれ具合」を探っていきましょう。

    STEP2:腹式呼吸で安定した息の土台を作る

    ハスキーボイスは通常の発声よりも息を多く消費します。そのため、安定した息の供給源として腹式呼吸のマスターが不可欠になります。

    胸ではなくお腹の底から息を送り出す感覚を身につけることで、長いフレーズでも息切れせずにハスキーな声質を維持できるようになります。
    風船を膨らませるときにお腹に力が入る感覚を思い出して下さい。あの「お腹から息を押し出す感覚」が腹式呼吸の基本です。
    腹式呼吸の詳しい練習方法については、こちらの記事で解説しています。
    腹式呼吸の練習方法について詳しく見る

    ハスキーボイスの出し方を磨く応用練習とコツ

    ハミングで声帯の脱力を覚える

    ハスキーボイスを自然に出すためには、喉まわりの余計な力を抜くことが非常に大切です。力んだ状態で息を流そうとしても、かすれた声ではなくただの「喉を絞めた声」になってしまいます。

    ハミング(鼻歌)の練習は、声帯に最小限の負担で振動の感覚をつかむのに最適なトレーニングです。
    力みなく「んー」と鳴らす練習を続けると、喉の脱力感が身についてきます。この脱力した状態で息を多めに流すと、自然なハスキーさが生まれやすくなります。
    ハミングの練習方法について詳しく見る

    裏声との切り替えで表現の幅を広げる

    ハスキーな地声と澄んだ裏声を使い分けられるようになると、歌の表現力が一気に広がります
    サビで力強いハスキーボイスを出し、Bメロでは柔らかい裏声に切り替える――こうした声質の変化が楽曲にドラマチックな起伏を生みます。

    先ほどご紹介した歌手たちも、一曲の中でハスキーな声と裏声を巧みに使い分けていることが多いです。声質の「コントラスト」を意識することで、ハスキーボイスの魅力はさらに引き立ちます。
    裏声の出し方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
    裏声(ファルセット)の出し方について詳しく見る

    曲の中で「かすれ具合」を意図的にコントロールする

    ハスキーボイスが上手な歌手に共通しているのは、一曲を通してずっと同じかすれ具合で歌っているわけではないということです。

    静かなパートではかすれを強めに出して繊細さを演出し、サビでは声帯をやや閉じ気味にして芯のある声にする。この「かすれのグラデーション」を意識することが、ハスキーボイスを最大限に活かすポイントです。

    蛇口を少しずつひねるように、息の量と声の芯のバランスを細かく調整するイメージで練習してみて下さい。最初は極端でも大丈夫です。「思いきり息を混ぜたかすれ声」と「芯のあるクリアな声」を交互に出す練習から始めて、徐々にその中間のグラデーションを埋めていきましょう。

    低音域でのハスキーボイスを特に磨きたい方は、こちらの記事も参考になります。
    低い声の出し方について詳しく見る

    ハスキーボイスに関するよくある悩みと対処法

    「ハスキーな声がコンプレックスです」

    レッスンでもとても多く頂くお悩みです。特に日常会話で声がかすれがちな方は、「聞き取りにくいと思われているのでは」と不安を感じやすいようです。

    しかし、先ほどご紹介したように、日本の音楽シーンで高い人気を誇る歌手にはハスキーボイスの方が非常に多いのです。西川貴教さん、AIさん、中島美嘉さん――トップアーティストの中にハスキーボイスの持ち主がこれだけいるという事実が、ハスキーボイスの価値を何よりも証明しています。
    あなたの声の「かすれ」は、トレーニング次第で大きな武器に変わる可能性を秘めています。コンプレックスに感じる必要はまったくありません。

    「ハスキーボイスを出そうとすると喉が痛くなる」

    これは無理に声を枯らそうとしているサインです。喉に力を入れてかすれさせるのは間違ったアプローチですので、すぐに中断して下さい。

    正しくは、喉をリラックスさせた状態で息を多めに流す方法です。力を入れて出すのではなく、力を抜いた結果として自然にかすれが生まれるという感覚が大切です。
    もし独学で痛みが出る場合は、プロのトレーナーに直接見てもらうことを強くおすすめします。発声のクセは自分では気づきにくいものですので、第三者の耳で確認してもらうことに大きな意味があります。

    「ハスキーボイスだと高音が出しにくい」

    ハスキーな声質の方は、声帯の閉鎖が弱めな傾向があるため、高音で声が抜けやすいと感じることがあります。

    この場合は、息の量を少し減らして声帯の閉鎖をやや強めにする練習が有効です。ハスキーな質感を残しつつ、声に芯を加えていくイメージです。
    無理に高音を張り上げるのではなく、中音域から少しずつ音を上げていく段階的な練習をおすすめします。急にサビの最高音を目指すのではなく、半音ずつ上げていくくらいの気持ちで取り組むと、着実に高音域を広げていけます。

    ハスキーボイスの特徴と出し方 まとめ

    この記事では、ハスキーボイスの特徴から歌手の紹介、出し方のコツ、練習方法まで詳しく解説してきました。改めてポイントを整理します。

    • ハスキーボイスは声帯の隙間から息が漏れることで生まれる、個性的で魅力的な声質
    • 男女問わず、日本の音楽シーンでハスキーボイスの歌手は高い人気を誇っている
    • 無理に声を枯らすのではなく、息を多めに流して自然なかすれを作るのが正しいアプローチ
    • 腹式呼吸・ハミング・裏声との使い分けが、ハスキーボイスを磨くカギ
    • かすれ具合のコントロールを覚えることで、歌の表現力が飛躍的に向上する

    ハスキーボイスはそれだけで強い個性であり、正しいトレーニングを積めば最大の魅力に変わります。
    ただし、文章だけでは発声の細かなニュアンスをお伝えするのに限界があるのも事実です。自分の声質に合った練習方法を知りたい方は、プロのトレーナーに直接指導を受けることで上達のスピードが大きく変わります

    ブラッシュボイスでは、一人ひとりの声質や目標に合わせたレッスンを行っております。
    ハスキーボイスを活かしたい方も、声のかすれに悩んでいる方も、ぜひ一度無料体験レッスンにお越し下さい。

    株式会社ブラッシュボイス

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