今回は、Official髭男dism(ヒゲダン)のボーカル、藤原聡さんの【Pretender】の歌唱についてボイトレの観点からお話し致します。
藤原聡さんの歌唱は、軽やかで抜けと伸びのある高音、ややハスキー感のある声質、圧倒的リズム感が主な魅力ではないでしょうか。
軽やかで抜けと伸びのある高音を中心にお話ししていきます。
この記事では下記の事が学べます。
- 藤原聡さんの歌い方は息のコントロールが必要である
- ミックスボイスや裏声(ファルセット)を取り入れよう
- その上でやるべきボイトレの練習方法
です。
では早速解説をしていきましょう。
Official髭男dism(ヒゲダン)のボーカル、藤原聡さんの【Pretender】の歌唱についてボイトレの観点から解説
軽やかで抜けと伸びのある発声には、まず発声の基本となる息のコントロールが必要になります。
息のトレーニングは、
- ドッグブレス
- ロングブレス
この2点が最適です。
ドッグブレス
ドッグブレスは、腹式呼吸を使って、吐いたり吸ったりする運動を「ハッハッハッ…」と、スタッカートで行う練習です。
※ドッグブレスと腹式呼吸については下記、過去の記事でも説明してありますので、そちらも合わせてお読み下さい。
ドッグブレスの効果と正しい練習方法
【ボイトレノウハウ1】歌唱における腹式呼吸の必要性とは? (図解あり)
息を吸って吐く一連の動作を1つとして、これを1秒弱の間に行います。
これを30秒ほど継続して練習します。
ドッグブレスはアタック(音の立ち上がり)の練習でもあるので、鋭い輪郭のある空気を吐くことが大切です。
このとき、全身の力みを取りながら練習しましょう。
ロングブレス
ロングブレスは、長く息を吐き続ける練習です。
ロングブレスを練習する際の注意点は
- 安定したブレない息を吐き続けること
- 歯と歯の間から漏れる、スーーという綺麗な音を出すこと
- 45秒以上息を吐き続けること
この3点です。
ロングブレスは声の安定感と高い声の張りの維持にも役立ちます。
発声の基本は息ですので、とても効果的な練習といえます。
ドッグブレスでのお腹の動きや、ロングブレスでの息の音など、なかなかわからないという方は、実際にボイストレーナーにレッスンを受けてみる事をおすすめ致します。
藤原聡さんの高音での軽やかさと抜け、伸びのある発声には、やはり共鳴が必要不可欠です。
共鳴とは、部屋で発声する場合部屋の四隅まで、それから自分の頭の中もすべてが共に鳴り振動している状態です。
共鳴についても過去の記事で詳しく説明していますので、そちらをご覧いただければと思います。
ミックスボイス、ファルセットを習得しよう
藤原聡さんは、歌唱の中で
- 表声
- ミックスボイス
- ファルセット
を、フレーズごとに自在にコントロールしています。
低音域~中音域は表声での発声をしています。
藤原聡さんは普段の話し声が高めの音域ですので、歌唱の際も高めの音域まで表声で発声しています。
中音域~高音域はミックスボイスという歌唱方法を使って発声しています。
ミックスボイスは、腹式呼吸で先程お話した共鳴した声(正しい発声方法)に、胸式呼吸を3割程度混ぜる感覚で声を息っぽくします。
声と息のバランスが重要です。
これができるようになると換声点(表声と裏声の境目、声の切り替わるライン)がわからないようなミックスボイスの歌唱方法が徐々に身についてきます。
高音域ではファルセットという歌唱技術を使い発声しています。
ファルセットは、裏声とも言われます。
ジャンルによっては割と力の弱い声区とされていますが、弱々しいファルセットではマイクに乗らず声の抜けも感じられません。
そのためファルセットでも芯のあるパワーのある声を出すことも必要となってきます。
ファルセットの発声は、いかに力を抜くことができるかが重要です。
力みが生じてしまうと、抜けや伸びのあるファルセットは発声できません。
全身(喉、肩、顎周り、お腹周り)の力を抜き、裏声を出してみましょう。
これを、おへその下(丹田)をへこませ、一気に腹式で押し上げます。
高音のため、パンチのある空気が必要です。
輪郭のある鋭いパンチのある空気を出すためには最初にお話ししたドッグブレスの練習が有効的です。
裏声、ファルセットにつきましては過去記事も掲載しておきますので参考にお読み下さい。
どの発声も、どこかに力が入ってしまうとうまく発声できません。
力の抜き加減を知ること、そして息のコントロールを身につけることが、軽やかで抜けと伸びのある高音の発声に繋がります。
リズム感について
リズム感については、YouTubeにてOfficial髭男dism『Pretender』の歌唱方法を、リズムの観点からもブラッシュボイス所属ボイストレーナー/青木亮が完全解説&レクチャーしている動画がありますので、是非こちらもご視聴下さい。
リズムと音程は密接に関連しています。
リズムを理解せずして音程(楽曲の本質)を上手く修得するのは困難です。
Aメロからサビまでのリズムの変化をこの動画で詳しく解説しておりますので、是非チェックしてみて下さい。
もしかしたら、新しいポップスの聴き方のヒントも得て頂けるかもしれません。
基礎をしっかり身に着けられれば、歌唱の中で歌唱技術を自在に使いこなすことができます。
いずれのトレーニングも、やり方がわからなかったり、できているかの判断が難しい場合は是非お気軽に体験レッスンにお越しください。