こんにちは。ブラッシュボイス・ボイストレーナーの鈴木智大です。
今回は演歌の歌い方をテーマに、こぶしやビブラートのコツ、声の安定感を高める練習法、そして演歌に合うボイストレーナーの選び方まで詳しくお伝えしていきます。
「演歌が好きで歌っているけれど、こぶしがうまく入らない」「ビブラートが不安定で、プロのようなゆったりした揺れにならない」というお悩みは、レッスンの現場でも非常に多く頂きます。
演歌はポップスやロックとは異なる独特の表現技法が求められるジャンルですが、正しい練習を重ねることで着実に上達できます。
こぶしの入れ方やビブラートのコツ、演歌ならではの呼吸法や練習曲の選び方まで、できる限り丁寧にご紹介しますので、ぜひ最後までお読み下さい。
演歌に欠かせない「声の安定感」を身につけよう
演歌は声の土台がすべて
演歌を歌いこなすうえで最も大切なのは「声の安定感」です。
演歌はテンポがゆったりしている分、一つひとつの音の伸ばし方や揺れ方がはっきり聴こえます。ごまかしが効きにくいジャンルだからこそ、まずは声をまっすぐ安定して出せる力が必要になります。
具体的には、ロングトーンで一つの音を10秒以上ブレずに伸ばせることが一つの目安です。
声が途中で揺れてしまう方は、腹式呼吸のやり方を見直し、お腹の支えで声を出す感覚を身につけましょう。息の土台がしっかりすると、こぶしやビブラートといった技法も自然と安定していきます。
演歌ならではの呼吸のポイント
演歌ではフレーズの途中で息が切れてしまうと、情感が途切れて表現力が落ちてしまいます。演歌を歌うときは、ブレス(息継ぎ)の位置を事前にしっかり決めておくことが大切です。
練習のコツとしては、まず歌詞カードにブレス位置を書き込み、その位置以外では絶対に息継ぎをしないと決めて歌ってみて下さい。
加えて、息を吸うときは「お腹の底に空気を入れる」イメージで、ゆっくり深く吸うことを意識しましょう。演歌の長いフレーズを支えるには、浅い胸式呼吸では足りません。発声練習の目的と役割を理解したうえで、日頃から腹式呼吸を使った基礎練習を習慣にすることをおすすめします。
こぶしの入れ方とコツ
こぶしとは何か
こぶしとは、音を瞬間的に上下させて装飾する演歌特有の歌唱技法です。
楽譜には書かれていない「ニュアンスの動き」であり、これが入ることで演歌らしい味わいや情感が生まれます。
こぶしとビブラートは混同されがちですが、ビブラートが「持続的で規則的な揺れ」であるのに対し、こぶしは「瞬間的に入れる装飾音」です。詳しくはビブラートとこぶしの違いの記事で解説していますので、あわせてご覧下さい。
こぶしを入れる具体的な練習法
こぶしの練習は、まず「ド→レ→ド」のように隣り合った音を素早く行き来する動きを声に出すところから始めましょう。
具体的なステップは次の通りです。
ステップ1:ゆっくりと音を動かす
「あ〜あ〜あ〜」と、母音一つで「ド→レ→ド」の動きをゆっくり繰り返します。音程の上下がはっきり聴き取れるスピードで、正確に動かすことを最優先にして下さい。
ステップ2:スピードを上げる
音の動きに慣れてきたら、少しずつテンポを速めていきます。最終的には「一瞬で上がって一瞬で戻る」くらいのスピードを目指しましょう。
ステップ3:フレーズの中で入れてみる
慣れてきたら、実際の演歌のフレーズの中でこぶしを入れるポイントを決めて練習します。こぶしは入れすぎるとくどくなりますので、フレーズの語尾やサビの聴かせどころに絞って使うのがコツです。
こぶしを磨くためのおすすめ練習曲
こぶしの練習には、テンポがゆったりしていてこぶしの位置がわかりやすい楽曲が適しています。
たとえば「津軽海峡・冬景色」(石川さゆり)や「天城越え」(石川さゆり)は、こぶしの入れどころが明確で練習しやすい定番曲です。男性であれば「北酒場」(細川たかし)や「まつり」(北島三郎)もおすすめです。
プロの歌い方を研究するという意味では、演歌歌手の山内惠介さんの歌い方の記事も参考になりますので、ぜひチェックしてみて下さい。
演歌のビブラートを美しくかけるコツ
演歌のビブラートはゆったりと深く
ポップスのビブラートが比較的速く細かい揺れであるのに対し、演歌のビブラートはゆったりとした周期で、揺れ幅が深いのが特徴です。
1秒間に3〜4回程度のゆっくりした揺れを意識すると、演歌らしい情感のあるビブラートになります。
ビブラートにもさまざまなタイプがあります。自分に合ったかけ方を見つけるために、ビブラートの種類と特徴の記事もあわせてお読み頂くと理解が深まります。
ビブラートの具体的な練習方法
演歌向けのビブラートを練習する際は、次のような手順がおすすめです。
1. ロングトーンを安定させる
まずは「あー」と一つの音をまっすぐ10秒以上伸ばす練習をします。これがビブラートの土台になります。
2. お腹の動きで揺れをつくる
ロングトーンが安定してきたら、お腹を軽く押す・戻すという動きを加えて、声に揺れを生み出していきます。最初はゆっくりで構いません。
3. 自然な揺れに移行する
お腹の動きに慣れてきたら、意識的に押す動きを減らし、身体が自然に揺れる感覚を掴んでいきましょう。ビブラートは「かける」のではなく「自然にかかる」状態を目指すことが理想です。
さらに詳しい練習法を知りたい方は、以下の記事で体系的にまとめていますのでご活用下さい。
演歌の歌唱力を高めるボイストレーナーの選び方
演歌に理解のあるトレーナーを選ぶ
演歌の上達を目指す方にとって、ボイストレーナー選びはとても重要です。
ポップスやロック中心のトレーナーと、演歌の表現技法を理解しているトレーナーでは、指導のアプローチが大きく異なります。
こぶしの入れ方、しゃくりの使い分け、演歌特有の声の伸ばし方など、ジャンル固有の技法を具体的に教えてもらえるかどうかが上達スピードに直結します。体験レッスンの際に「演歌を中心に習いたい」と伝えたうえで、トレーナーのアドバイスが具体的かどうかを判断基準にすると良いでしょう。
自分の声質や目標に合ったレッスン
演歌と一口に言っても、求められる声質や技法は楽曲によってさまざまです。力強い声で歌い上げる曲もあれば、繊細な表現力が求められるしっとりとした曲もあります。
自分がどんな演歌を歌いたいのか、どこを改善したいのかを明確にしたうえで、一人ひとりの目標に寄り添ったレッスンをしてくれるトレーナーを選ぶことが大切です。
ブラッシュボイスの無料体験レッスン
ブラッシュボイスでは、演歌の歌唱技法にも対応したマンツーマンレッスンを行っています。
こぶしやビブラートの基礎から、声の安定感を高める呼吸トレーニングまで、お一人おひとりの課題に合わせた指導が可能です。
まずは無料体験レッスンで、ご自身の声の状態や課題を確認してみて下さい。
演歌の歌唱力をもう一段階引き上げたい方のご参加をお待ちしております。
