歌声を響かせるボイトレ方法|声量アップのコツをプロが解説

    こんにちは。ブラッシュボイス・関東代表ボイストレーナーの立花香穂里です。

    ボイトレのレッスンをしていて、よくこのようなご相談をいただきます。

    • バンドの音量に埋もれずに歌いたい
    • 人に何かを伝えたとき「え?」と聞き返されることが多いので改善したい
    • カラオケで伴奏に負けず、しっかり声を届けたい

    歌を歌うとき、声量を上げたり、声が通るようにするにはどのようなボイトレをすればよいのでしょうか。

    声量のある声というのは、ただ力任せに大きな声を出せばバンドやカラオケに負けずに歌えるというわけではありません。
    今回は「歌声を響かせるためのボイトレ」というテーマで、声量アップの仕組みから具体的な練習方法まで詳しくお話ししていきます。

    文章だけですとどうしてもお伝えしきれない部分もございますが、できる限り丁寧にご紹介していきますので、ぜひ参考にして頂ければと思います。

    目次

    響く声を目指すなら力任せに歌わないようにする

    声帯の仕組みと声量の関係

    人間の声を作っている声帯は、実はとても小さな器官です。
    長さにして約1.5〜2cm程度のこの声帯だけで、周りの音に負けないほどの声量を出すのはとても難しいことなのです。

    声帯は楽器で言う「リード」の役目をしています。
    リコーダーやオーボエなどのリード楽器を想像していただくとわかりやすいのですが、リードそのものを強く吹いても良い音は出ませんよね。声帯も同じで、力任せに使っても豊かな声量にはつながらないのです。

    力任せに出す声の問題点

    力任せに声を出そうとすると、次のような問題が起こりがちです。

    • 力を入れすぎて声がキンキンと細くなる
    • 力むことで強く息を吐きすぎてしまい、息が混ざったような声になる
    • 喉に過度な負担がかかり、すぐに声が枯れてしまう
    • 高音域で声がひっくり返りやすくなる

    このように、いくら頑張っても声量アップや豊かな歌声にはつながりません。
    むしろ喉を傷める原因にもなりかねませんので、力に頼る発声は早めに見直すことをおすすめします。

    声を響かせる感覚をつかむことが大切

    では、どうすれば力に頼らずに声量を出せるのでしょうか。

    ポイントは身体のいくつかの部分に「共鳴」させる感覚をつかむことです。
    共鳴とは、声帯で生まれた音が体内の空間(胸腔、口腔、鼻腔、頭部など)で増幅される現象のことを言います。

    共鳴の感覚がつかめると、声帯をリラックスした状態に保ったまま、響きのある声で歌えるようになります。
    共鳴についての詳しい解説はこちらの記事もあわせてご覧いただくと、より理解が深まるかと思います。

    歌声が響くポイントについて

    チェストボイス(胸声)の響き

    歌声が響くポイントはいくつかありますが、基本的な原則として、音が低いほど身体の下の方に響き、音が高くなるほど身体の上の方に響くようになります。

    まずわかりやすいのがチェストボイス(胸声)です。
    文字通り、胸のあたりに響きを感じる声のことですね。

    試しに胸のあたりに手を置いて、低めの声で「あー」と発声してみてください。
    胸のあたりがブルブルと振動するのがわかると思います。この振動こそがチェストボイスの共鳴です。

    チェストボイスがしっかり響いている状態では、声に厚みや温かみが加わります。
    低音域の安定感にもつながるので、まずはこの胸の響きを感じ取る練習から始めると良いでしょう。

    ヘッドボイス(頭声)の響き

    チェストボイスの逆で、高い方の声はヘッドボイス(頭声)といって、頭のてっぺんの方に抜けていく声です。

    ヘッドボイスを体感するには、いくつかの方法があります。

    • 頭の上の方に手を置いて、高い声を出してみる(振動を感じられることがあります)
    • 「HO〜HO〜」とフクロウの鳴き声のマネをするように高い声を出してみる
    • 口を軽く開けた状態で、柔らかく高い音を「ウ〜」と出してみる

    いわゆる「ソプラノ歌手のような声」がこのヘッドボイスにあたります。
    高音域で声を張り上げるのではなく、頭の上に向かって声を抜いていくイメージで出すと、喉に負担をかけずに高い声が出しやすくなります。

    ミドルボイスで低音と高音をつなぐ

    チェストボイスとヘッドボイスの両方の響きが感じられるようになったら、次のステップとしてミドルボイスの練習に進みましょう。

    ミドルボイスとは、チェストボイスとヘッドボイスの中間にある声のことです。
    低音域から高音域へ滑らかに移行するために非常に重要な役割を果たします。

    多くの方が苦手とする「換声点(声が切り替わるポイント)」をスムーズに乗り越えるために、このミドルボイスの感覚をつかむことがとても大切です。
    チェストボイスとヘッドボイスの間をうまくつなげる練習をすると、発声が格段に滑らかになります

    具体的には、低い音から高い音へゆっくりとスライドさせるように声を出す「グリッサンド」の練習がおすすめです。
    声がガクッと切り替わるポイントがあったら、そこがまさに練習すべきミドルボイスの領域です。

    歌声を響かせるための具体的な練習方法

    ハミングで共鳴の感覚をつかむ

    歌声を響かせる練習として、まず取り入れていただきたいのがハミングです。

    口を閉じた状態で「ん〜〜」と声を出すハミングは、声の響きが自然と鼻腔や頭部の空間に集まりやすくなります。
    つまり、共鳴のポイントを見つけやすい練習方法なのです。

    ハミングのやり方としては、以下の手順を意識してみてください。

    • リラックスした状態で口を軽く閉じる
    • 鼻から息を吸い、「ん〜」と低めの音から発声する
    • 鼻の奥や眉間のあたりにビリビリと振動を感じるか確認する
    • その振動を保ったまま、少しずつ音程を上下させてみる

    ハミングの詳しい練習方法については別の記事でも解説しておりますので、あわせてご覧ください。

    リップロールで喉の力みを取る

    声を響かせるためには、喉がリラックスしていることが前提となります。
    そこでおすすめなのがリップロールの練習です。

    唇を軽く閉じた状態で息を吐き、「ブルブルブル…」と唇を震わせながら声を出す練習方法ですね。
    リップロールは喉に余計な力が入っていると上手くできないため、自然と脱力した発声が身につきやすいのが大きなメリットです。

    リップロールができるようになったら、そのまま音程をつけて簡単なメロディを歌ってみましょう。
    普段、力んで歌っている方ほど、リップロール後に声を出すと「あれ、楽に声が出る」と感じていただけるはずです。

    母音の発声練習で響きを確認する

    ハミングやリップロールで共鳴の感覚がつかめてきたら、次は母音を使った発声練習です。

    「あ・い・う・え・お」の各母音について、それぞれ響きやすい位置が異なります。
    例えば「い」や「え」は比較的前方(鼻や眉間のあたり)に響きやすく、「お」や「う」はやや奥(頭部や後頭部)に響きやすい傾向があります。

    どの母音でも同じように身体に響きを感じられるようになることが、歌声の安定感につながるポイントです。

    歌声を響かせるときにさらに大切なこと

    響くポイントは一つだけではない

    歌声を響かせるポイントは、胸や頭だけではありません。
    他にも首の後ろ、前歯の裏側、眉間、鼻腔など、いくつかの場所で響きを感じることができます。

    最初は人によって自然と響きやすい場所とそうでないところがあると思います。
    まずは自分が感じやすい場所から練習を始めて、徐々に響きの範囲を広げていくのが効果的です。

    よく自分の声が体内に響いていることを感じ取れるようになると、ただ力任せで声を出さなくても自然と豊かな発声ができるようになっていきます。

    低音から高音まで声質を揃える

    各音程の響きがわかるようになってきたら、さらに「低音から高音まで声質を揃える」ということを心がけてみてください。

    これはとても大切なポイントなのですが、それぞれのところに響かせようとしすぎると、今度はかえって声がこもる原因になってしまったり、ピッチ(音程)が不安定になったりすることがあります。

    理想的なのは、低音でも高音でも「芯があって、かつ響きもある声」が出せる状態です。
    芯のある声の出し方については関連記事もございますので、参考にしてみてください。

    呼吸のコントロールも忘れずに

    声を響かせるうえで、もう一つ大切な要素が呼吸です。

    いくら共鳴のポイントがわかっていても、息のコントロールが安定していないと声の響きも安定しません。
    特に腹式呼吸をベースとした「支えのある呼吸」ができているかどうかで、声の安定感は大きく変わります。

    歌っているとき、フレーズの途中で息が足りなくなったり、逆に息を吐きすぎて声がかすれたりする方は、呼吸のコントロールを見直してみると良いでしょう。
    適切な息の量を一定に保ちながら声を出すことで、共鳴がより安定し、結果的に声量アップにつながります。

    声量が上がると歌がこんなに変わる

    バンドやカラオケで埋もれなくなる

    声が身体の各場所にしっかり響くようになると、今までよりも少ない息の量でより豊かな響きをもった声が出せるようになります。

    バンドの大音量の中でも自分の声がしっかり届く感覚は、歌っていてとても気持ちの良いものです。
    カラオケでも、マイクに頼りきりにならず、自分の声そのものが伴奏と調和して響くようになります。

    表現力の幅が広がる

    声が響くようになると、声量の「大小のコントロール」もしやすくなります。
    大きな声だけでなく、小さくても芯のある、聴く人に届く声が出せるようになるのです。

    これにより、楽曲の中で強弱をつけた表現ができるようになり、聴いている人の心に響く歌が歌えるようになっていきます。

    喉への負担が減り、長時間歌える

    力任せの発声をやめて共鳴を活かした歌い方が身につくと、喉への負担が大幅に減ります。
    ライブで何曲も続けて歌うときや、長時間のカラオケでも声が枯れにくくなるのは、歌が好きな方にとって大きなメリットではないでしょうか。

    まとめ|歌声を響かせるボイトレのポイント

    今回のポイントを整理すると、以下のとおりです。

    • 声量アップには力任せの発声ではなく、共鳴の感覚をつかむことが大切
    • チェストボイス・ヘッドボイス・ミドルボイスそれぞれの響くポイントを体感する
    • ハミングやリップロールなどの練習で、喉をリラックスさせながら共鳴を高める
    • 低音から高音まで声質を揃えることを意識する
    • 呼吸のコントロールを安定させることで、響きの安定感もアップする

    声を響かせるための身体の使い方は、文章でお伝えできる範囲にはどうしても限りがあります。
    ブラッシュボイスでは、お一人おひとりの声の状態に合わせて、まず声を響かせるための身体の使い方をつかむボイトレを行っております。

    声量を伸ばすにはどうしたらよいかとお悩みの方、ぜひ一度ボイトレ無料体験レッスンにお越しください。
    実際に声を出しながら、響きの感覚を一緒につかんでいきましょう。

    株式会社ブラッシュボイス
    関東代表ボイストレーナー/立花香穂里

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