高音発声で音程が安定しないときのボイストレーニング

    いつもボイストレーニング、お疲れ様です。
    今回は「低い音から高い音へ移るときに、高い音にピッチが届かない」というお悩みについて解説します。

    歌っていて低音から高音へ一気に跳躍するフレーズで、どうしても高い音がフラットしてしまう――そんな経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
    自分でもピッチが届いていないことは分かっているのに、なかなか改善できないというもどかしさは、ボイトレに取り組む方なら誰しも感じるものです。

    結論から言うと、高音にピッチが届かない主な原因は「腹横筋が正しく機能していないこと」と「共鳴不足」の2つです。
    この記事では、それぞれの原因を掘り下げながら、具体的な改善トレーニングの方法を詳しくご紹介していきます。

    目次

    高音にピッチが届かない2つの原因

    低い音から高い音へスムーズに移行できない場合、多くのケースで以下の2つが関係しています。

    第一の原因は「腹横筋の不活性」です。
    腹式呼吸で発声する際、腹横筋がきちんと作用していないと腹圧が十分に生まれません。
    腹圧が不十分だと横隔膜が効率よく上がらず、肺からの空気の押し出しが弱くなります。
    その結果、声に張りが出せなくなり、高い音域へピッチを持ち上げるための息のサポートが足りなくなるのです。

    第二の原因は「共鳴不足」です。
    実は共鳴不足も、根本をたどると腹圧の不足に起因していることが少なくありません。
    腹圧が弱いと声が上咽頭まで十分に届かず、共鳴のポイントを捉えきれないため、音が薄くフラットした印象になりがちです。

    つまり、腹横筋を正しく使えるようになることが、ピッチ改善の最も重要な鍵と言えます。

    腹横筋がピッチに影響するメカニズム

    おへそ周りの腹部の筋肉が凝り固まっていたり、まったく動かない状態になっていたりすると、腹圧が生じなくなります。
    腹圧が生じないということは、横隔膜が十分に上がらず、肺が適切に圧迫されないということです。

    その結果、勢いのある張りのある声が出しにくくなります。
    声に張りを出す発声ができなければ、高い音にピッチが届かないのはごく自然なことです。

    また、身体に余計な力みがあると腹横筋がうまく機能しません。
    発声時の脱力については脱力と発声の関係で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。

    腹横筋を使えるようにする具体的なトレーニング

    STEP1:仰向けで腹横筋のオン・オフを知る

    まず柔らかいマットを敷いて、床に仰向けに寝そべってください。
    寝そべったら、肋骨と骨盤の間にある横っ腹の部分を両手で押したり引いたりしてみましょう。
    この部分が腹横筋のある場所です。

    仰向けで完全にリラックスしている状態では、腹横筋は緩んでいます。
    これを「オフの状態」と呼びます。

    STEP2:足上げで「オンの状態」を体感する

    オフの状態から一気にオンにするために、寝そべったまま両足をほんの少しだけ上に持ち上げてください。
    床からの角度はおよそ10度程度で十分です。

    足を上げた状態で腹横筋の部分を押してみると、カチコチに固まっているのが確認できるはずです。
    この状態が腹横筋に力が入っている「オンの状態」です。

    STEP3:直立状態でオン・オフを使い分ける

    仰向けで掴んだ腹横筋のオン・オフの感覚を、直立した状態でも再現できるようにしていきましょう。

    コツとしては、まずオフの状態で直立します。
    そこから軽く咳払いをしてみてください。
    咳払いをすると腹横筋がグッと動くのが分かるはずです。
    これが腹横筋を使って息を吐いている状態です。

    普段はオフの状態をキープし、高い音を出すときや突発的に声を出す場面で一気にオンにする――この連動性を意識しながら発声練習を続けてみてください。

    腹横筋を使った共鳴トレーニング(ボイスポジション)

    腹横筋を使って腹圧を高めた状態で発声すると、声が上咽頭で共鳴しやすくなります。

    ボイスポジションを探す際は、男女問わず「え」の母音が共鳴を捉えやすい傾向にあります。
    腹横筋を意識しながら、比較的高めの声で「え」を発声してみましょう。

    ただし「え」が誰にとっても最適とは限りません。
    ボイスポジションとは、自分が最も発声しやすい母音で、最も声が響く(共鳴する)ポイントを見つけることです。
    男性の方であれば、C4からG4あたりの音域でどこか響くポイントを探してみてください。

    正確な音程感覚を養うためには、チューナーを活用したトレーニングも効果的です。
    チューナーを使った音程トレーニングの記事も参考にしてみてください。

    高音発声で喉が上がってしまう場合

    腹横筋と共鳴のトレーニングに取り組んでいても、高い音を出そうとすると喉仏が上がってしまい、声が詰まるような感覚になる方もいるかもしれません。
    喉仏が上がると喉頭の空間が狭くなり、共鳴がさらに得にくくなってしまいます。

    この症状に心当たりがある方は、喉仏が上がる原因と対策の記事で詳しい改善方法を解説していますので、ぜひチェックしてみてください。

    まとめ

    低い音から高い音へ移るときにピッチが届かない原因は、腹横筋の不活性と共鳴不足にあります。

    腹横筋のオン・オフを体感し、腹圧を高めた状態でボイスポジションを見つけてしっかり共鳴させる。
    この感覚を掴むことができれば、高い音にピッチが届きやすくなるはずです。

    まずは仰向けでの腹横筋トレーニングから始めて、徐々に直立状態でも同じ感覚を再現できるように練習を重ねてみてください。
    焦らず段階的に取り組むことが、確実な上達への近道です。

    ブラッシュボイスでは、腹横筋の使い方や共鳴トレーニングを含め、一人ひとりの課題に合わせたレッスンを行っています。
    高音のピッチにお悩みの方は、ぜひボイトレ無料体験レッスンで実際の改善法を体感してみてください。

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