高音発声で音程が安定しないときのボイストレーニング

いつもボイストレーニング、お疲れ様です。
今回は『低い音から高い音を発声するときに高い音に届かない』というご質問を頂きました。

結論から言いますと、原因として考えられるのは「腹式呼吸」で発声をする際に腹横筋がきちんと作用していない、と言うことが最も考えられます。
第二に考えられる事は「共鳴不足」です。

「腹式呼吸の腹横筋の使い方」と「共鳴不足」。
この2つが高い音に移る際にピッチが届かない原因ではないかと推察されます。

それでは詳しく解説していきます。

ボイトレ簡単質問箱

目次

高音にピッチが届かない

ハンドルネーム:中性洗剤
質問タイトル:高音にピッチが届かない
質問内容:

僕は歌っているときに、低い音と高い音が隣り合っている部分で、低い音が前にあってその後に高い音が来ると、高い音にピッチが届かないことがよくあります。
ピッチが届いていない事は自分でも自覚しています。
自覚しているんですが、それでも工夫してもなかなか改善される気配がありません。
どうすれば低い音から高い音に切り替わる際に、ピッチを届かせることができるのでしょうか?

腹横筋がピッチに関係する理由

実はおへそ周りの腹部が筋肉が凝り固まっていたり、全く動かなかったりすると腹圧が生じなくなります。
腹圧が生じないと言う事は、横隔膜が上がらず、肺が圧迫されない。
つまり、勢いの良い張りのある声が出なくなると言う現象が生じます。
声に張りを出せない発声方法ができないと、高い音にピッチが届かないのは普通によくあることです。
この次にご説明する「共鳴不足」と言うのも腹圧が足りないことによって生じます。

腹圧を高めるためには腹横筋を使えるようにならなくてはなりません

腹横筋を使えるようにする具体的な方法

腹横筋をどうやったら使えるようになるか。
まずは柔らかいマットを敷いて床に仰向けで寝そべってください。
寝そべったら、腹横筋部分を両手で押したり引いたりしてみてください。
肋骨と骨盤の間の横っ腹部分が腹横筋の存在する場所なのですが、仰向けで寝そべっている状態だと完全に腹横筋が緩んでいる状態を確認できます。
この状態をオフの状態と呼びます。

オフの状態から一気にオンにするためには、寝そべっている状態で両足をほんの少しだけ上にまっすぐ上げてください。
床からの角度としては上に向けて10度位で良いかなと思います。
足を上げた際に腹横筋を押してみるとかちこちに固まっているのを確認できるはずです。
この状態が腹横筋に力が入っているオンの状態です。

腹横筋のオンオフの状態を、直立している状態でもできるようにする。
普段はオフの状態。
高い音を出したり突発的に音を出す場合は、一気にオンの状態にする。
コツとしては、まずオフの状態を作って直立する。
そして咳払いをすると腹横筋がぐいぐい動くので、これが腹横筋を使って息を吐いている状態だと思っていただいて結構です。
この連動性を意識しながら、腹横筋を使いながら発声をすると良いと思います。

腹横筋を使った共鳴(ボイスポジションを探す)

腹横筋を使って腹圧を高めて発声すると、声が上咽頭で共鳴しやすくなります
ボイスポジションは男女関係なく、「え」の発声を行っている際に共鳴は捉えやすいので、「え」を腹横筋を使いながら発声してみましょう。
この時、比較的高い声で発声するとうまくいきやすいと思います。
ボイスポジションは自分が発声しやすい母音で、最も声が響く、つまり共鳴する音を探す(ポジションを見つける)と言うものなので、必ずしも「え」が誰にでも発声しやすいと言うことではありませんが、比較的「え」が共鳴しやすいので、ここではそのように書いてあります。
質問者様は男性のように思いますので、C4〜G4位の音でどこか響くポイントを見つけて発声してみてください。

まとめ

ここまで腹横筋と共鳴(ボイスポジションを探す)と言う点でピッチの改善方法を解説してきました。
腹横筋を使って腹圧を高め、ボイスポジションを見つけてしっかり共鳴させてみる。
この感覚を掴んだら、高い音にピッチが当たりやすくなるはずなので、試してみてください。

また何かご不明の点があれば、何でもご質問ください。
また今回は記事中に専門的な用語があると思いますが、ブラッシュボイスのサイト内で検索していただければ用語の解説も掲載されていますので、ぜひ検索してみていただけると幸いです。

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