力強い声の出し方|歌う時の脱力と発声のコツをプロが解説

    こんにちは。
    ブラッシュボイス・関東代表ボイストレーナーの鈴木智大です。

    突然ですが、歌を歌う時にしっかり力を抜けていますか?
    「もっと力強く歌いたいのに、声が弱々しくなってしまう」「高音になると喉が締まって苦しくなる」――そんな悩みを抱えている方は少なくありません。

    先に結論からお伝えすると、力強い歌声が出せないと感じている方の多くは、元々の声質のせいだと思い込んでいますが、それは違います。
    元々の声質で柔らかい声やまろやかな声というのはありますが、声の強さ・弱さは声質とは別の問題です。

    息づかいや発声の仕方次第で、力強い歌声は誰にでも出せるようになります。

    ところがボイトレのレッスンをしていても、力強く歌おうとすると無駄に力んでしまう方がとても多いのが現実です。
    今回は歌を歌う時の「力み」をなくし、「力強い声」をいかに楽に出せるかという点について詳しくお話ししていきます。

    脱力の技術はミックスボイスなどの歌唱方法にも直結する基礎技術ですので、ボイトレでレベルアップを目指している方はぜひ最後までお読みください。

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    目次

    力強い発声をするには、歌う時に脱力して歌うのが大事

    まず、力まない歌声を出すには、どの部分を脱力すれば良いのかという点を理解しなければなりません。
    力んでいる箇所を自覚できれば、そこから改善の道筋が見えてきます。

    脱力が必要な体の4つのポイント

    • ――高音を出そうとすると無意識に肩が上がり、首や喉周りに力が入ってしまいます
    • ――胸に力を込めると呼吸が浅くなり、息のコントロールが乱れます
    • ――顎を固めると口が十分に開かず、声がこもりやすくなります
    • ――舌の奥(舌根)に力が入ると喉頭が下がりにくくなり、声の通りが悪くなります

    歌っている時に力むのは当人のクセが一番大きいため、力み癖がある方は初めのうちは人一倍意識する必要があります。
    自然に歌っても力みが取れるまでは、意識して脱力を心がけましょう。

    力みをチェックする方法

    「力んでいる」と言われても、自分ではなかなか気づきにくいものです。
    以下のセルフチェック方法で、自分の力み具合を確認してみてください。

    鏡を使ったチェック

    鏡の前で歌い、以下の点を観察します。

    • 高音で肩が上がっていないか
    • 首に筋(すじ)が浮き出ていないか
    • 顎が前に突き出ていないか
    • 眉間にしわが寄っていないか

    これらの兆候が見られたら、その部分に無駄な力が入っている証拠です。

    録音を活用したチェック

    スマホのボイスメモなどで自分の歌声を録音し、客観的に聴いてみましょう。
    声が細くなっている箇所、急に音色が変わる箇所、声がこもって聞こえる箇所は、力みが原因であることが多いです。

    録音を使った練習方法について詳しく知りたい方は、録音で歌が上手くなるコツの記事もあわせてご覧ください。

    脱力のためのウォームアップ

    いきなり歌い始めるのではなく、歌う前にウォームアップで体をほぐすことが脱力への近道です。
    以下の手順を歌う前のルーティンにすることをおすすめします。

    1. 肩回しとストレッチ

    両肩を耳に近づけるように持ち上げて3秒キープし、一気にストンと落とします。これを5回ほど繰り返してください。
    肩甲骨を意識しながらゆっくり肩を前後に回すのも効果的です。肩周りの緊張がほぐれると、自然と首や喉の力みも軽減されます。

    2. 顎と舌のリラックス

    口を軽く開けて「あわわわわ」と顎を上下に小刻みに動かしてみてください。
    このとき顎が固まっていると動きがぎこちなくなります。滑らかに動くようになるまで続けましょう。

    舌については、舌先で上の歯の裏をなぞるように大きく円を描く運動が有効です。
    左右それぞれ10回ずつ行うと、舌根の力みが取れやすくなります。

    3. リップロールで脱力の感覚をつかむ

    リップロール(唇をブルブルと振動させながら発声する練習)は、脱力の感覚をつかむのに最適なウォームアップです。
    唇や顔の筋肉に余計な力が入っているとリップロールは続きません。つまり、リップロールがスムーズにできている状態=脱力できている状態と言えます。

    リップロールのやり方や効果について詳しく知りたい方はリップロールのやり方と効果の記事を参考にしてみて下さい。

    脱力しながら力強い声を出す発声トレーニング

    ウォームアップで体をほぐしたら、いよいよ発声トレーニングに入ります。
    脱力に加えて歌の基礎となる腹式呼吸と共鳴ができている前提のお話になりますので、まだ不安がある方は以下の記事もあわせて読んでみて下さい。

    【ボイトレノウハウ1】歌唱における腹式呼吸の必要性とは? (図解あり)
    【ボイトレノウハウ6】共鳴 (図解あり)

    力強い声の土台は「お腹から息を送り出し、共鳴を使って声を増幅させる」ことにあります。
    喉や肩で力んで声を押し出そうとするのではなく、腹圧で安定した息を送り、体の共鳴腔を活かすイメージです。お腹を使った発声についてはお腹から声を出すとは?の記事でも解説しています。

    母音のロングトーンで確認する

    自分の思う少し高めの音域で「あーーーーー」とロングトーンで発声してみて下さい。
    このとき、以下のチェックポイントを意識しましょう。

    • 息をたくさん吐きすぎていないか(吐きすぎると声が弱くなる)
    • 声がこもっていないか
    • 声が明瞭に聞こえているか
    • 声が細くなっていないか

    発声時はなるべく息を吐きすぎないように注意しましょう。
    息がもたなくなるだけでなく、声自体が弱々しくなってしまいます。
    そして声が細くなっている場合は、喉や顎が力んでいる可能性があります。

    こもり声や明瞭でない声については、声がしっかり前に出ていない可能性が高いです。
    声を当てるポイント(共鳴ポイント)を再度見直してみて下さい。

    脱力とミックスボイスの関係

    ミックスボイスは地声と裏声の良いところを合わせた歌唱方法ですが、ミックスボイスの習得において脱力は必須条件と言っても過言ではありません。

    ミックスボイスでは、地声の力強さを保ちながら高音域へスムーズに移行する必要があります。
    このとき喉や顎に力みがあると、地声と裏声の切り替えポイント(パッサッジョ)で声がひっくり返ったり、急に声質が変わってしまったりします。

    脱力ができていると声帯の柔軟性が保たれ、地声から裏声への移行が滑らかになります。
    つまり、今回お伝えしている脱力の技術は、将来的にミックスボイスなどの歌唱方法を身につけるうえでも大きな土台になるのです。

    実際に歌に活かすステップ

    発声トレーニングでうまく脱力できるようになったら、今度はそれを歌声に活かしていきます。

    まずはテンポがゆっくりで音域の広くない曲を選び、脱力を意識しながら歌ってみましょう。
    うまくいかなければ発声トレーニングに戻る、そしてまた歌ってみる。
    この「発声練習と歌の往復」を繰り返すことで、発声時の声と歌声の質感の差がなくなっていきます。

    歌いながら「今、肩が上がっていないか?」「顎を食いしばっていないか?」と自分に問いかける習慣をつけることも大切です。
    判断が難しい場合は、先ほどお伝えしたように録音して客観的に聴き返してみましょう。

    ※発声の声の質感の判断については、個人では難しい場合がほとんどです。
    できればボイストレーナーに判断してもらうようにしましょう。

    まとめ ~脱力は力強い歌声への第一歩~

    力強い歌声を出すためには、力を入れるのではなく力を抜くことが大切です。
    肩・胸・顎・舌の力みを取り、腹式呼吸と共鳴をベースにした発声を身につけることで、無理なく響く力強い声が手に入ります。

    脱力の技術は一朝一夕では身につきませんが、ウォームアップや録音チェックを日々の練習に取り入れることで、着実に変化を実感できるはずです。

    ブラッシュボイスでは、腹式呼吸から発声法まで、力強い歌声を作っていくサポートをさせていただいております。
    「力みが取れない」「自分の声の課題が分からない」という方は、ぜひ一度ボイトレ無料体験レッスンにお越しください。
    あなたの声の可能性を、一緒に見つけていきましょう。

    株式会社ブラッシュボイス
    関東代表ボイストレーナー/鈴木 智大

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